野茂からイチロー、そして大谷へ。藤木直人が追い続けるMLB

October 24th, 2025

My Game, My MLB ー私にとってのMLBとはー

暑い夏から季節はすっかり秋へと移り変わったが、世界でいちばん熱い瞬間を迎えている場所がある。それは、ポストシーズンで連日のように激闘が繰り広げられ、ワールドシリーズ直前のMLB。

今シーズンもいよいよ大詰めを迎え、「世界一」を目指すチームと選手たちがぶつかる最終決戦の先には、きっとドラマのような結末が待っているのだろう。そんな今こそ、さまざまな人の熱いMLBへの思いを解き明かそう。

ゲスト:藤木直人/前編

6回目のゲストは、俳優・アーティスト・ラジオパーソナリティなど多岐にわたって活躍する藤木直人さん。生粋の「MLBファン」としての目線でMLBとの出会い、心に残る試合、現在の日本人選手の活躍ぶりまで、MLBへの熱い思いを語ってくれた。

プロフィール:藤木直人さん

1972年7月19日生まれ、千葉県出身。俳優・アーティスト・ラジオパーソナリティ。デビューから現在まで数多くの話題作に出演。2014年からは10年以上、TOKYO FM『SPORTS BEAT supported by TOYOTA』のパーソナリティとしてアスリートの声を訊き続けている。

【「バケモノ」が集まる最高峰の舞台――それが、MLB】

――MLBをみはじめたキッカケを教えてください。

野茂英雄投手ですね。野茂さんがドジャースに移籍した1995年は、僕自身も大学に通いながらちょうど俳優としてデビューした年でした。当時はまだNPBからMLBに移籍するルートがなく、日本であれだけ活躍した野茂さんもなかば「悪役」のような扱いを受けてMLBへ移籍されたんですけど「本当に通用するのか」「MLBはレベルが高い」みたいな声がある中、旋風を巻き起こした。同じ日本人として誇らしかった。野茂さんの登板日を楽しみにして、テレビ観戦していた思い出があります。

――藤木さんご自身は、子どものころから「野球好き」だったんですか?

普通だったと思います(笑)。僕自身、野球経験はないですし。ただ、家でみるスポーツと言えば「野球か相撲」という世代なので、父親がテレビでみるプロ野球を一緒に観戦したり、球場に連れて行ってもらったこともあるので、そういう下地はあったと思います。

――そんな中、藤木さんが再び「野球」にハマったキッカケが野茂投手だった?

その前に、NPBにイチローさんが現れたのが大きかったですね。1994年にシーズン210安打を打って大ブレイクしました。僕は東京で一人暮らしをしていたのでオリックスの試合をなかなかみることができなかったんです。だから毎朝、新聞のスポーツ欄で昨日のイチローさんが何本ヒットを打ったのかをチェックするのが、気付いたら日課になっていました。

――そんなイチロー選手も、2001年にMLB移籍を果たします。

うれしかったですね。MLBに移籍したことはもちろんですけど、それまでなかなかみることができなかったイチローさんの試合が、毎日のようにNHKのBSで放映されるようになったんです。マリナーズは西地区で、日本では午前11時くらいから試合が始まるので仕事のない日はゆっくりみることができました。それまでは新聞の「何打数何安打」という文字情報だけだったのが、イチローさんが「走攻守」で動いている姿を存分に楽しむことができるようになったのは、本当にありがたかったです。

――MLBでご覧になっていたイチロー選手の魅力とは?

もう、「ヒットを打つのが当たり前」みたいな状況で、打たなきゃガッカリっていう……ファンなのでそうやって気楽に言ってしまいますけど(笑)。でも、今考えても信じられないですよね。もちろん、現在と当時のMLBはピッチャーのレベルだったり、野球そのものも大きく変わっているとは思うんですけど、それでもあれだけのヒットを打って、あれだけの打率を残したというのは、考えられないことです。

――野茂投手からイチロー選手へと続き、現在も多くの日本人選手がプレーするMLBですが、藤木さんが実感する最大の魅力とは?

やっぱり、「レベルが高い」という言葉に尽きると思います。「バケモノ」がいっぱいいるなって。日本人選手がMLBに移籍して、成績を上げたパターンってなかなかないじゃないですか。その事実だけでも、MLBがどれだけ高いレベルにいるのかがわかります。イチローさんも、MLBで首位打者を2回獲得するなど大活躍しましたけど、日本では7年連続で首位打者をとって、正直、敵なしの状況だったのに、MLBに行ったら毎年のようにライバルが現れて、イチローさんより高い打率を残す選手も出てくる。NPBのエース級ピッチャーがMLBに移籍して、下位打線のバッターに簡単にホームランを打たれるシーンもあるじゃないですか。もちろん、斎藤隆さん(元ドジャース)のようにMLBで再び覚醒したり、大谷翔平選手(ドジャース・31)のように本塁打の数がNPB時代より増えたケースもありますけど、それでもやっぱり「レベル、高いんだなぁ……」と思ってしまいますよね。

――全体的なレベルの高さはもちろん、藤木さんがおっしゃるような「バケモノ」もMLBでは毎年のように生まれています。

サイ・ヤング賞候補筆頭のポール・スキーンズ(パイレーツ・23)や、ポストシーズンでも快投したジェイコブ・ミジオロウスキー(ブルワーズ・23)が佐々木朗希投手(ドジャース・23)の1学年下(※スキーンズ、ミジオロウスキーは2002年生まれ、佐々木は2001年11月生まれ)というのだって信じられないですよね(笑)。日本の野球界も、もちろん逸材が揃っていると思いますけど、MLBは競技人口はもちろん、アメリカ以外の国からそんな逸材たちが集まっている。そういう「バケモノ」たちが戦っている場所なんだなって改めて思いますね。

後編へ続く>

MLBの最新情報や選手インタビューなどのスペシャルコンテンツ、さらにはお気に入りのチームを登録できるパーソナライズ機能など、MLBをもっと楽しめる会員登録がスタート!

無料会員登録はこちらから

MLB公式アプリのダウンロードはこちらから

ポストシーズン特別プレゼントキャンペーン実施中! 応募はこちらから