カブス、今永とタッカーにクオリファイングオファーを提示

November 6th, 2025

来季、カイル・タッカーと今永昇太(32)が再びカブスのユニホームに袖を通す可能性は完全には消えていない。しかし球団は、どちらかが他球団と契約した場合に補償を得られるよう、必要な手続きを行った。

関係者によると、カブスは6日の期限までにタッカーと今永に対し、2026年シーズンの1年契約であるクオリファイングオファー(QO)を提示した。金額は年俸上位125選手の平均、2202万5000ドル(約33億7012万円)と定められている。いずれかの選手がこのオファーを拒否して他球団と契約した場合、カブスはドラフト指名権による補償を受けることになる。

2012年に現行制度が導入されて以降、クオリファイングオファーを提示された144人のうち、受諾したのはわずか14人。タッカー、今永を含む今回の対象選手たちは、11月18日午後3時(米中部時間=日本時間19日午前6時)までにオファーを受けるか拒否するかを決めなければならない。

今オフのFA市場で最も注目される打者の一人であるタッカーは、長期大型契約を求めてこの1年契約を断るとみられている。カブスは昨年12月、アストロズとの大型トレードで左のスラッガーを獲得しており、その時点で「1年限りの共闘」になる可能性を承知していた。

ナ・リーグ地区シリーズでブルワーズに敗れてシーズンを終えた後、タッカーは今後の去就について明言を避けた。

「どうなるかは分からない。この先のことは誰にも分からない。もし他球団と契約することになっても、この仲間たちと一緒にプレーできて光栄だったし、みんなの幸運を祈っているよ」と語っていた。

タッカーは1月に29歳になる。過去5年のbWAR(勝利貢献度を示す総合指標)は25.4でメジャー11位。2025年のカブスでは負傷の影響で136試合にとどまったが、4度目のオールスター選出。最終成績は打率.266、出塁率.377、長打率.464、22本塁打、25二塁打、73打点、25盗塁、91得点、87四球、88三振だった。

今永を巡る状況はやや複雑だ。

この交渉段階に至る前に、カブスは今永の3年総額5775万ドル(約88億7500万円)の球団オプションを見送り、今永は2026年の1525万ドル(約23億3800万円)の選手オプション(選手の契約延長権利)を行使しなかった。これにより32歳の左腕はFAとなり、当初のオプション額を上回る水準のクオリファイングオファーの対象資格を得た。

カブスでの2シーズンで今永は24勝11敗、防御率3.28。通算318回で291三振、54四球、先発54試合。2024年はオールスター選出、継投ノーヒッターにも貢献し、ナ・リーグのサイ・ヤング賞と新人王で下位票を得た。

2025年も好スタートを切ったが、左ハムストリング(太もも裏)の負傷で5〜6月の大半を離脱。最終的には25先発で防御率3.73、144回2/3で117三振、26四球。被本塁打は31本で、そのうち終盤の12先発で20本を許した。

「今永と契約した時点でこの2年分の成績を見せられていたら、私たちは即座に歓迎していただろう」とポストシーズン後にジェッド・ホイヤー編成本部長は振り返った。

「彼は結果を残しただけでなく、素晴らしいチームメートで、球団にとって大きな資産だ。もちろん、私たちには判断すべきことがある」