【ツインズ2-6カブス】シカゴ/リグレーフィールド 7月18日(日本時間19日)
アンソニー・リゾは、この日、古巣カブスの試合を観戦しにリグレー・フィールドを訪れていた。
試合前には、2016年ワールドシリーズ制覇を記念した新モニュメント「チャンピオンズ・ゲート」の除幕式に参加。世界一メンバーの仲間たちと右翼席に陣取り、この日の役目は終わった。ゆっくり野球観戦をしよう。そう思っていたはずだった。
ところが、試合開始直後に思わぬ見せ場が訪れた。
初回、マイケル・ブッシュが放った先制ソロ本塁打は、一直線に右翼席へ。そして落下地点にいたのは、ほかでもないリゾだった。
幼い息子と一緒にホームランボールをキャッチすると、周囲にいた2016年世界一メンバーは大盛り上がり。ワールドシリーズMVPのベン・ゾブリストも驚きの表情を浮かべ、リゾ本人は苦笑いを浮かべながら肩をすくめた。
ブッシュも試合後、「最初は誰が捕ったのか分からなかったけど、アマヤから『リゾが捕ったんだよ』と聞いた。本当にすごい偶然だった」と笑顔を見せた。
この日は除幕式でリゾ自身もスピーチを行い、第7戦の歓喜の瞬間を再現したブロンズ像がお披露目されたばかり。数時間後には、そのレジェンドが今度は現役カブスのホームランボールをスタンドで受け止めるという、まるでドラマのような展開だった。
ブッシュは「2016年のチームがこの街にもたらしたものは本当に特別。ファンがどれだけ愛しているかが伝わってきたし、リゾはその象徴的な存在。しかも息子さんと一緒にあの場面にいたなんて、本当に特別だった」と振り返った。
一方で、この本塁打はブッシュ自身にとっても復調を感じさせる一発となった。昨季30本塁打を放った長打力は今季やや影を潜めていたが、これで直近4試合4本目の長打。五回にはファウルゾーンで好捕も披露し、「シートの上まで行こうかと思ったけど、それはリゾに任せておくよ」と笑わせた。
試合前は2016年世界一メンバーの功績をたたえる一日だった。しかし、試合が始まると、思わぬ形で再びリゾが主役になった。野球ならではの不思議な巡り合わせが、球場を大いに沸かせた。
リゾは試合前のセレモニー後、この日の役割は終わったと考えていたかもしれない。しかし、野球界には「ボールはあなたを見つける」という格好の格言がある。球団史に残る最高の瞬間を祝うためにその場にいた人物であれば、なおさらだ。
