【ドジャース7−2ロッキーズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、9月9日(日本時間10日)
1カ月前、ムーキー・ベッツは今季が“終わる”ことを受け入れていた。
そう思った時点でレギュラーシーズンはまだ8週間残っており、その先にはポストシーズンも控えていた。
2025年が成績表に残る不本意なシーズンになることを覚悟していた。
ベッツ自身は不本意なシーズンの終盤に差し掛かっていると考えているかもしれない。だがこの1カ月、いつもの姿に近いプレーを見せている。2安打を放ち、1本は2ラン。チームは7−2で勝ち、シリーズ勝ち越しを決めた。
パドレスが敗れたことでナ・リーグ西地区首位のドジャースは、2ゲーム差に広げた。ナ・リーグ全体の勝率ではフィリーズに4ゲーム差の3位、ポストシーズンの1回戦、ワイルドカード・シリーズ免除(第2シード)を狙える位置にいる。
ベッツは4本のチーム本塁打の口火を切った。テオスカー・ヘルナンデスが2本塁打、フレディ・フリーマンも節目の20号に到達。エメット・シーハンは五回まで完全投球を続け、自己最長タイの7イニングを投げ、1失点と好投した。
投打がかみ合ったドジャースは、5連敗のあと3連勝。
ベッツはチームの復調について「これで流れが変わった」と断言するのはためらった。
「感情に流されてはいけない。今に集中するだけだ。いい試合はできているけど、大事なのは明日へ向けて集中することだ」とベッツは語った。
8月5日以降の直近31試合では打率.333、OPS.931で本来の実力に近い成績を残している。それ以前は打率.231、出塁率.302、長打率.355でドジャースのスターにとって前例のない不振に陥っていた。
今季のベッツはシーズンを通して苦しんできた。1カ月前にベッツ自身が結論づけたように、いくつかの指標でキャリア最悪の打撃成績なのは確かだ。それでも今、大事なのは毎試合チームが勝つためにどう貢献できるか。その意識が復調を呼んでいる。
「ムーキー本来の姿に見える」とロバーツ監督。
「ただ野球をしているだけで、メカニクス(打撃フォームなど)を考え過ぎていない。競い合い、チームを勝たせようとしている。その中で感情や自信、 堂々とした雰囲気が戻ってきている。しばらく見られなかったものだが、この30日間は一貫して表れているよ」。
ドジャースはここ最近で最も充実した打線を組んだ。右手の骨挫傷で5試合を欠場していたウィル・スミスがスタメン復帰し、マックス・マンシーも右腹斜筋の張りから8日に復帰して以降、2試合目の出場を果たした。
オーダーの先頭に並ぶ3人のMVPだけでも強力だが、調子が上向いたドジャース打線は全体が脅威となる。
「チームを動かしているのはテオ(ヘルナンデス)、マンシー、中軸、パヘスたちだ」とベッツ。
「僕ら上位打線は自分の役割を果たすけど、本当に相手投手を苦しめ、かき回しているのは彼らだ。僕らが仕事をしても、やっぱりチームを引っ張っているのは中軸打者たちなんだよ」。
ヘルナンデスが3安打し、逆方向への安打も含め本塁打を放ったことは大きな収穫。2年目の今季は左股関節を痛めて5月に負傷者リスト(IL)入りして以降、調子を落としていた。
9日の試合前まで、ヘルナンデスは5月19日のIL復帰以降85試合でOPS.623と低迷していた。それだけに、この日の活躍をきっかけにできれば、打線の中軸に欠けていた「破壊力のある打者」が戻ってくる。
「打席での姿勢や狙いはずっとあった。結果が伴わなかっただけで、ずっと試行錯誤していた。でも今夜のテオは本当に素晴らしいプレーを見せてくれた。この状態を続けられると信じている」とロバーツ監督は語った。
