エンゼルスが改善すべき3つの分野、スズキ新監督と首脳陣がどう支えるか

November 8th, 2025

このストーリーは、レット・ボリンジャーの「エンゼルス・ビート」ニュースレターからの抜粋です。
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エンゼルスは10年連続で負け越し、2014年からポストシーズン進出も途絶えている。長く球団に関わってきたカート・スズキは、立て直すために解決すべき課題がいくつもあることをよく分かっている。

スズキは2021〜22年にエンゼルスでプレーし、2023年シーズン前にペリー・ミナシアンGMの特別補佐に就任。10月21日に新監督に就任した。若手の中核には有望な点が見えてきたと感じているが、まだ具体的な期待値は設定したくないと話す。

「この3年間ここにいて、ペリーがやってきたこと、彼が指名、獲得してきた選手たち、マイナーにいる才能を見てきて、可能性は感じています」とスズキ。

「ただ、われわれがもう少しで(ポストシーズンに)届くとか、そういった期待値を口にするのは無責任だと思います。チームが回り始めれば、若い選手たちは毎日必ず良くなっていく。どこにたどり着くかはそれぞれのペースで成長していくはずです」

以下は、スズキと新コーチ陣がエンゼルスの改善を求める3つの分野だ。

打球をインプレーにすること

エンゼルスは2025年に本塁打226本でメジャー4位の長打力を示したが、攻撃は一か八かに偏った。三振は1627で全30球団最多、MLB史上でも2023年のツインズの1654に次ぐ2番目の多さだった。

16年の現役時代にコンタクト型だったカート・スズキ新監督のもと、打撃コーチ陣はコンタクトの強化を徹底する必要がある。編成上の要因もあるが、チームの空振り率が高すぎる。長打力がありながら総得点は673でメジャー26位だった。

ペリー・ミナシアンGMは、FAやトレードでコンタクト型打者を加えて打線のバランスを取るのが得策だろう。今オフは真の中堅手を探しているため、テイラー・ウォード、ジョー・アデル、ホルヘ・ソレアらを放出する可能性もある。

「打席でのコンタクトを改善する必要があるのは周知の事実だ」とミナシアンGM。

「スズキは現役時代にそれをやってきた。大振りして長打を狙う場面もあれば、打球をインプレーにする場面もある。彼はその両方を経験している。だから、この役目に彼以上の人材は思い浮かばない」

守備の立て直し

あらゆる指標で昨季のエンゼルスはチーム全体として守備に苦しんだ。97失策はメジャー5番目に多く、Defensive Runs Saved(DRS=平均的な野手より何点防いだか)はマイナス45で28位、StatcastのOuts Above Average(OAA=平均よりどれだけアウトを奪ったか)はマイナス53で最下位だった。

捕手ローガン・オホッピー、三塁手ヨアン・モンカダ、中堅のジョー・アデルは特に高度指標で低評価だった一方、遊撃のザック・ネトはリーグ屈指の評価だった。なおモンカダはFAでアデルを再び中堅で起用する可能性も低い。ブライス・テオドシオは中堅守備が一級品だが、打撃面を証明する必要がある。

スズキ新監督には、低調だったオホッピーを立て直す任務も課される。若手捕手の成長は球団の将来にとって鍵であり、現役時代に守備に定評のあったスズキは、25歳の捕手に多くの助言を与えられるはずだ。

「ローガンはまだ若い」とスズキ。

「若くしてメジャーに上がってきたことは分かっているし、私も同じ立場を経験してきた。彼をもっと良くしていく。良くなるために必要と特定できることは、何でも取り組んでいく」

ストライクをもっと投げる

エンゼルスの与四球は620で、2位の球団より25多かった。初球ストライク率は60.4%でメジャー27位。しかも被本塁打は223でメジャー2位の多さだった。これでは成功の処方箋にはならない。

エンゼルス投手陣は空振りを奪う点ではリーグ中位だったが、カウントで後手に回る場面が多く、三振数は1280で下から6番目にとどまった。配球の問題も一因かもしれないし、球速向上を目標にすべきだろう。実際、フォーシームの平均球速は93.7マイル(約151キロ)でメジャー最遅タイだった。