【独自取材】中継ぎで活躍の小笠原慎之介「思い切り投げるだけ」

8月は9試合に登板し、防御率3.07

August 27th, 2025

メジャー再昇格以降、ナショナルズの小笠原慎之介が中継ぎとして存在感を見せている。8月は9試合で14回2/3を投げ、防御率3.07と高い数字をマーク。8月14日の本拠地でのフィリーズ戦では、大谷翔平とともにナ・リーグトップの45本塁打を放っているカイル・シュワーバーを空振り三振に抑え、初勝利を挙げた。

先発と中継ぎでは心身の準備の仕方が異なる。先発ではローテーションの間に4日もしくは5日あるが、中継ぎは登板間隔が短い。

ブルペンでは、試合展開や相手打順を見ながら「ここら辺で投げるだろう」と予測し、ストレッチを入念に行って万全の準備を整える。「周囲の投手の動きを観察して、先発時のルーティンを簡略化して行なっています。(中継ぎの)難しさはそこまで感じていませんが、『今日もあるのか、今日はあるのか』と、いつ(登板が)来るかわからない感じが大変ですね」と吐露する。

カイロ監督代行は小笠原の好投について「最初は役割が定まらず先発だったが、リリーフになってからは見違えた。与えられた機会を受け入れて、それを最大限に生かしている。いまやチームでもっとも頼れる救援投手のひとり」と称える。

小笠原自身は、先発から中継ぎになってもマウンドで意識する点は変わらない。

「ストライクゾーンに思い切り投げること。それが一番大事」

左腕は6球種を操るが、右にはチェンジアップ、フォーシーム、ナックルカーブ、スライダーの4球種、左にはこれに加えてスイーパー、シンカーを織り交ぜる。対左打者にはスライダーとナックルカーブが特に効果的で、いまだに安打を許していない。また左打者にはこの2球種で40%以上の空振り率をマークし、スライダーでは7三振を奪い「強力な武器」になっている。

「1イニング、2イニング、それに3イニングでもこなせる、ブルペンのユーティリティのような存在になっている。ストライクをしっかり投げられるし、タイミングを外して打者を抑えられる。攻める投球で、さらに球種を混ぜることで結果を残している」

カイロ監督代行が話すように、打者に的を絞らせない投球が持ち味だ。

メジャーでは上位打線、下位打線に関わらず、狙い球を絞って強振する選手が多い。「(メジャーの打者は)スイングも速く、打球のスピードも違う。打者に対して構えてしまうこともあるけれど、マウンドに立ったら自分の持ち球で勝負するしかない」と小笠原。

ファウルや見逃し方などで相手が何を待っているか、ある程度予想はできる。しかし「7〜8割の力では抑えられない。相手をどうかわすかよりも、自分が100%投げられるボールをしっかり投げるだけです」とキッパリ前を向く。

中継ぎとしての覚悟を胸に、左腕は残り試合を全力で戦う。