村上宗隆、メジャー挑戦へ正式ポスティング 複数球団が関心

November 7th, 2025

村上宗隆のメジャー移籍へのカウントダウンが、いよいよ正式に始まった。
MLBの全30球団には、東京ヤクルトスワローズが村上をポスティングしたことがきょうにも通知され、正式な交渉期間は8日(日本時間9日)にスタートする。交渉期間は12月22日午後5時(米東部時間=日本時間23日午前7時)まで。期間内に契約が成立しなかった場合、村上はスワローズでプレーを続ける。

村上のメジャー挑戦は数カ月前から準備が進められていた。昨年12月には「2025年がNPBでのラストシーズンになる」と報じられ、スワローズの早川哲也球団社長兼オーナー代行も6月に日本メディアに対し、「ポスティングを認める意向がある」とコメントしていた。

村上は主に三塁を守ってきたが、メジャーでは一塁手としての適性を評価する声もある。身長188センチ、体重97キロの強打者は、通算892試合で246本塁打を放ち、2022年には56本塁打を記録。日本出身選手によるシーズン本塁打記録(王貞治の55本)を58年ぶりに更新した。さらに同年には史上最年少の22歳で三冠王を獲得している。

「本物のパワーを持っている。メジャーでも十分通用する」と、複数回視察したスカウトは評価する。

関心を寄せる球団には、ヤンキース、メッツ、マリナーズ、フィリーズ、ジャイアンツ、レッドソックスなど。今オフには、巨人の岡本和真(6度のオールスター選出、3度の本塁打王)もポスティングが見込まれており、2人の日本人スラッガーが注目を集めている。

2025年の村上は負傷の影響で56試合出場にとどまったが、22本塁打、47打点、OPS1.043という高水準の成績を残した。メッツの球団運営部門代表デービッド・スターンズ氏は、ピート・アロンソの契約オプトアウトを見越して8月に来日。観戦試合で村上がサヨナラ本塁打を放ち、その打棒を目の当たりにしている。マリナーズは、今オフに一塁手ジョシュ・ネイラーと三塁手エウヘニオ・スアレスがFAとなる見込みで、補強ポイントとして村上の存在が浮上している。

フィリーズにとっても、56本塁打を放ったカイル・シュワーバーのFA退団が想定され、村上は魅力的な選択肢だ。ブライス・ハーパーを外野に戻して一塁を空ける、または三塁のアレック・ボーム(2026年FA予定)をトレードに出す可能性も考えられる。レッドソックスは一塁での起用を想定しているが、アレックス・ブレグマンが他球団に移籍すれば三塁での起用もあり得る。

一方、ジャイアンツは三塁にマット・チャップマン、DHにラファエル・ディバースを抱えており、村上を一塁で起用する構想もある。しかし、球団トッププロスペクトでMLBパイプライン全体12位のブライス・エルドリッジが一塁を担う可能性もあり、他球団ほどの適合性は低いかもしれない。

懸念材料として挙げられるのは、近年上昇傾向にある三振率だ。2020~2022年は20~22%台だったが、直近3年は28~29%台に上昇。2024年には610打席で180三振を喫した。また、四球率も2022年の19.3%から昨季は14.3%に低下。通算出塁率.394を誇るものの、近年は.370台にとどまっている。

「三振率と四球率の数字を懸念する球団はあるだろう。パワーは抜群だが、スイングに弱点が見える」とア・リーグ球団幹部は語る。

なお、村上は2月で25歳を迎えており、昨オフの佐々木朗希とは異なり、国際ボーナスプールの制限を受けない。25歳以上かつプロ経験6年以上の外国人選手は制限対象外となるためだ。NPBでは9年で国内FA資格を得るが、村上がMLBに移籍するにはスワローズによるポスティングの承認が必要となる。

契約額にも注目が集まる。これまでNPB出身選手で大型契約を結んできたのは主に投手で、山本由伸(12年3億2500万ドル=約498億6200万円/2024年)、田中将大(7年1億5500万ドル=237億80000万円/2014年)、千賀滉大(5年7500万ドル=約115億円/2023年)などが代表例だ。

野手では吉田正尚(5年9000万ドル=138億円/2023年)、鈴木誠也(5年8500万ドル=約130億円/2022年)、韓国出身のイ・ジョンフ(6年1億1300万ドル=19億9500万円/2024年)がいるが、村上ほどのパワーを備えた打者は松井秀喜以来、20年以上ぶりだといわれる。

今オフのコーナー内野手(一、三塁)/DH市場には、シュワーバー、ブレグマン、アロンソ、スアレス、ネイラーらが並ぶが、もし各球団がこれらの選手に高額契約を提示できない場合、村上は有力な代替オプションとなる可能性が高い。