昨夏にパドレスがトレードで獲得した時点で、メイソン・ミラー(27)はすでにリリーフ投手として、球界屈指の1人だった。
しかし、パドレスは当時のミラーを求めてトレードしたわけではなかった。(たとえミラーがすでに球界最高のフォーシームとそれに伴う切れ味鋭いスライダーを備えた絶対的な武器であったとしても)。トレードした際、パドレスはミラーを4年半保有できることを知っていた。
そして、さらに良くなることを思い描いていた。
ここまで、それは正しかったようだ。ミラーは昨夏アスレチックスからパドレスにトレードされて以降、さらに優れた投手になっている。今週末の古巣との初シリーズを前にパドレス加入後にミラーが改善した最大のポイントを見てみよう。
ストライクを取れるスライダー
これこそ、ミラーが踏み出すべき最も重要な次のステップだった。ベースボール・サバントのページは濃い赤で埋め尽くされており、ミラーがほぼすべてのカテゴリーでトップクラスであることを示している。だが、昨季の四球率は12%で下から下位6%に位置していた(つまり、四球を与えやすい投手だった)。
一般的に言えば、ミラーの直球の制球力は十分に安定している。コースの隅を突くわけではない。しかし、あれだけの球速があれば、隅を突く必要はない。どうしても必要な時は、直球でストライクを取ることができる。
しかし、対戦打者の心理になって考えてみてほしい。カウントが打者有利になり、ミラーがストライクを投げなければならないと分かっているとする。ここで、1つの球種でしかストライクを取れないとしよう。直球に完全に狙いを絞らない手はないだろう。相手はメジャーリーグの打者だ。来るのが分かっていれば、ミラーの直球でも打つことができる。
ミラーは「スライダーの安定性と自信が重要になっている。様々なカウントでストライクを取れるようになった」と語った。
これを分析するのは難しい。なぜなら、ミラーがいつスライダーをストライクゾーンに投げようとし、いつボールゾーンに投げて空振りを誘おうとしているのか、正確には分からないからだ。しかし、3ボールのカウントでスライダーを投げた場合、それはストライクを取ろうとしているというかなり良い指標になる。
今週のドジャースとのシリーズに入る前、ミラーはパドレス加入後、3ボールからのスライダーを7球連続でストライクゾーンに投げていた。(3ボールになること自体が少ないため、パドレス在籍期間全体でも8球しか投げていない)。
アスレチックスでの救援投手としての1年半で、ミラーは3ボールからスライダーを合計15球投げ、ストライクはわずか7球だった。手短に言えば、ミラーの直球に狙いを絞ることはもうできない。スライダーで簡単に打ち取られてしまうだろう。
もちろん、その重要性を物語るかのように、ミラーは今週、フレディ・フリーマンとマックス・マンシーに対して3ボールからスライダーを投げたが、いずれも外れた。それがミラーにとって苦しい2度の登板につながった。19日(日本時間20日)の夜にはパドレスでの初黒星も喫している。
それでも、スライダーのコマンドが向上した直接的な結果として、ミラーはこの球種をこれまで以上に高い割合、約50%で投げている。これはまさにミラーが望んでいる割合であり、「ほぼ半々なので、本当にコイントスのようなものだ」と語っている。
もちろん、これらすべてが避けられない疑問をもたらす。より安定してスライダーでストライクを取れるようになるために、ミラーは実際何を変えたのだろうか。
メカニクスがよりきれいになった。少なくとも、常にきれいな状態を保てるようになった。
ミラーの球種について言えるのは、球質自体は実際には変わっていないということだ。球速も球筋も、少なくともデータ上は基本的に同じだ。それらを使ってより良い結果を出しているが、球自体は同じだ。
しかし、過去数シーズンと明確に違う部分が1つある。ミラーの腕の角度だ。キャリア最初の3年間、常に30度台半ばだった。今年は、平均的な腕の角度がちょうど40度になっている。
それはパドレスとミラーが施した調整ではない。少なくとも、ミラーにとって新しい腕の角度ではない。過去に、その理想的な腕の角度を常に保てなかっただけだ。
ミラーは「疲労や悪い癖のせいで、下がってしまっていた」と語った。
今年はどうか。
ミラーは「選手として成長する過程の一部でもある。その変化を理解し、乗り越えること。それは自然なことだと気づく。腕が疲れれば、腕の角度は下がる」と理由を説明した。
「だからこそ、日々の練習などをしっかりこなすことが、良い癖づけを促す。本当にただの良い癖づけだ。マウンドに立って『腕の角度を高く保とう』と考えるのはとても難しい。それは他のすべての要素の副産物のようなものだ。そして最終的に、腕は正しい位置に収まる」
結果として、直球は伸び、スライダーにはキレが生まれ、それぞれの球種を制球できている。
投手としての成長
人生の大半の事柄と同じく、上達する最も確実な方法は、それをやり続けることだ。ミラーは投球が上達している。投球回数が増え、登板が崩壊しないように試合中に適応する能力が向上したからだ。
ミラーは「救援投手にとって2、3試合の差が、本当に素晴らしい年になるか、まずまずの年になるかの違いを生む」と語った。「昨季からおそらく2試合を除けば、本当に素晴らしい1年になる。終盤はとても力強かった。でも、今はより安定性を発揮していると思う。基本的には同じ投手だ。ただ、少しだけ安定感が増している」と違いを語った。
18日(同19日)の登板は、まさにそうした登板の1つだった。ミラーのメカニクスは完全に狂っていた。ルーベン・ニーブラ投手コーチの言葉を借りれば、ミラーの「最大の強みは、踏み出し脚で踏ん張る能力」だ。基本的に、ミラーの踏み出し脚が運動連鎖全体を牽引し、最終的に3桁(100マイル=161キロ)の直球と切れ味鋭いスライダーを生み出すプロセスを始動させるということだ。
18日(同19日)の夜、しばらくの間、その踏み出し脚が機能していなかった。ニーブラ投手コーチはダグアウトから出て、ミラーとその修正について話し合った。しかし実際には、ミラーはそれに気づいており、すでにその調整を行っていた。
案の定、その夜、ミラーの最初の10球のうち9球がボールだった。その後、調整を行い、最後の12球をすべてストライクに投じた。
パドレスのクレイグ・スタメン監督は「それはかなり大きなスイッチの切り替えだ。精神的な強さを物語っている」と語った。
クローザーとして逃げ隠れする場所はない。メカニクスが狂っていれば、選択肢は2つだ。何としてでも解決するか、おそらく試合に負けるかだ。
パドレスは、ミラーが何としてでも解決することにおいて球界最高クラスになったと信じている。そして最終的に、それが優れたクローザー(パドレスがトレードで獲得した時点のミラー)と、歴史的に圧倒的なクローザーとの違いになる。
それが、今のミラーだ。
