これからスポーツ界を目指す女性たちをMLBが後押し

スポーツ界で道を切り開いてきた女性たちを称える1日

February 6th, 2026

「ナショナル・ガールズ&ウィメン・イン・スポーツ・デー」は、スポーツ界で道を切り開いてきた女性たちを称える日だ。そして、同じようにスポーツ界へ挑戦しようとする若い女性たちに「次のパイオニアになれる」という可能性を示し、その道のりを後押しする一日でもある。

4日(日本時間5日)には、メジャーリーグベースボールがマンハッタン本部に56人の女性を迎え、ワークショップ、パネルディスカッション、プロフェッショナル・ディベロップメント、ネットワーキングを中心としたイベントを開催した。

当日は歓迎の挨拶からスタートし、その後は少人数に分かれてのセッションが行われた。各部署の担当者が、自身のキャリアパス、MLBでの仕事内容、そしてスポーツ業界でのキャリアを目指す上でのアドバイスについて語った。参加した部署は、野球運営(ベースボール・オペレーション)をはじめ、コンテンツ制作、野球・ソフトボールの育成部門、広報など多岐にわたった。

MLB職員に加え、球団関係者も複数参加しており、サレム・リッジ・ヤックスのアシスタントGMであるブレア・ホーク、USAソフトボールの最高執行責任者アリソン・タケダ・フレイグ、ダイヤモンドバックスの会員販売・サービス部門シニアディレクターであるジェイミー・ロバーツらが登壇した。プレゼンテーションはスライド中心のものから質疑応答形式までさまざまだったが、いずれも野球産業を動かしている「裏側の仕組み」を知るための示唆に富んだ内容だった。

MLBにおけるフィールド上の野球運営をテーマにしたセッションでは、ジュリア・ヘルナンデスとラケル・ワグナーが、試合中のプレーに関する情報共有や審判団との連携、さらには仕事における過酷なスケジュールまで、幅広い話題を取り上げた。2人は共通して、野球界でのキャリアにおいては、試合日程に合わせて生活を組み立てなければならない場面が多いことを強調した。

「夜も試合がありますし、週末も、祝日も試合があります」とワグナーは語った。

「そうした時間帯でも対応できる状態でいなければなりません。特にキャリアの最初の方では、そういう時こそ自分を“使える存在”として示す必要があります。本当に、これは強調してもしきれません。一生懸命働いていれば、必ず誰かが見てくれています」

登壇者たちは、目を輝かせて話を聞く参加者たちに対し、履歴書に関する実践的なアドバイスも送った。この内容は、その後のセッションでも繰り返し言及されることになる。

MLB Girls Baseball Ambassador Veronica Alvarez and MLB Softball Ambassadors Natasha Watley and Jennie Finch welcome participants. (Mary DeCicco/MLB Photos)

ヘルナンデスは、たとえテニスやフィールドホッケーなど野球以外の競技経験であっても、そこから得た「汎用的なスキル」に目を向けるよう呼びかけた。それらの経験が、どのように野球界でのキャリアに生きるかを考えることが重要だと強調した。

ワグナーは、野球運営職向けに提出される履歴書は、アシスタントGMやGMの目に届くまでに何段階ものチェックを経る可能性があると説明。その上で、誤字脱字がなく、書式が統一された、読みやすい履歴書を作成することが、自分を最良の形でアピールするうえで不可欠だと語った。

昼食休憩の後、参加者たちはMLBのリプレイルーム施設を見学し、試合中のチャレンジにおいて、MLB本部がどのように審判団とやり取りしているのか、その舞台裏を垣間見た。

午後には、野球界のさらなる側面を扱う2つのパネルディスカッションが行われた。

最初のパネルは「Women in the League」と題され、メッツ傘下2Aの打撃コーチであるレイチェル・フォルデン、アスレチックスの選手育成コーディネーター兼MLBガールズ・ベースボール・アンバサダーのベロニカ・アルバレス、2Aの実況アナウンサーであるエマ・ティーデマンが登壇した。

2つ目のパネルは、MLBにおけるシニアビジネス職の女性に焦点を当て、ビジネスおよびテクノロジー部門のSVP兼ヘッドカウンセルであるサラ・ホーヴィッツ、マイナーリーグ・ビジネス運営担当VPのアリソン・クリークモア、メディア・ビジネス開発および戦略担当VPのアレックス・カディカモが登場した。この2つ目のパネルでは、野球の仕事では「同じ1日は二度とない」こと、他部署との密接な連携、そしてリーダーシップについて、登壇者全員が言及した。

クリークモアは、「リーダーシップは必ずしも肩書きと一緒に与えられるものではない」と述べ、優れたリーダーになるためには心の知能指数(エモーショナル・インテリジェンス)が極めて重要だと指摘。ホーヴィッツは、自身が率いる法務チームでは、「自ら動き、自ら学ぶ人材」が応募者の中でも特に高く評価されると付け加えた。最後のポイントとしてカディカモは、参加者に対し「スポーツの学生であり続けてほしい」と「できる限り多くの本を読んでほしい」と呼びかけた。業界がどのように機能しているのかを深く理解することが、成功への土台になると強調した。

イベントの締めくくりは、プロフェッショナル・ディベロップメントに関するプレゼンテーション、その後の閉会挨拶、そしてネットワーキング・セッションだった。参加者たちは、新たな業界内の人脈、野球界に関する具体的な理解、そしてスポーツキャリアを歩み出すための実践的な指針を手にしてMLB本部を後にした。

イベントに参加したローレン・ヴォリネンは、次のように語った。

「MLBがこうしたイベントを開催することは本当に重要です。女性がさまざまな部署でプロフェッショナルとして野球に関わる可能性を示してくれますし、スポーツとの距離を縮めてくれます。私たちがここに属しているということを示す“最初の一歩”になりますし、ここからどうやってこのスポーツを広げ、さらに大きくしていくのかを考えるきっかけになりました」