NLCS第4戦ブルペン起用の明暗 「計算されていた」ブルワーズと「手探りだった」ドジャース

October 17th, 2026

ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦。両チームのブルペン運用を振り返ると、ベンチの「準備」と「戦略」の違いがくっきりと浮き彫りになった。

その一例が、試合終盤に3イニングという長いイニングを託された両チームのリリーフ投手、ドジャースのエドウィン・ディアスと、ブルワーズのアロン・アシュビーの起用法だ。

ドジャースのディアスは第4戦で3イニングを投げたが、今ポストシーズンで3イニングを投げるのはこれが初。それどころか、今季レギュラーシーズンを通して3イニング登板の経験はなく、前年メッツ時代を含めても最高で2イニングにとどまっていた。

負けられない土壇場で、ドジャースはシーズン中に試したことのない領域へディアスを放り込んだ。結果、ディアスは九回2死からデビッド・ハミルトンに真ん中に甘く入ったスライダーを本塁打にされた。

対照的だったのが、ブルワーズのアシュビーだ。アシュビーはこの試合で3イニング無失点(セーブ)をマーク。

アシュビーにとってもレギュラーシーズンでの1試合最長は2イニングまでだった。しかし、ディアスとアシュビーには大きな違いがある。

アシュビーは今季、75試合に登板し、総計89イニング1/3を投げ抜くなど抜群のスタミナを発揮した。さらにポストシーズンでも、パドレスとの地区シリーズ第3戦(10月7日)ですでに3イニング無失点の好投を経験しており、ロングリリーフへの耐性は十分にあった。

このブルペン運用について、ブルワーズのクリス・フック投手コーチはこう語る。

「今季は3アウトだけでなく、4アウトや5アウトを任せるなど、複数イニングを投げる経験も積ませてきた。シーズン最後の2週間は、ポストシーズンに向けた予行演習のようなものだった」

つまり、左打者対策が必要かつリードしている試合を想定し、ブルワーズはNLDSのパドレス戦ですでにアシュビーに3イニングを経験させ、制球力、球威、疲労度などをチェックし、ドジャース戦に備えていたのだ。

「マーフィー監督は、どんな状況でも勝利を目指す姿勢を崩さなかった。準備すべきことを一つずつ確認しながら、最後まで勝ちにこだわり、投手たちを適切に起用してきた。今回の戦いに向けて、選手たちは十分な準備ができていたと思う」と投手コーチは称賛する。

レギュラーシーズンを通じて、投手陣に複数イニングを投げる力を計画的に身につけさせてきたブルワーズ。短期決戦で勝つために必要なのは、マウンドに送り出す決断力だけではなく、限られた戦力をどう生かすか、どれだけ知恵を絞り、周到な準備を重ねてきたか。

そうした日々の準備の積み重ねと、PSを見据えた投手起用の戦略も勝負の鍵になった。