この記事はメッツ番記者のアンソニー・ディコモ記者のニューレターから抜粋したものです。
ポートセント・ルーシー(フロリダ州): メッツは今年もリーグトップの年俸と大きな期待を背負ってシーズンに臨む。昨年ワールドシリーズまであと2勝に迫ったチームにとってファン・ソト加入は大きな一撃になった。とはいえ、メッツが抱える問題をソト加入ですべて解決されるわけではない。メジャーリーグで最も厳しい地区でプレーするメッツは、投手陣に多くの課題を抱える。カルロス・メンドーサ監督は「(同地区の)フィリーズやブレーブスは、我々が先発5投手のうち2人を欠く布陣に全く同情なんてしないだろうね」と話す。同情するチームなど皆無だ。
だがレベルの高いラインナップを擁すること、ロスター全体に浮き沈みがあることを理解し、必要に応じて選手を追加することを厭わないオーナーがいるという前向きな要素もある。
「ロッカールームの外で言われていることは、全てどうでもいいことだ」とメンドーサはきっぱりと言い、こう続ける。
「我々はこのチームは良いチームだと分かっている。でも先はまだまだ長い」
問題は「ローテーションが踏ん張れるか否か」
ソト、フランシスコ・リンドア、ピート・アロンソを筆頭とするメッツの打撃力を疑問視する声は少ない。
懸念はローテーションだ。
中継ぎから先発に転向したクレイ・ホームズを始め、一貫性のない起用をされている選手が何人もいる。昨年、メッツはショーン・マナエアとルイス・セベリーノを頼れる先発投手に育て上げた。トレードや若手有望選手が加入するまで、マナエア、ホームズ、千賀滉大、タイラー・メギル、グリフィン・キャニング、デビッド・ピーターソン、フランキー・モンタス、ポール・ブラックバーンの組み合わせで昨季のようにローテーションを守ることが求められる。ただしマナエアとモンタスは現在故障中で起用方法の難易度が増している。
最大の謎は「 メッツが千賀に何を期待するか」
千賀が肩、上腕三頭筋、ふくらはぎの故障のために昨季の開幕を欠場して以来、チームは1年以上にわたってこの質問『千賀に期待すること』を自問してきた。千賀は怪我なくキャンプを終えたもののグレープフルーツ・リーグでの登板は制限され、安定性に欠けた。そのためメッツはレギュラーシーズンではマーリンズとの第5戦まで千賀を登板させないことにしている。
千賀は果たして2023年のようなエースの風格を取り戻せるのか。それ以下の投手になるのか。マウンドに立ち続けることができるのか。これからの数ヵ月でこれらの疑問に答えてくれるだろう。
チームMVPは「ソト」
昨年のナ・リーグMVP投票で大谷翔平に次ぐ2位となったリンドアに対し、ソトは今やチーム最高の打者だ。彼は過去6年間で5回もMVP投票でトップ10入りしているほか、昨年は文句なしの過去最高のシーズンを終えて、肉体的にも全盛期を迎えている。ソトにとってMVP級のシーズン以外は、失望以外の何物でもないだろう。
チームのサイ・ヤングは「ホームズ」
2018年以来、先発出場のない選手に多くを期待するのは酷かもしれないが、ホームズは春先からシャープな動きを見せ、この移籍が成功だったと思わせる準備は十分にできているようだ。
競争相手が少ないのも救いだ。シーズンを通して健康でローテーションを守れるメッツの最有力候補はホームズ以外ではピーターソンだろうか。今季は他の投手も小粒ながら良いパフォーマンスを見せるかもしれないが、ローテーションを支える可能性が高いのはホームズだろう。
大胆予想: ソトはキャリア最高のシーズンを送るだろう
打者に優しい球場でホームゲームを戦い、41本塁打、OPS.989を記録し、アメリカンリーグのMVP投票で3位になった昨年を超えるのは難しいかもしれない。加えて頼れる主将で、打撃のラインナップを守るアーロン・ジャッジという存在も失った。
とはいえソトは、リンドア、アロンソ、マーク・ビエントス、ブランドン・ニモといった層の厚さを誇る先発ナインに溶け込み、新天地でリラックスして楽しそうに見える。26歳のソトにとって、怪物のような1年を送るための要素はすべて揃っている。
