10年前と比べて、MLBの投手はどれくらい速い球を投げるようになったのか。現代を代表する打者たちに聞くのが一番早いだろう。
「球速がどれだけ変わったかについて、クラブハウスではいつも話している」と、3度のMVP受賞を誇るマイク・トラウトはオールスターゲームで語った。「自分がメジャーに上がった頃、先発投手の球速はおそらく90~91マイル(約144.8~146.5キロ)くらいだった。今は平均が95マイル(約152.9キロ)くらいだと思う。それに、100マイル(約160.9キロ)、あるいはそれ以上を投げる投手がずっと増えている」
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数字もそれを裏付けている。
トラウトがルーキーだった2012年、先発投手のフォーシームの平均球速は91.8マイル(約147.7キロ)だった。今季は94.6マイル(約152.2キロ)。これはピッチトラッキングが始まった2008年以降で最速であり、2018年以降は毎年上昇を続けている。
では、数値上の変化と同じくらい打席でも明確に違いは感じられるのだろうか。
「間違いなく感じる」と、2016年にデビューしたブレーブスの一塁手マット・オルソンは語った。「自分が(メジャーに)上がってきた頃、昇格してきた先発投手は、どちらかといえば投球術で勝負するタイプだった。球速は88~91マイル(約141.6〜146.5キロ)くらいだ。今では、そういう投手でさえ98マイル(約157.7キロ)を投げているように感じる。大きな違いだ」
もちろん、球速について語るなら、まずブルワーズの怪物ジェイコブ・ミジオロウスキーから始めなければならない。2度のオールスター選出を誇る右腕は、ピッチトラッキング時代における先発投手の球速記録をすでに次々と塗り替えており、さらに良く、さらに速くなっているように見える。
今季、ミジオロウスキーのフォーシームは平均100.5マイル(約161.7キロ)を記録している。マウンドの上から、投げる際のリリースの前進幅まで考慮すれば、打者が感じる体感球速はそれ以上となる。
先月のフィリーズ戦で完封勝利を挙げた際、ミジオロウスキーが投じた最後の2球は、103.4マイル(約166.4キロ)と103.1マイル(約165.9キロ)だった。
「自分を支えてくれる人たちや、トレーニングルーム、ウェイトルームでの多くの取り組みの結果だ。みんなが本当に助けてくれている」とミジオロウスキーは語る。
以前は、日常的に100マイル(約160.9キロ)台を計測するのはリリーフ投手で、先発投手はせいぜい一人か二人いる程度だった。今では、打者は一球目から100マイル台を目にし、時には試合を通じてそれが続く。
今季開幕前、先発投手が1シーズンに投じた100マイル(約160.9キロ)超の投球数の最多記録は、昨季記録された726球だった。今季は前半戦だけですでに1018球に達している。確かに、その大部分を占めるのはミジオロウスキーの670球だが、今季100マイルを計測した先発投手は彼を含めて22人いる。
さらに今季は、14人の先発投手が100マイル(約160.9キロ)以上の速球を少なくとも5球投げている。2015年には、シーズン全体でそれを達成した投手はわずか5人だった。
「判断する時間は、0.05秒くらいじゃないかな。それが今では、彼らによって0.03秒にされている。本当に、本当に難しい。だから打席で自分たちが時々変なスイングをしちゃうんだ」と、2010年にMLBデビューし10度のオールスター選出を誇るフレディ・フリーマンは語った。
しかし若い選手たちでさえ、これほど速い球と対戦することになるとは思っていなかったのではないだろうか。
「まったく思っていなかった」と、25歳のナショナルズ遊撃手CJ・エイブラムスは語った。「自分が育った頃は、100マイル(約160.9キロ)なんてとんでもないという感覚だった。今ではどんどん速くなり、誰もが100マイルを投げているように感じる」
トラウトも続けた。「いや、まったく思わなかった。今では95マイル(約152.9キロ)が普通だ。ものすごい違いだ。特に、その速球に加えて95マイル(約152.9キロ)のスライダーを投げる選手もいるからね」
では、投手側はどうなのか。彼らは人生を通じて球速を上げようと努力してきた。それでもメジャーを夢見ていた頃には、現在記録している数字の一部は到達不可能に思えたはずだ。
「85マイル(約136.8キロ)に到達した時、『自分の中にこれ以上何か残っているのか』と思った。だから、すべてが今のように進んだことを本当に幸運に思っている」今季の平均速球が101.3マイル(約163.0キロ)のパドレスの絶対的クローザー、メイソン・ミラーでさえもそう語る。
では、”これから”はどうなるのだろうか。
ピッチトラッキング時代の最速記録は、2010年9月24日にアロルディス・チャップマンが投じた105.8マイル(約170.3キロ)の速球だ。ミジオロウスキーの最速は105.5マイル(約169.8キロ)だが、本人はその投球で足を滑らせたと明かし、「もう少し出せると思う」と付け加えた。
「対戦するのは好きじゃない。自分のキャリアが終わりに近づいていて良かった」とフリーマンは語った。「あと10年もすれば、ジェイコブ・ミジオロウスキーのような投手が何人リーグにいるか分からないからね。でも、見ている分には楽しいよ」
