ヌートバー、菅野から8号2ランでスランプ脱出

May 28th, 2025

カージナルスの「1番・レフト」で出場したラーズ・ヌートバー(27)は8号2ランを含む4打数3安打2打点と勝利に貢献。初対戦の菅野智之(35)には3打数2安打、1三振だった。

日本式のあいさつで先輩への敬意を示した。一回第1打席。ヌートバーは、バット構える前にマウンドの菅野に視線を送り、目が合うとヘルメットのヒサシに手を当て、お辞儀をした。

「ちょっとアイコンタクトがありました。リスペクトの気持ちを示しそうとしました」

5球目をライト前ヒットでチャンスメーク。試合前時点では、19打数1安打のスランプだった。持ち前の選球眼も発揮できず、この間は1四球のみ。8三振を喫していた。3試合10打席ぶりの安打が出ると打線がつながり、先制のホームを踏んだ。

二回1死一塁では10試合ぶりの本塁打となるチームトップの8号2ランをライトスタンドに運んだ。前日は試合前にマーモル監督に呼ばれ、激励を受けたことをカージナルスの番記者、ジョン・デントン記者が伝えている。技術的なアドバイスは送らず、精神面に寄り添ったという。

「私は彼をじっとみつめ『I love you, buddy(愛してるよ)』とだけ伝えた。ヌートバーは『ときに野球をやることはつらい。でも、毎年戦い続けなくてはいけない』といった。だから励まし続ける。野球は難しい。相手を上回ったと思ったら、やり返される。その繰り返しだ」と指揮官は語ったという。さらに続けて「このゲームが難しいものであり、不調などが一時的なものであることを理解するにつれて、選手たちは成長する。だから、彼(ヌートバー)は大丈夫だ。実際、彼は正しい方向に向かっている。といえ、スランプの時期はどうしても辛いものだ」と27歳のリードオフマンを思いやった。

4月中旬まで打率.280以上、同月末は出塁率4割をキープしていた。しかし、打率は2割前半まで落ち、出塁率は.350を切っていた。だが、一気に不調気配を感じさせる3安打。「本当に一番もどかしかったのは、最近の1、2週間は何かが噛み合わない感覚だった。そこから立て直そうとした」とヌートバー。チームは31勝24敗でカブスを3ゲーム差で追うナ・リーグ中地区2位につける。1番打者の復調は、巻き返しには不可欠だ。