うさぎと亀?ナ・リーグ盗塁トップ、ヌニェスの相棒は15歳の亀

May 6th, 2026

リーグの盗塁王が、世界でも屈指の“遅い動物”をペットにしているというのは、なんとも皮肉な話だ。

紹介しよう。ナシム・ヌニェスと亀のジョージだ。

MLBの最新ニュースを見逃さない!

始まりは約15年前。当時まだ幼かったヌニェスが家族と一緒に亀を見つけたことがきっかけだ。もちろん、その頃は14盗塁でメジャートップに立つ未来など誰も想像していなかった。

「いとこたちが庭でワニガメをたくさん見つけて、自分も1匹飼いたくなった。泣いて駄々をこねていたら、いとこが『泣き止んで車に乗ったら亀を買ってやる』って言ったんだ」と25歳のヌニェスは語った。

ヌニェスはその条件を受け入れ、両親も賛成した。ただし、母方のいとこケビンがペットショップへ連れて行く前に、もう一つ条件を出した。

「まず図書館に行って宿題を全部終わらせないといけなかった。それから買いに行った」とヌニェスは振り返る。

店に着いたヌニェスは準備万端だった。すぐに亀を選び、その場で名前も決めた。

「当時は『おさるのジョージ』がすごく流行っていたからね」と由来を説明した。

ヌニェスとジョージは共にすくすくと育った。水槽の掃除は主に父親が担当し、ヌニェスは餌やりを担当することが多いという(ジョージの大好物はエビ)。今もジョージは実家に住んでおり、オフシーズンになるとヌニェスが会いに行く。

「亀は環境によって成長する大きさが変わると学んだ。それって人生にも通じると思う。狭い環境にいれば小さいままだし、もっと大きな環境に行けば成長できる」

そしてヌニェスは、その考え方を野球にも重ねている。

2023年のルール5ドラフトでマーリンズから加入したヌニェスは、初めてナショナルズで安定した先発の座をつかんでいる。自らの役割を受け入れ、増えた出場機会の中で走塁面で大きな存在感を示している。

「本当に素晴らしい。彼はとても自由に、迷いなくプレーしている。盗塁を狙う選手はためらったり考えすぎたりすることがあるけど、彼は判断が非常にクリアだ。それが運動能力や本能を最大限に引き出していると思う。このまま続いてほしい」とポール・トボーニ編成本部長はたたえた。

メジャートップの14盗塁に加え、ヌニェスはスプリントスピード29.8フィート/秒(約9.1メートル/秒)で上位1%台に位置している。盗塁絡みで2得点を生み出しているほか、盗塁試行数でも12回でリーグ2位につけている。

ブレイク・ビュテラ監督は、スプリングトレーニングからヌニェスとともに盗塁のタイミングを磨いてきた一塁コーチ、コーリー・レイの働きを評価している。ヌニェスは開幕戦で今季初盗塁を決めていた。

「相手も、彼が出塁すれば走ることを分かっている。だから牽制したり、投球を外したり、その2つを組み合わせてくる。レイ・コーチは、ナス(ヌニェス)が過度に積極的にならないように『奇襲ではない』ということをうまく理解させている。だから盗塁のタイミングをより的確に選べるようになっている」とビュテラ監督は語った。

レイ・コーチは、最初に一緒に取り組み始めた時から、ヌニェスの自然な走塁センスに感心していた。最初の2シーズンでは90試合で合計17盗塁だったが、今季は最初の33試合ですでに14盗塁している。

「考えすぎると盗塁しなくなるし、逆に考えすぎてアウトになることもある。そういったことにとらわれず、ナスが自分らしく、持ち前の運動能力を発揮できる状況を作ってあげたい」とレイ・コーチは語った。