メッツは不振の千賀滉大をマイナー3Aに降格させた。春季キャンプ時点ではエースとして期待されていた右腕に対して、非情な決断を下した。
千賀は少なくとも9月20日まではメジャー復帰の資格がなく、3Aで調整する予定だ。球団はポストシーズンで千賀が貢献できるかどうかを、より的確に判断できると考えている。
「千賀はチームにとって正しいことをしたいと思っているし、ここでプレーオフ進出に貢献できると信じていると思う。彼はプレーオフ進出を強く望んでいる。そして、私たち全員が、彼にとってその実現に向けた最良の方法は、一歩引いて、よりコントロールされた環境で必要なことに取り組み、そこから前進することだと認識した」とデービッド・スターンズ編成部長は降格の理由を語った。
メッツが千賀を降格させるには、同意が必要だった。千賀が2022年12月に日本からメッツに移籍した際、5年総額7500万ドル(約110億円)の契約条項に盛り込まれていた。
スターンズとカルロス・メンドーサ監督によると、千賀は当初からこの条件に同意していたという。「この件についてコウダイと話し合っていくうちに、われわれ双方の観点から、これがチームと選手にとって正しい選択だということがはっきりしたと思う」とスターンズ本部長は語った。
2023年のルーキーイヤーにオールスターに選出された32歳の千賀は、昨季は負傷に苦しんだ。しかし、今季の前半戦は本領を発揮し、最初の13試合で7勝3敗、防御率1.47。しかし、右太もも裏を痛め、1カ月間欠場。それを境に不振に陥り、直近8試合では、0勝、防御率6.56となっていた。
メッツの関係者は、脚のケガが、投球フォームで過剰な補正を強いる原因になった可能性があると考えている。千賀は、投球メカニクスに細心の注意を払っており、運動連鎖の一部に違和感があることを認めている。昨夏、左ふくらはぎのケガからの復帰が遅れた理由として、投球メカニクスを何度も挙げていた。今回は、ペナントレースの真っ只中で千賀に解決策を探らせるのではなく、メッツは3Aシラキュースというリスクの低い環境で解決策を見つけてほしいと考えている。
計画では、千賀は今後1週間で数回のブルペン投球を行い、その後、2度の先発登板が予定されている。すべてが順調に進めば、シーズン最終盤に1、2度先発できる見込みだ。
「注意深く見守るつもりだ。彼はチームにとって重要な存在だから、しっかり見極めなければならない」とカルロス・メンドーサ監督は語った。
