現在のMLBで、ナ・リーグ中地区ほどの混戦かつハイレベルな戦いをしている地区はない。
昨季は3チームをナ・リーグのポストシーズンに送り込んだが、2026年はさらに競争が激しくなっており、現在全チームが勝ち越しを記録。MLB全体でこれを達成しているのは、ナ・リーグ中地区のみだ。
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20日(日本時間21日)試合前時点でのナ・リーグ中地区順位
1位:レッズ:(14勝8敗、勝率.636)
2位:カージナルス(13勝8敗、.619)
3位:パイレーツ(13勝9敗、.591)
5位タイ:カブス(12勝9敗、.571)
5位タイ:ブルワーズ(12勝9敗、.571)
この中で“最下位”に位置するブルワーズとカブスでさえ勝率.571を記録している。そしてこの2チームは昨季の地区上位2チームだ。仮にこの2チームを現在のア・リーグ中地区や西地区に入れると、どちらも首位に立つ。それほどナ・リーグ中地区はレベルが高い。
混戦の地区争いは常に見応えがある。それがすべてのチームによる争いとなると尚更だ。では、もしこのままシーズンが終了したとしたらどうなるのか。このような形で地区が終わるのはどれほど珍しいのだろうか。
すべてのチームが勝ち越しでシーズンを終えた地区はこれまでにあったのか。
答えはNOだ。
MLBの地区制は1969年に始まったが、それ以降、同一地区の全てのチームが勝ち越しでシーズンを終えたことは一度もない。なので、もし2026年のナ・リーグ中地区がこのままの形で終われば、史上初のケースとなる。
では、勝率.500以上という条件ではどうだろうか。
これは実際に起きたことがあるが、わずか2回だけである。
ただしそれも20年以上前の話で、直近では2005年のナ・リーグ東地区。ブレーブス、フィリーズ、メッツ、マーリンズ、ナショナルズがすべて勝率.500以上でシーズンを終えた。
それ以前では1991年のア・リーグ西地区が唯一の例で、ツインズ、ホワイトソックス、レンジャーズ、アスレチックス、マリナーズ、ロイヤルズ、エンゼルスが全てこの条件を満たした。
つまり、”史上最高の地区最下位チーム”の成績は81勝81敗ということだ。2005年のナ・リーグ東地区ではナショナルズが、1991年のア・リーグ西地区ではエンゼルスがこの成績で最下位だった。
したがって、2026年のナ・リーグ中地区でブルワーズやカブス、あるいは他のチームが勝率.500以上でありながら最下位に沈むという展開は、かなり起こりにくいと言える。
では、現在のブルワーズやカブスのような成績のチームは、どの程度の確率でプレーオフに進出するのか。
現在の中地区に話を戻そう。ブルワーズとカブスは、20日時点で勝率.571でも最下位にとどまっているが、この戦績はプレーオフ進出を達成するのに十分なのだろうか。
答えはYESだ。
地区制導入以降、勝率.571以上でシーズンを終えたチームは263あり(プレーオフがなかった1994年は除く)、これは162試合換算で93勝に相当する。
その263チームのうち234チームがポストシーズンに進出し、逃したのはわずか29チームだけである(直近では2019年のガーディアンズが93勝69敗で進出を逃した)。つまり、現在のナ・リーグ中地区の“最下位”チームと同程度の勝率を持つチームの約9割がプレーオフに進んでいる。
さらに、2022年にワイルドカードが各リーグ3枠に拡大されて以降、90勝以上でプレーオフを逃したチームは一つもない。ましてや、現在のレッズ、カージナルス、パイレーツ、ブルワーズ、カブスの全チームが93勝超えペースで戦っている。
では、ナ・リーグ中地区の歴史に限って見てみるとどうか。
1994年の創設以降、全チームが勝ち越したことはないが、1チームを除いてすべて勝ち越したケースはある。
2018年にはブルワーズ、カブス、カージナルス、パイレーツが勝ち越し、レッズのみが負け越しだった。また6球団制だった2008年には、カブス、ブルワーズ、アストロズ、カージナルスの4チームが勝ち越し、レッズとパイレーツが負け越した。
では、中地区のプレーオフ進出についてはどうか。
ナ・リーグ中地区で勝率.571以上を記録しながらプレーオフを逃したチームは、これまでに1チームしかない。それが1999年のレッズで、96勝67敗(勝率.589)を記録しながら、ワイルドカードをかけた第163試合でメッツに敗れた。
もし2026年に再び同じようなことが起きれば、かなり異例の事態となるだろう。ただ、野球とはそういうゲームだ。何が起きても不思議じゃない。
