カステヤノス、トレードの噂について語る

December 5th, 2025

現時点では、ニック・カステヤノスは依然としてフィリーズの一員だ。

フィリーズのデーブ・ドンブロウスキー編成本部長は先月、ラスベガスで行われたGM会議で記者団に対し、2年連続でトレードを模索してきたカステヤノスにとって「環境を変えること」がプラスになるかもしれないと語っていた。球団は今オフも放出を模索し続けている。

関係者によれば、春季キャンプ前に両者が別れる展開を想定しているという。

カステヤノスは5日(日本時間6日)、MLBネットワークの番組「MLB Hot Stove」に出演した。2026年シーズンの見通しを聞かれると以下のように答えた。

「正直、全く分からない。今オフ、自分としてはできるだけシンプルに生活して、トレーニングに集中して、来季162試合を戦えるように万全の状態にしておきたい、そう思っているだけ。トレードの話を含めて、今はいろいろ自分ではどうにもならないことが多い。だから、きょうやるべきことをきちんと終えることだけに集中している。何が起きるかは、流れに任せるしかない」

またカステヤノスは、「チームや誰かが自分にそれを求めるなら」と前置きしたうえで、一塁守備を学ぶ用意もあると話した。この発言から、複数の球団がコンバートについて打診している状況もうかがえる。

カステヤノスがトレードされるとしても、その実現には時間がかかるかもしれない。来季の年俸は2000万ドル(約31億2000万円)であり、移籍を成立させるにはフィリーズがその大半を負担する必要があると見られている。

カステヤノスは6月、フィリーズのロブ・トムソン監督に守備固めで交代させられた後、ベンチ内で不適切な発言や振る舞いをしたとしてマイアミで途中交代を命じられた。9月にも指揮官への不満を口にしている。

フィリーズでの4シーズン通算では、打率.260、出塁率.306、長打率.426、OPS .732、OPS+は100で、打撃面ではリーグ平均レベルの選手という成績になっている。outs above average(OAA=平均的な野手よりどれだけアウトを取ったか)はマイナス32で、この4年間で規定に達した267人の中でワースト7位だった。

今季はfWAR(勝利貢献の総合指標、ファングラフス版)がマイナス0.6、bWAR(ベースボール・リファレンス版)がマイナス1.0で規定打席に到達した145人の中で最下位に終わった。

カステヤノスのような右打ちの両翼手を必要とする球団は多いはずだ。仮にフィリーズに解雇されれば、年俸2000万ドル(約31億2000万円)はフィリーズが負担する。そのため、現行契約の年俸を負担してまでトレードに応じようとしない球団も出てくる可能性がある。