メッツが救援右腕、ウィーバーと2年契約で合意(関係者取材)

December 17th, 2025

メッツはエドウィン・ディアスの退団を受け、ブロンクス(ヤンキース)出身の戦力を加えながらリリーフ投手陣の再構築を進めている。

関係者によるとメッツは17日(日本時間18日)、右腕のルーク・ウィーバーと2年総額2200万ドル(約34億円)の契約で合意した。昨季はデビン・ウィリアムスの前を投げるセットアッパーや、抑えを任される場面もあった右腕は、メッツでかつての同僚と再びタッグを組むことになる。契約はメディカルチェックの完了を待って正式発表される見込みだ。

過去2シーズン、ウィーバーは、キャリアの大半を先発として過ごしたヤンキースで終盤を任せられる安定した救援として評価を確立した。その結果、ディアスやウィリアムズらと並ぶ、今オフのフリーエージェント市場でトップクラスの救援投手の1人と見なされるようになった。先週、ディアスがドジャースと3年6600万ドル(約102億3000万円)の契約で合意すると、メッツはクローザーをウィリアムズに託す方針を固め、セットアッパーの補強に動き始めた。ウィーバーは、その候補の中でも有力な1人と評価されていた。

ウィーバーとウィリアムズに加えて、メッツにはA.J.ミンターとブルックス・レイリーら左腕のセットアッパーが2人戻ってくる。それ以外のブルペン投手陣はディアス退団の影響もあって構成が定まっておらず、若手投手、特に若い先発有望株が食い込む余地もある。メッツは今後もフリーエージェント市場とトレード市場の両方を探りながら、上積みを図っていくことになりそうだ。

いずれにせよ、ウィーバーは終盤の継投で重要な一角として起用される見通しだ。2年前に救援へ転向したことで右腕はブレークし、ヤンキースでは62試合にリリーフ登板して防御率2.89、84回で103三振を奪った。シーズン終盤からポストシーズンにかけてはクローザーを任され、チームのア・リーグ優勝に大きく貢献した。

2025年にウィリアムズが加入すると、ウィーバーは主にセットアッパーへ役割が移った。シーズン中は調子の波があり、特に6月に左太もも裏の張りで負傷者リスト入りした後は苦しんだ。それでも自己最多の64試合に登板して防御率3.62、64回2/3で72三振を記録した。ただし、ポストシーズンは不振で球種の癖を相手が見抜いていた可能性も伝えられ、3試合で5失点を喫した。

9月、ウィーバーは先発復帰にも前向きな姿勢を示していた。だが、先発陣に厚みがある一方でブルペンが手薄なメッツは、救援として起用する方針だ。

32歳のウィーバーはメジャー10年目。10シーズンのうち7シーズンは主に先発として投げており、キャリア序盤の2016〜21年はカージナルスとダイヤモンドバックスで先発を務め、2023年も(途中でマリナーズで短期間リリーフを挟みつつ)レッズとヤンキースで大半を先発投手として過ごした。

リリーフとして過ごした直近2シーズンは、成功している。先発通算106試合では、三振率は高いものの25勝42敗、防御率5.05だった。だが、ブルペンに配置転換されてからは、使う球種を絞ったことで三振率が大きく上がった。現在は速球とチェンジアップが軸で、この2球種を全体の約90%で投げている。ここ2年間の防御率3.21も、これまでより大幅に良い。

ウィーバーは2014年のドラフトでカージナルスから1巡目指名を受けた。通算では6球団(カージナルス、ダイヤモンドバックス、ロイヤルズ、レッズ、マリナーズ、ヤンキース)で270試合に登板し、防御率4.74、723回で746三振(9イニングあたり9.3三振)を記録している。