30打数無安打、不振抜けたブッシュのタイムリー

April 12th, 2026

パイレーツ6-7xカブス】シカゴ/リグレーフィールド、4月12日(日本時間13日)

シーズンが進み、サンプル数が増えれば、現在マイケル・ブッシュが経験しているような不振はそれほど気にならなくなるかもしれない。しかし四月の時点では、ビジョンに映る、極端な数字が精神的に負担をかける。

ブッシュはチームの中でも屈指の打者として成長していた。昨年は、155試合に出場して打率.261、出塁率.343、長打率.523、34本塁打、25二塁打、90打点をマーク。レギュラーシーズンで4.6 bWARという素晴らしい数字を残した後、ポストシーズンでも8試合で4本塁打、OPS 1.128と爆発し、10月の主役の一人として躍動した。

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しかし今季序盤は苦しんでおり、この日の試合前まで、30打数0安打。クレイグ・カウンセル監督は、不振に苦しむ一塁手をスタメンから外し、気持ちをリセットする時間を与えた。

「素晴らしい打者にリセットの機会を与えたかっただけだ。少し停滞していて、結果が出ていなかった。スタメンを外れ、試合よりも打撃練習に集中できる1日を作ることで、改善につながり、気持ちを楽にする助けになる」とカウンセル監督は説明した。

ブッシュはこの期待に見事に応えた。八回、鈴木誠也とダンズビー・スワンソンの四球でチャンスを広げると、2死一、二塁でブッシュが代打として登場。3球目を捉えレフト線へのタイムリーを放った。さらに、左翼手の送球エラーも重なりスワンソンも生還し、6-6の同点に追いついた。

「かなりフラストレーションが溜まっていた。自分の中にしっかりとした土台は築けていると思うから、そこに戻って、とにかくやるべきことを継続するだけだ」とブッシュは語った。

難しい時期は当然来てほしくないだろう。ただ、それとの向き合い方は心得ている。

「最高のスタートを切るに越したことはないが、打者である以上、どうしてもこういう(不調の)時期はやってくる。自分の中で、それを良しとしているわけではない。ただ、その波を乗りこなし、時には自分を許して、必要な時にはがむしゃらに練習する。そのバランスが重要なんだ」と説明。理解し、受け入れることの必要性を語った。

「シーズンを通してそのバランスを保つのは難しいし、これからも課題であり続けるだろうけど、それも野球というゲームの一部だ。打撃で結果が出ない時は、守備や走塁など、別の形でチームの勝利に貢献する方法を探す。結局のところ、大事なのはそこ(チームが勝つこと)だけだからね」

カブスの先発ジェイムソン・タイオンは、序盤2回で強風の影響もあり2本塁打を喫したが、その後は立ち直り6回10三振の力投。その右腕は、ブッシュがそれほど深刻なスランプに陥っていたことにすら気づいていなかった。

「正直に言うと、30打席もノーヒットだったなんて知らなかったよ。それくらい、彼は精神的に安定しているんだ。『自分はなんて不幸なんだ』と悲観するような素振りは全く見せず、ただひたすら練習に励んでいた。いつも通りだったよ。一緒にプレーしていて気持ちがいいし、最高のチームメイトだ。中継を聴くまでは、本当に(スランプだとは)気づかなかった。応援したくなる、本当にいい奴なんだ」とタイオンは語る。

「昨シーズン、僕たちが10月にプレーできた(ポストシーズンに進めた)のは、彼がいたからだ。一年を通してチーム最高の打者の一人だった。彼がいなければ困るし、今回のヒットが復調のきっかけになることを願っているよ」

ブッシュのタイムリーが、九回のサヨナラにつながった。2本のヒットと四球で満塁とすると、カーソン・ケリーが右中間へのタイムリー。二回終了時点で5点ビハインドとなっていたが、粘り強い戦いで試合をひっくり返した。「6番・右翼」で出場した鈴木は、九回にも四球を選んで2四球。安打はなかった。

ブッシュは4月1日のガーディアンズ戦で2安打を放ってから、8試合で30打数無安打でこの日の試合を迎えていた。この時期はあっという間に成績が上下する。4月1日終了時点では打率.286、OPS.804だったが、不振によりこの日の試合前の時点では打率.118、OPS.377まで低下していた。

カウンセル監督が唯一気づいたのは、ブッシュが打席内で自分のスイングについて考えすぎているのではないか、ということだった。

「打席に入った時に動きが『機械的』に感じられるようなら、それは休養が必要なサインだ。誰しも自分なりのメカニクス(打撃技術やフォーム)を持っているものだが、いざ打席に立ったらそれを取り払わなければならない。技術的なことが思考の中心になってしまうと、歯車が狂い始めるんだ」とカウンセルは語った。

カウンセル監督は、この日ブッシュを完全に休ませるつもりでいた。

「だが、彼をベンチに座らせたままにはしておけない状況というのもあるだろう?(八回のチャンスで)まさにその状況が巡ってきた。そして、彼は準備ができていたんだ」