フィリーズとの別れからわずか2日後、ニック・カステヤノスが新天地を見つけたようだ。
右打ちのスラッガーはパドレスと契約合意に達した。今季支払われる年俸2000万ドル(約30億円)の大半はフィリーズが負担する見込みである。契約最終年を迎えていたカステヤノスは12日(日本時間13日)にフィリーズからリリースされていた。
パドレスはリーグ最低保証額である約78万ドル(約1億2000万円)を負担するとみられる。球団からの正式発表はまだで、契約はメディカルチェックを経て成立する予定である。
カステヤノスの起用法
12日のメディア対応で、パドレスGMのA.J.プレラーは打線を完成させるためにもう1人の打者を加えたいと語っていた。今回のカステヤノス加入により、それが叶ったと言える。なお、パドレスは14日(同15日)に右腕グリフィン・キャニングとも契約合意し、投手陣の補強も進めている。
外野の両翼はすでに固定されているため、カステヤノスは主にDHとして起用される可能性が高いが、一塁での起用の可能性もあると情報筋は明かす。昨季フィリーズで一塁の守備練習は行っていたが、メジャーで一塁を守った経験はない。
ギャビン・シーツが現時点での一塁レギュラー候補だが、左投手相手にはカステヤノスが一塁に入り、ミゲル・アンドゥハーがDHに回る可能性もある。また、外野の主力がDHで休養する際には、カステヤノスが外野を守ることもできる。
いずれにせよ、昨季フィラデルフィアで打率.250、OPS.694と苦戦したカステヤノスは出場機会を争う立場になる。ただし既存の選手たちと比べれば、打撃面でのアップグレードになることは間違いない。
フィラデルフィアでの複雑な別れ
フィリーズは契約最終年の2000万ドル(約30億円)を残した状態でカステヤノスを放出した。球団との関係が悪化し、オフの間トレード交渉も行われたが成立には至らなかった。
12日には、昨年6月マイアミでの試合中、守備交代に不満を抱いたカステヤノスがダグアウトにビールを持ち込んだ事実が明らかになった。フィリーズ編成本部長デーブ・ドンブロウスキーは「環境を変えることが双方にとって最善だった」と語っている。
それでもカステヤノスはフィリーズで数々の印象的な場面を残した。2023年にはオールスターに選出され、2022年にはワールドシリーズ進出にも貢献した。
これまで13年のメジャー生活で通算1742安打、250本塁打を記録。タイガース、カブス、レッズ、フィリーズを渡り歩いてきた。
サンディエゴでの再出発
パドレスの中堅ジャクソン・メリルは「ここでは新しい人間として迎える。フィリーズはフィリーズ、うちはサンディエゴ・パドレスだ。加入してくれて率直にうれしいよ」と語った。
パドレスは昨季、本塁打数28位、長打率22位と長打力不足に悩まされた。過去3年で平均23本塁打を放っているカステヤノスの加入は、その弱点を補うものとなる。
出場機会はこれまでとは異なる形になる可能性が高い。メジャー11シーズン中10シーズンで550打席以上に立ってきたが、新天地で同様の打席数を得られる保証はない。それでも、打てば出場機会は広がる。
600打席であれ300打席であれ、カステヤノスが加わったことで、パドレス打線が机上では強化されたことは確かである。
