2025年移籍予想8つの視点

買い手と売り手、動くのはどのチームか?

June 4th, 2025

6月に入り、トレードの期限まで2カ月となった。各チームはポストシーズンを狙い「買い手」となるか、来年以降の再建を目指す「売り手」となるかを判断し始める時期。しかし、契約最終年を迎える有力選手の多くが上位争いをしている球団に在籍していることでなかなか動きづらくなっている。

とはいえ、7月31日のデッドラインまで約8週間。この夏のトレード市場を占う8つのポイントを整理しておこう。

※チーム名横の順位は7月2日終了時点のもの。AL=ア・リーグ、NL=ナ・リーグ

1:売り手に回りそうな球団は?

月曜日時点で、ナショナルズを除く5チームはワイルドカード出場権から8ゲーム差以上離されている。挽回の可能性が全くないわけではないものの、ほぼ確実に売り手に回ると予想されるだろう。

  • ロッキーズ   (NL西5位)
  • ホワイトソックス(AL中5位)
  • マーリンズ   (NL東5位)
  • ナショナルズ  (NL東3位)
  • アスレチックス (AL西5位)
  • パイレーツ   (NL中5位)

2:買い手に回りそうな球団は?

とりわけ勝率5割付近を前後している球団はギリギリまでその判断を迫られるが、以下の11球団は確実に戦力補強に回ると見られている。

  • ヤンキース(AL東1位)
  • タイガース(AL中1位)
  • アストロズ(AL西2位)
  • メッツ(NL東1位)
  • フィリーズ(NL東2位)
  • カブス(NL中1位)
  • ドジャース(NL西1位)
  • マリナーズ(AL西1位)
  • パドレス(NL西2位)
  • ジャイアンツ(NL西3位)
  • カージナルス(NL中2位)

ア・リーグでワイルドカード出場を争う以下の4チームも調子を大きく崩さない限り補強の動きを見せるはずだ。

  • ブルージェイズ(AL東2位)
  • ツインズ(AL中3位)
  • ガーディアンズ(AL中2位)
  • ロイヤルズ(AL中4位)

3:「どちらでもない」中間層は?

今後の成績次第で「買い手」にも「売り手」にも転ぶ可能性がある8球団がこちら

  • レイズ(AL東3位)
  • レッドソックス(AL東4位)
  • レンジャーズ(AL西3位)
  • エンゼルス(AL西4位)
  • ブレーブス(NL東4位)
  • ブリュワーズ(NL中3位)
  • レッズ(NL中4位)
  • ダイヤモンドバックス(NL西4位)

月曜日時点で、ア・リーグでワイルドカード圏内から5ゲーム以上離れているのはわずか3球団、ナ・リーグも5.5ゲーム以上離れているのがわずか3球団で拮抗した状態が続いている。

リーグ全体で見れば24/30球団がまだポストシーズンを視野に入れており、ここからの数週間の成績が市場での動きに大きく影響してくると考えられる。

4:オリオールズはどちらに転ぶ?

ここまで紹介したのは合計29チーム。残った一つが今季最大の(悪い)サプライズとなっているオリオールズだ。ここ数試合は勢いを取り戻しつつあるが、積極補強に出るかどうかは微妙だ。

後半戦に向けて、巻き返しの機運が高まれば投手を中心とした補強に出る可能性もなくはないが、現実的には、2026年に向けて、放出の判断をする可能性が高い。

ザック・エフリン(投手)、菅野智之(投手)、チャーリー・モートン(投手)、グレゴリー・ソト(投手)、セランソニー・ドミンゲス(投手)、セドリック・マリンズ(外野手)、ライアン・オハーン(一塁手)、ラモン・ラウレアーノ(外野手)らは今年が契約最終年で、放出の可能性がある。特に、エフリン、菅野、マリンズ、オハーンはタイトルを狙うチームの関心をひくだろう。

また、一塁手ライアン・マウントキャッスルは2026年まで保有権があるが、有望株コビー・メイヨの昇格を見据えて、トレードに出される可能性がある。

5:レイズは2年連続で売り手となるのか?

レイズは昨夏すでに複数のトレードを行っており、既に「先行投資」は完了済み。ここまで今季は30勝29敗で、ア・リーグ東地区では首位ヤンキースに6.5ゲーム差だが、ワイルドカード争いでは1.5ゲーム差と射程圏内に捉えている。しかし、仮にポストシーズンが視野に入っていても、「売り」も積極的に行うのがレイズの特徴。「買い」と合わせてどちらも進めていく可能性がある。

特に今後数週間の展開によって大きく状況は変わるはずだ。キム・ハソンが健康で好調なら、遊撃手の補強は不要になるし、シェーン・マクラナハンが調子を取り戻せば、エースが戻ってきたことになる。補強をせずとも、既存の選手たちによってやりくりをすることも可能だろうが、レイズは常に選手の契約状況に敏感であり、それがトレードのきっかけになることもある。

ピート・フェアバンクス(2026年までの契約)、ブランドン・ラウ(2026年のクラブオプション付き)、ヤンディ・ディアス(2027年のクラブオプション付き)、ザック・リッテル(今季限りでFA)らは、今後の成績が上向けば普通は残留するだろうと予想されるが、レイズの場合は注視が必要だ。

6:ロッキーズは誰を売りに出せるのか?

昨年のホワイトソックスを下回るペースで負けが込んでいるロッキーズ。9勝50敗、いまだシリーズ勝ち越しなしのチームから補強したい選手がどれくらいいるかは分からないが、以下の選手たちはその候補となる。

  • ライアン・マクマホン:今季の打撃成績は低迷しているが、5シーズン連続20本塁打以上の実績があり、三塁の守備も堅実。
  • ヘルマン・マルケス:今季は防御率7.13と不振だが、直近4登板中3試合では好投を見せている。来年FAとなる前に投手陣に補強が必要なチームからの需要があるかもしれない。
  • ジェイク・バード(防御率1.60、33回2/3で42三振)、セス・ハルバーセン(100マイル超の速球と高いゴロ率)のリリーフ陣も関心を惹く可能性が高い。

7:パイレーツはポール・スキーンズをトレードするのか?

結論は「NO」だ。「もしも」の話は再三、世間の話題に挙がっていたが、GMのベン・チェリントンはその噂を一蹴。MLB関係者の間では、ナ・リーグ新人王を残すべきかどうか、意見は分かれるが、パイレーツとしては残留に全力を尽くす考えを示している。

とはいえ、この夏にパイレーツが積極的に動かないというわけではない。アンドリュー・ヒーニーは複数の球団にとって魅力的な先発投手のオプションとなり得る存在であり、救援投手のデニス・サンタナやデービッド・ベドナーも、トレード要員として注目を集める可能性がある。

8:マーリンズはサンディ・アルカンタラを放出するのか?

MLB関係者とったアンケートでは「今季トレードされる最大のビッグネーム」候補として、19人中12人がアルカンタラを指名した。この時の成績は2勝4敗、防御率8.42で芳しくなかったものの、元サイ・ヤング賞投手に対する信頼があったのだろう。

しかしこの調査以降も、成績は改善されていない。11先発で2勝7敗、防御率8.47。ただし、速球の平均球速は約156キロで全体の上位92%、ゴロ率も49.7%で上位78%と、励みとなるデータもある。

年俸約27億円で2026年までの契約で、2027年に球団側の判断で契約延長が可能なクラブオプション(約32億円)がついている。もし彼がかつての姿を少しでも取り戻せる兆しを見せれば、7月末までにユニフォームが変わっていても不思議ではない。