韓国野球にとって、大きな転換点となる大会だ。2000年代前半に黄金期を築き、2008年北京五輪で金メダルを獲得。2009年のワールドベースボールクラシック(以下、WBC)決勝では、日本と延長戦に及ぶ激闘を演じた。しかしその後は苦戦が続き、直近3大会ではいずれも一次ラウンドを突破できていない。特に前回大会は、オーストラリアにまさかの敗戦を喫し、日本には13-4と大敗した。
今大会は、新監督の柳志炫(リュ・ジヒョン)が指揮を執り、メジャーリーグで活躍する韓国人スター選手に加え、金倒永(キム・ドヨン)や安賢民(アン・ヒョンミン)といったKBOの若手有望株、さらにはベテラン左腕の柳賢振(リュ・ヒョンジン)が若く勢いのある投手陣に復帰する。
WBCスケジュール
韓国代表は再び東京を舞台に戦うこととなった。宿敵であり開催国の日本がグループ突破の本命と見られる中、韓国は2位通過を目標に、2023年大会で敗れたオーストラリア戦への借りを返したいところだ。以下が試合日程(米東部時間の横に日本時間を表記)。
- 3月5日 vs チェコ 午前5時(日本時間5日午後7時)
- 3月7日 vs 日本 午前5時(同7日 午後7時)
- 3月7日 vs チャイニーズ・タイペイ 午後10時(同8日 正午12時)
- 3月9日 vs オーストラリア 午前6時(同9日 午後7時)
WBC最高のパフォーマンス
韓国代表のWBC最高成績は2009年大会。決勝に進出したものの、日本に延長十回の末、5-3で敗れた。九回裏に李範浩(イ・ボムホ)の適時打で同点に追いついたが、直後の延長十回表にイチローが放った2点適時打が決勝点となった。
この大会では、金泰均(キム・テギュン/一塁)、李杋浩(イ・ボムホ/三塁)、金賢洙(キム・ヒョンス/DH)、奉重根(ボン・ジュングン/投手)の4人がオールWBCチームに選出された。
代表史に残るビッグゲーム(WBC/五輪/プレミア12)
韓国野球史における最大の栄光は、2008年北京五輪決勝でのキューバ戦、3-2の勝利による金メダル獲得だ。1996年大会のキューバ以来となる無敗優勝(9勝0敗)を達成し、KBO史上最高の強打者とも称される李承燁(イ・スンヨプ)の2ランで奪ったリードを最後まで守り切った。
当時21歳だった柳賢振は九回途中まで力投。キューバに満塁のチャンスを作られた後は、田泰顯(チョン・テヒョン)が登板し、金メダルを決定づける併殺打を打たせた。
チームを彩る主なMLBスター選手
金河成(キム・ハソン)とパドレス加入が決まった宋成文(ソン・ソンムン)は負傷により欠場するものの、韓国代表には多くのMLB選手が名を連ねる予定だ。李政厚、金慧成、高佑錫(コ・ウソク)に加え、柳志炫監督は韓国にルーツを持つ選手の招集にも力を入れている。
2023年大会でトミー・エドマンが、韓国外で生まれた選手として初めて代表入りしたが、今大会ではさらに4人が加わる見込みだ。タイガースの外野手ジャマイ・ジョーンズ、マリナーズの投手デーン・ダニング、カージナルスの投手ライリー・オブライエン、アストロズの内野手シェイ・ウィットコムが名を連ねる。
チームのマイナーリーグ有望株
代表メンバーにマイナーリーガーはいないが、注目すべき若きスター候補が2人いる。三塁手の金倒永は、2024年にKBO史上最年少で30本塁打・30盗塁を達成した逸材で、2025年は負傷の影響で多くの試合を欠いたが、WBCでの復活を目指している。
もう一人が、鍛え上げられた体格から「マッスルマン」の愛称で知られる21歳の安賢民だ。今大会では右翼を任される予定で、昨季は482打席で打率.334、出塁率.448、長打率.570、22本塁打という圧巻の成績を残した。
注目のストーリー
最大の注目は、「韓国は再び頂点に立てるのか」という点だ。2000年代前半には世界の強豪として君臨したが、2015年のプレミア12優勝を除けば、近年は苦戦が続いている。国内外のスターを揃え、東京ラウンド突破への期待は高まっているものの、待ち受ける戦いは厳しいものになるだろう。
勝負を左右するポイント
2023年大会で韓国投手陣は防御率7.55と大きく苦しみ、大会ワースト5位の成績だった。ベテランの柳賢振を軸に、若く球威のある投手が揃うが、前回大会の課題を克服できるかどうかが、強豪復活の重要なポイントとなりそうだ。
