痛恨の3失策と3併殺打、球団史上初をかけ運命の第7戦へ

October 20th, 2025

ブルージェイズ6-2マリナーズ】トロント/ロジャースセンター、10月19日(日本時間20日)

悲願成就の道は常に険しい。MLBで唯一、ワールドシリーズ(WS=7回戦制)進出を果たしていない球団、それがマリナーズだ。

「このスポーツは、身体的な部分よりも心理的な要素のほうがずっと大きいと思う」と、六回に5点ビハインドからソロを放ったジョシュ・ネイラーは語った。

「相手をメンタル的に打ち負かせば、身体的にもすぐに崩すことができると思う。ボクシングと同じようなものさ。俺はボクシングを見るのが大好きで、父さんといつも一緒に観てるんだけど、偉大なボクサーはまず相手をメンタルで崩して、最後はたった一発で仕留めるんだ」

このシリーズは、ファイナルラウンドへと突入する。

2500マイル(約4000キロ)以上を移動してトロントに駆けつけたファン、そしてシアトルでテレビの前から声援を送っていた人々にとって、この敗戦が一層悔やまれるのは、多くのチャンスを逃したからだ。

マリナーズは、2009年ALCS第2戦のヤンキース以来となる、1試合で3失策以上、かつ3併殺以上を記録したチームになった。三回と四回に満塁の好機を迎えたが、いずれも併殺打で打ち取られた。しかも、三回の打席に立っていたのはブルージェイズ・キラーとして知られるカル・ローリーで、四回はJ.Pクロフォード(満塁時の通算OPS1.104)だった。さらに、五回にはフリオ・ロドリゲスも併殺打に倒れ、”ハットトリック”を決められた。

「自分の当たりは強い打球だったと思う」とカル・ローリーは悔しそうに語った。

「ただもちろん、もっと打球を上げなきゃいけなかった。言い訳はできない。J.P.もツーストライクから粘っていたし、これも野球ってことだ。全力で戦ったけど、打球がたまたま相手の正面に飛んでしまった」

第3戦以降、マリナーズは得点圏で極端に苦しんでおり、第5戦でのエウヘニオ・スアレスの劇的な満塁本塁打を含めても、得点圏打率はわずか.150(40打数6安打)にとどまっている。第7戦で修正できなければ、シーズンは終わりを迎えるだろう。

「プレッシャーをかける場面も作れたと思うし、結果が出ないときもある。それが野球というもの。どんなに準備をしても、どんなにいい感覚でも、うまくいかない日もある。でもチャンスはたくさんあったし、明日はそれをモノにできると思ってる」とネイラーは語る。

さらに痛かったのが3つの失策で、いずれも失点に直結した。

まずフリオ・ロドリゲスが左中間でワンバウンドの打球を弾き、単打を二塁打にしてしまった。続くバージャーのタイムリーで走者のバーショは悠々とホームインした。

同じ回、スアレスは俊足クレメントの強烈な打球を処理し損ね、無死一、二塁のピンチを作った。そのクレメントは、続く打者の緩いゴロでスアレスが素手で捕ろうとして失敗した隙に、三塁からホームへ生還した。

七回には、マット・ブラッシュの暴投の際、捕手ローリーが焦って二塁へ送球するも、それがレフト方向へそれてしまい、走者ゲレーロJr.が楽々と生還。ゲレーロJr.は五回にも先頭打者としてソロを放ち、先発のローガン・ギルバートをマウンドから降ろしていた。

「もう少しクリーンな試合ができたと思う。チャンスは何度も作ったけど、得点につなげられなかった。それも野球の一部だ。でも相手も本当にいいプレーをしていたし、いいスイングをしていた」とフリオ・ロドリゲスは語った。