2025年シーズンに達成された節目の記録

大谷は史上最速で250本塁打&150盗塁を達成

2:00 AM UTC

MLBの才能豊かな選手たちにとって、毎年訪れるシーズンは自身の可能性を最大限に発揮する絶好の機会だ。シーズンが始まるときに、これから始まる162試合の中でどんな記録が達成されるかを予想するのは、常に楽しいもの。しかし、シーズンが終わるときには、予想もしなかったような大記録が達成されることもある。

ここでは2025年シーズン中にマイルストーン(節目の記録)を達成した10人の選手を順番に見ていこう。

ストライダーは昨季までに通算329回2/3で495三振を記録。通算500三振の達成は目前で、MLBの公式記録を扱うエライアス・スポーツ・ビューロー社によると、全登板の50%以上に先発した投手の中では史上最少イニングで500三振を達成する見込みだった。4月16日の今季初登板、ストライダーは五回の先頭打者から三振を奪い、通算334イニングで500三振を達成。フレディ・ペラルタの372イニングを大幅に更新し、主に先発を務めた投手としては史上最速の通算500三振達成となった。

フアン・ソト:27歳未満と28歳未満の歴代最多四球

ソトは昨季までに通算769四球を記録。これは26歳未満の選手としては歴代最多で、27歳未満の選手としてはミッキー・マントル(797四球)に次いで2番目に多かった。ソトがマントルの記録を塗り替えるまであと29四球。しかもソトは26歳になってからまだレギュラーシーズンの試合に1度も出場していない状態だった。

5月6日、ソトは通算797個目と798個目の四球を選び、まだシーズンの大半が残っているにもかかわらず、27歳未満での歴代最多四球記録を更新した。その後、どうなったかというと、ソトは27歳の誕生日を迎える前に、28歳未満での歴代最多四球記録も塗り替えてしまった。28歳未満の記録もマントル(892四球)が保持していたが、ソトは9月23日に通算893個目の四球を選び、記録を更新。シーズン終了時点で896四球まで伸ばした。これは27歳未満の歴代最多記録であり、2026年シーズンには28歳未満の歴代最多記録をさらに伸ばしていくことになる。

大谷翔平:通算250本塁打

大谷は昨季までにメジャー通算225本塁打を記録。6月14日、先頭打者アーチで通算249本とし、六回には通算250本塁打の節目に到達した。この時点で、大谷は通算156盗塁を記録。通算944試合目で250本塁打&150盗塁を達成したのは、アレックス・ロドリゲス(977試合)を上回って史上最速だった。なお、944試合のうち、大谷が打者として出場したのは928試合だけ。これはキャリア序盤、登板時には打席に立たなかったからである。打席に立たなかった試合を含めても、大谷の944試合は史上最速だった。

マット・オルソン:700試合連続出場

6月26日、オルソンは2021年5月2日から続く連続試合出場を700まで伸ばした。シーズン終了時には782試合となり、これはメジャー史上12位の大記録。地区制が導入された1969年以降、オルソン以外に700試合連続出場を達成したのは、カル・リプケンJr.(2632試合:1982~98年)、スティーブ・ガービー(1207試合:1975~83年)、ミゲル・テハダ(1152試合:2000~07年)、ピート・ローズ(745試合:1978~83年)、デール・マーフィー(740試合:1981~86年)の5人だけだ。

殿堂入り確実の名左腕は、昨季までに通算2968三振を記録していた。7月2日、六回の3アウト目で通算3000三振の大記録に到達。3000三振は限られたエリートのみが到達できる領域であり、これまでに達成した20人のうち、まだ殿堂入りしていないのはロジャー・クレメンス、カート・シリング、カーショウ、マックス・シャーザー、ジャスティン・バーランダーの5人だけだ(カーショウ、シャーザー、バーランダーはまだ殿堂入りの資格がない)。1球団でキャリアを全うし、通算3000個以上の三振を奪ったのは、セネタース(現ツインズ)のウォルター・ジョンソン、カージナルスのボブ・ギブソンに続いてカーショウが3人目となった。

アーロン・ジャッジ:通算350本塁打

ジャッジは昨季までに通算993試合で315本塁打を記録。デビューした2016年以降ではメジャー全体で最多本数だった。2024年には通算955試合目で300本塁打に到達し、これはメジャー史上最速。同じく史上最速での350本塁打達成も視野に入れていた。そして7月12日、通算1088試合目で350本塁打を達成。マーク・マグワイア(1280試合)を大幅に上回り、圧倒的なメジャー新記録を樹立した。

ピート・アロンソ:メッツの通算最多本塁打記録

アロンソは昨季までにメッツ史上3位となる226本塁打を記録。2位のデービッド・ライト(242本)、1位のダリル・ストロベリー(252本)の記録に迫っていた。そして8月12日に通算253本目のホームランを打ち、メッツの球団記録を更新。シーズン終了後にオリオールズと契約してメッツ在籍期間を終えたため、アロンソの通算264本塁打がメッツの球団記録として残ることになった。アロンソのほかに、球団の通算最多本塁打記録を保持している現役選手は、エンゼルスのマイク・トラウト、マーリンズのジャンカルロ・スタントン(現在はヤンキースに在籍)、パドレスのマニー・マチャドの3人だけである。

バーランダーは昨季までに歴代10位の通算3416三振を記録。8月10日、通算3500三振のマイルストーンに到達し、8月21日にウォルター・ジョンソン(歴代9位の3515三振)に並ぶと、8月26日にはジョンソンを抜いた。9月6日は通算3534三振のゲイロード・ペリーを抜き、歴代8位に浮上。シーズン終了時点で通算3553三振まで数字を伸ばした。

マイク・トラウト:通算400本塁打

トラウトは昨季までに通算378本塁打を記録。史上59人目となる400本塁打達成が迫っていた。9月20日に通算400本塁打を達成し、400本塁打&200盗塁をクリアした史上15人目の選手に。さらに詳しく見てみると、35歳の誕生日を迎える前に400本塁打&200盗塁を達成したのは、アレックス・ロドリゲス、サミー・ソーサ、ウィリー・メイズ、ハンク・アーロン、バリー・ボンズ、レジー・ジャクソンに次いで7人目の快挙だった。

カル・ローリー:捕手とスイッチヒッターの最多本塁打記録

これは2025年シーズン開幕前には誰も予想していなかった記録だ。捕手によるシーズン最多本塁打記録は2003年にハビー・ロペスが記録した42本だった。ローリーは捕手として49本塁打を放ち、ロペスの記録を更新。さらに指名打者として11本塁打を放ち、60本塁打の大台に到達した。主に捕手を務めた選手(出場試合の50%以上が捕手)によるシーズン最多本塁打記録は2021年にサルバドール・ペレスが記録した48本だったが、ローリーはその記録を大幅に更新。また、ローリーはスイッチヒッターであり、1961年にミッキー・マントルが記録した54本塁打のスイッチヒッター史上最多記録も塗り替えた。