フィールドの上では思っていたようなシーズンにはならなかったムーキー・ベッツだが、フィールドの外では今年も「5050財団」を通じて社会に大きく貢献した。
ベッツは2年連続で、ロベルト・クレメンテ賞のドジャース代表に選ばれた。この賞は、野球界の伝説である故ロベルト・クレメンテ氏を称え、その人格、地域貢献、慈善活動などの社会貢献活動を最も体現するメジャーリーガーに贈られる。野球界における最高の個人栄誉の一つとされており、ドジャースから直近では2022年にジャスティン・ターナーがMLB全体の受賞者となった。
「本当に特別なことだ。パフォーマンスとして行うものではなく、心からの善意で行うこと。ただ他の人を思いやるというだけなんだ。自分の才能とは関係ないことをできる機会で、それこそ自分が本当に大事にしていることだし、この賞はそれを示していると思う」とベッツは語る。
ベッツは妻ブリアナとともに、2021年に「5050財団」を設立。フィットネス、精神的健康、栄養、金融リテラシーという4本の柱を軸に若者を支援することを目的としている。
財団は家族で運営されており、ブリアナが会長を務め、従姉妹のユニーク・カイザーがCEOを務めている。ベッツはカイザーのことを「財団の頭脳」として称賛し、今回授与した賞を彼女に渡した。
ベッツはこの活動を通じて、故郷テネシー州ナッシュビルとロサンゼルスという、2つの最も大切な地域に恩返しすることを誇りに思っている。
「彼らが自分を支えてくれることがすべてなんだ。もちろんブーイングを受けることもあるけど、それも野球の一部。神様が自分にこの舞台と恩返しをする力を与えてくれたのだから、それを実行するのは当然なんだ」とベッツは語った。
今年、5050財団はロサンゼルス地域の山火事救援活動に参加し、被災者へ3万ドル(約450万円)以上のナイキ製品を寄付した。また、ドジャース財団と協力して16万ドル(約2400万円)以上を飢餓やホームレス問題と闘う団体「ブラザーフッド・クルセイド」に送った。さらに6月には、イートン火災で自宅を失ったカリフォルニア州アルタデナの家族に金銭的・物的支援を行った。
ベッツと5050財団は学校支援も継続しており、オバマ財団と提携してシカゴのハイドパーク・アカデミーにスポーツ用具を寄付したほか、ロサンゼルス統一学区とともに学力向上や教育支援を行った。また、UCLA小児病院とも連携を続け、「Betts on Us 基金」を通じて小児患者の家族が質の高い医療を受けられるよう支援している。
ナッシュビルでは「ムーキー・ベッツ・メトロ野球大会」に資金援助。さらにAAU(アマチュア体育連合)男子バスケットボールチーム「チーム・ムーキー」の活動も継続し、現在ではナッシュビル地域の6チームを支援している。
ベッツはドジャースの地域活動にも積極的に参加している。奴隷制度の解放を祝うジューンティーンスに合わせ、次世代の野球文化を育てる「ベースボール・ジェネレーションズ」を教育プログラムと試合に招待したほか、ブラック・ヘリテージ・ナイトに先立ち、有名人によるソフトボール大会を初めて開催。黒人選手やファンとの野球普及活動に取り組んだ。
多才なベッツは近年アメリカで人気が高まっているピックルボールにも取り組んでおり、先月は5050財団を支援する新企画「スマッシュ・フォー・グッド・ピックルボール・チャレンジ」を開催した。
「最初はできなかったことや知らなかった地域活動に多く関われるようになった。学校のことを知ったり、これまで会ったことのない人々と出会ったり、本当に新しい経験をする機会を得ている。5050財団は間違いなくその機会を与えてくれた」とベッツは語った。
レギュラーシーズン最後の2カ月間、ベッツは打撃面で見事な復調を遂げた。それと同時に、財団での活動も続け、同じくらい大きなやりがいをもたらしている。
「彼は人を助けることで大きな満足を得ている。ロベルト・クレメンテ賞のドジャース代表に選ばれるのは大きな名誉であり、彼はこれまで受けてきた数々の賞と同じように、この賞も大切にしていると思う」とデーブ・ロバーツ監督は語った。
