ダイヤモンドバックスはオールスター二塁手のケテル・マルテを含むトレードについて各球団との交渉を行っているが、マイク・ヘイゼンGMは「この状況がいつまでも続くことを望んでいない」と語っており、状況は近いうちに変わる可能性がある。
30日(日本時間31日)、ヘイゼンGMは「近いうちに、これ(=マルテのトレード交渉)に終止符を打つ可能性が非常に高い」とコメントした。
ただし、「近いうち」という言葉が何を意味するのかは、あまり明確にはなっていない。
トレード交渉を打ち切る具体的な時期について、ヘイゼンGMは「まだ決めていない」と語ったが、「このまま長引かせるつもりはない。オフシーズンの補強に注力する必要があるんだ。繰り返しになるが、私はずっと(マルテのトレードは)実現しないと思っていた。そして、その可能性は高そうだ。今後はほかのやるべきことに集中していきたいと思っている」と付け加えた。
ヘイゼンGMはウィンターミーティングの際、ダイヤモンドバックスが今オフの補強を進めるために、マルテのトレード交渉は年明けを迎えるタイミングが期限になる可能性が高いことを示唆していたが、今回の発言はそれと一致する。
マルテ獲得に関心を示すチームに対して明確な期限を提示しているわけではないが、残された時間が少なくなっていることは伝えたという。
ヘイゼンGMはマルテのトレード交渉について、一定の進展があったことは認めたものの、ダイヤモンドバックスがマルテ放出を許容できる条件に一切近づくことなく、交渉が決裂したことを明かした。
ダイヤモンドバックスにとって、今オフ最大の課題は投手力を強化することだ。マルテのトレード交渉でも対価として即戦力の投手を求めていたとみられており、今オフはすでにフリーエージェント(FA)市場で2人の投手を獲得している。
ウィンターミーティング初日、ダイヤモンドバックスは右腕マイケル・ソロカと1年750万ドル(約11億2500万円)の契約を結んだ。この契約には出来高が設けられており、ソロカが受け取る総額は950万ドル(約14億2500万円)まで上昇する可能性がある。
12月19日(同20日)には夏のトレードで放出した右腕メリル・ケリーを2年4000万ドル(約60億円)の契約で呼び戻した。
しかし、この2人を獲得したことでダイヤモンドバックスの投手補強が完了したわけではない。A・J・パク、ジャスティン・マルティネスという2人のクローザー候補がトミー・ジョン手術のリハビリで来季開幕からの数カ月を欠場するのが確実という状況の中、勝ちパターンを担う投手が手薄になっており、ブルペンの補強を目指している。
ヘイゼンGMはFA市場とトレード市場の両方でブルペン補強の可能性を探っていることを明かしている。また、適切な機会があれば、先発ローテーションのさらなる補強も検討するつもりのようだ。
さらに、一塁/DHタイプの右打者を獲得することで、打線のアップグレードを図りたいと考えている。マルテのトレード交渉を決着させたいのは、投手の補強を進めていきたいということに加え、マルテの有無によって打線強化の必要性が変わってくるからだ。
ヘイゼンGMは「今後どこかのタイミングで野手陣に焦点を当て、もう少し具体的に補強を進めていく必要がある。だから、ほかの選手(マルテ)について最終的な判断を下す必要があるんだ。(マルテの動向次第で)打線の形が明確になり、どんな補強ができるか、その方向性も明確になっていくからだ」と語った。
