ホワイトソックス、村上宗隆のためにクラブハウスを“特注”改装

February 2nd, 2026

ホワイトソックスは、2026年シーズン本拠地・レートフィールドのクラブハウスに新たな設備を導入することを発表した。その背景には、新加入の大物選手の存在がある。

その選手とは、村上宗隆だ。

ホワイトソックスは、日本からの補強としては球団史上最大級とも言える村上と、2年総額3400万ドル(約54億円)で契約に合意した。

もう一つの「新加入」とは、温水シャワー付きトイレだ。

村上がシカゴでクラブハウスを見学した際、ロッカールームのトイレに温水シャワーがないことに気づいたため、球団は速やかに設置を決めた。

「村上選手が気になった点の一つが、トイレに温水シャワーがなかったことでした。彼にとっては馴染みのあるものなので、すぐに設置することにしました。『なるほど、それは新しい。じゃぁ、すぐに対応するね』という感じでした」と、クリス・ゲッツGMはMLB.comに語った。

さらに、入団会見に合わせて行われたクラブハウスツアーでは、村上にトラジェクト(Trajekt)マシンも紹介された。メジャーでは、投手の球速上昇や三振の多さにより村上の適応力を懸念する声もあるが、球団は最新設備を活用し、環境面から全面的にサポートしていく構えだ。

トラジェクト(Trajekt)マシンを使える環境は、村上宗隆にとって大きな助けとなりそうだ。26歳の村上は、2021年から2024年までの4シーズンで159本塁打を放ったが、ヤクルト時代にはこうした設備を利用する機会はなかった。

しかし、村上が新天地・メジャーリーグに適応するポイントはそれだけではない。
「栄養面も非常に重要です。食事内容や好みは、これまで在籍していた選手とは異なると思いますが、その点は、すでに把握しています」と、クリス・ゲッツGMは語る。

村上本人は、こうした挑戦にも意欲的だ。12月にシカゴを訪れた際、厳しい寒さにはやや驚きを見せたが、極寒の下で行われた先週末の「ソックスフェスト・ライブ」への参加を希望していたという。

ラモバシアターで2日間にわたって行われたイベントでは、村上の名前が言及されるたび、また本人不在で撮影されたビデオが流れるたびに、会場は大きなどよめきと歓声に包まれた。

12月に行われた入団会見で、村上はまず英語で短いあいさつを行った。その後、白いソックスを一足取り出して高く掲げ、満面の笑みを浮かべるサプライズを披露し、新たな上司を驚かせた。

「まったく知らなかったけれど、本当に面白かったね。ユーモアのセンスがあるし、存在感があって、笑顔もいい。ああいうステージに立つ経験を、これまでも何度もしてきたんだろうね。とても落ち着いて見えた」とゲッツGMは笑う。

Munetaka Murakami holds up a white sock at his introductory press conference (Getty Images)

ホワイトソックス側にも、前向きな“適応”が求められることになった。過去には日本人選手として、二塁手の井口資仁、クローザーの高津臣吾が在籍し、2005年のワールドシリーズ制覇に貢献しているが、村上ほどの知名度と注目度を持つ存在は、これまでいなかった。

村上の加入は、これまで閉ざされていた海外、とりわけ日本市場への扉を開いた。球団は、その関心を最大限に生かすべく、他球団の取り組みも研究している。

「ドジャースには“ユニコーン”の大谷翔平がいて、山本由伸、佐々木朗希もいます。ドジャース戦は日本でも大規模に放送されていて、日本のスポンサー市場にとって非常に魅力的な商品になっています」と、最近球団の業務で来日したホワイトソックスのブルックス・ボイヤー副社長は語る。

「村上は、日本で三冠を獲得し、前回のワールドベースボールクラシック(以下WBC)でも活躍し、しかもまだ若い。こうした要素から、日本での私たちの試合への関心が高まることは間違いありません。これまでにない独自のチャンスを生むと考えています」と、ボイヤー副社長は語る。

「カブスも今永昇太や鈴木誠也で同じような取り組みをしていますし、われわれもドジャースのアプローチを参考にしています。日本市場でブランドをどう広げ、スポンサーの関心を引くかが大切です」

ゲッツGMは、村上がWBC参加のためにスプリングトレーニングの大半を欠席することについても懸念していない。むしろ、国を代表して大会に臨む姿勢を最初から支持しているという。

ホワイトソックスにとって、村上が加入するこのタイミングでのスムーズな適応は、大きな期待材料だ。

「エージェント、選手、ファン、友人との会話で、必ず村上の話題が出ます。とても大きな刺激で、ポジティブな話題です。未知の部分があるからこそ、ワクワク感も増します」とゲッツGMは話す。

「まだメジャーでのプレーはありませんが、日本で数々の記録を打ち立て、MVPも獲得していますし、信頼性の高い選手です。どこまで通用するかは未知ですが、チーム全体に活力をもたらしてくれる存在と思っています」