村上宗隆、ホワイトソックスと2年総額3400万ドル(約53億6300万円)で合意

3:12 PM UTC

ヤクルトからポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた村上宗隆(25)がホワイトソックスと2年総額3400万ドル(約53億6300万円)で大筋合意したことが21日(日本時間22日)、分かった。複数の球界関係者がMLB.comに明かした。身体検査の結果に問題がなければ、正式契約を結ぶ。

交渉期限が翌日に迫り、決断した。村上がホワイトソックスと2年契約に合意した。球団からの正式発表はされていないが、現在渡米中の村上はシカゴに向かい正式契約にサインする予定だ。

MLB.comのフリーエージェント(FA)ランキングでも7位に入るなど注目度は高かった。25歳の若さから、6〜8年の長期契約も予想されたが、短期契約での勝負を選んだ。代理人と村上の狙いは、2年間でメジャーへの適応と成長を期し、2027年オフに再びFA市場に出て、大型契約を狙う。過去の歴史から、日本人野手が1年目から日本時代と同等の結果を出すことは至難の業(わざ)。日本で一流だった先人とて、異国での順応には、時間がかかった。いきなり過度なプレッシャーを背負うよりも、落ち着いて本来の力を発揮しやすい環境とチーム状況を熟考し、ホワイトソックスへの入団を決めた。

45日間の交渉期限が米東部時間22日午後5時(同23日午前7時)に迫り、村上サイドは複数のオファーを慎重に精査した。例年に比べ、FA市場の動向は遅く主要選手の去就も未定。通常、ウインターミーティング後、移籍は活性化するが、今オフは異例の展開。野手では村上と同じ代理人、ケーシー・クロース氏の顧客でもあり、野手で一番の大物選手、カイル・タッカー外野手(28)=カブスFA=が、いまだに行き先が決まっていない。さらに、三塁手のアレックス・ブレグマン内野手(31)=レッドソックスFA=、同じく三塁手のエウヘニオ・スアレス内野手(34)=マリナーズFA=らの去就も未定だ。三塁手、左打者のトップ選手たちの去就に進展がなかったことも、村上の短期契約につながった。

ホワイトソックスは2024年に1900年以降の近代野球でワーストとなる121敗を喫した。2025年は60勝102敗で2年連続でア・リーグ中地区の2年連続で最下位だった。だが、この状況が村上にとって好都合かもしれない。

ホワイトソックスは三塁のレギュラー不在。30本塁打以上の打者はおらず、25歳のレニン・ソーサのマークした22本塁打がチーム最多だった。村上は中軸を任され、ア・リーグワースト2位だったチーム本塁打165本からの上積みを期待される。

再建中のチームは村上にフィットする。同じくシカゴを本拠地にするカブスより、ファンやメディアからのプレッシャーは比較的、穏やかだ。地区優勝やポストシーズン進出への重圧はドジャース、ヤンキースなどの大都市球団に比べれば軽い。ホワイトソックスは、村上にとってメジャーへの順応とレベルアップに集中できる環境といえる。守備では屋外球場で天然芝の球場。さらにシカゴは「ウインディー・シティー(風の街)」といわれるほど、試合中は強風と付き合わなければいけない。2シーズンで新たなプレー環境、生活に慣れ、2027年オフに新たに大型契約を狙う。1年目から適応が順調に進み、好成績を残せば、2年目の夏場にはポストシーズン争いをする強豪に求められ、トレード移籍する可能性もある。

日本が誇る令和の三冠王は、自身を証明するための2年勝負で新たな挑戦をスタートする。