ムーキー・ベッツはワールドシリーズ制覇に必要なことを、一つや二つではなく、少なくとも三つは知っている男だ。
ドジャースが再びワールドシリーズに戻り、ブルージェイズとマリナーズのどちらが最終相手になるかを待っている。
ベッツはまもなく“特別な領域”に足を踏み入れるかもしれない。
もしドジャースがこの25年間で初のワールドシリーズ連覇を達成すれば、ベッツは現役選手で唯一「4度の優勝リング」を持つ男となる。1つ目は2018年にレッドソックスで獲得した。ドジャースでは2020年と2024年に続いて、6年で3度目の頂点を狙う立場にいる。
2018年のア・リーグMVPや右翼でのゴールドグラブ6度など輝かしい受賞歴のあるスーパースターとて、2年連続の世界一は簡単なことではない。ドジャースが王座を守ることの意味について、はっきり語っている。ヤンキースが1998〜2000年に3連覇して以来、連覇した球団はない。
「長い間、達成されていないことだ。全員、それを最終目標だと分かっている。長い間達成されていないからこそ、達成できれば誇りに思えるはずだ」
ベッツは断言した。
エライアス・スポーツ・ビューローによると、地区制が始まった1969年以降で、ワールドシリーズを4度以上制した選手は18人いる。そのうち5度制覇は6人だ。
エライアスの基準では、選手が「その年に優勝チームのワールドシリーズ出場メンバーに登録されていた場合」、例え試合に出場していなくても「優勝経験あり」とみなされる。なお、この判断基準はデータベースによって異なる場合がある。
もしベッツが19人目になれば、次の記録を打ち立てる。
・左腕ハビアー・ロペス(2014年ジャイアンツ)以来となる、現役選手として4度目のワールドシリーズ優勝達成者。過去18シーズンでこの偉業に到達するのは2人だけということになる。
・ロペスが2016年に引退して以降では、唯一の現役4度優勝選手。
以下はエライアスによる、4度目の優勝達成順(新しい順)リスト。
・ハビアー・ロペス(4):レッドソックス(2007)、ジャイアンツ(2010、’12、’14)
・マイク・ティムリン(4):ブルージェイズ(1992–93)、レッドソックス(2004、’07)
・オーランド・ヘルナンデス(4):ヤンキース(1998–2000)、ホワイトソックス(2005)
・デレク・ジーター(5):ヤンキース(1996、1998–2000、’09)
・マリアノ・リベラ(5):ヤンキース(1996、1998–2000、’09)
・アンディ・ペティット(5):ヤンキース(1996、1998–2000、’09)
・ホルヘ・ポサダ(4):ヤンキース(1998–2000、’09)
・ルイス・ソーホ(4):ヤンキース(1996、1998–2000)
・バーニー・ウィリアムス(4):ヤンキース(1996、1998–2000)
・チャック・ノブロック(4):ツインズ(1991)、ヤンキース(1998–2000)
・ティノ・マルティネス(4):ヤンキース(1996、1998–2000)
・ジェフ・ネルソン(4):ヤンキース(1996、1998–2000)
・ポール・オニール(5):レッズ(1990)、ヤンキース(1996、1998–2000)
・デービッド・コーン(5):ブルージェイズ(1992)、ヤンキース(1996、1998–2000)
・ジーン・テナス(4):アスレチックス(1972–74)、カージナルス(1982)
・レジー・ジャクソン(4):アスレチックス(1973–74)、ヤンキース(1977–78)
・キャットフィッシュ・ハンター(5):アスレチックス(1972–74)、ヤンキース(1977–78)
・ケン・ホルツマン(4):アスレチックス(1972–74)、ヤンキース(1977)
なお、ベッツは今季、打撃のスランプを経験し、王者ドジャースもレギュラーシーズン終盤でようやくナ・リーグ西地区を制した。ポストシーズンに入ってからは勢いに乗り、9勝1敗でワールドシリーズに到達している。
「内心では一度も疑っていなかった。ただプレーしただけだ」とベッツ。
「外で何が言われていようと気にしなかった。このチームが持つ才能の大きさは分かっている。いつも派手で華やかというわけではない」
ドジャースが今季、身をもって学んだように、チームがワールドシリーズ連覇を果たせない期間が25年も続いている理由がある。
1度の優勝でさえ難しい。2年連続となれば、まったく別次元の戦いだ。
キャリアで4度のチャンピオンとなれば、それはさらに特別な領域だ。特にドジャースが連覇を果たして達成するとなれば、なおさらである。
「勝つのは本当に難しい」とベッツは言った。
「それを2年続けてやるなんて、ものすごく特別なことだ」
