メッツの新人右腕、ノーラン・マクリーン(24)は、防御率2.23で14日(日本時間15日)にドジャースタジアムで山本由伸(27)と2年連続王者に立ち向かった。これまでの通算11試合の先発登板を通じて、マクリーンは極めて明確な評価を確立した。その評判は一言で集約できる。マクリーンほど球を回転させる者はいない。
それは誇張でも、単なる好意的なスカウティングレポートでもない。客観的な事実だ。マクリーンのカーブは、今季のメジャーで最高の回転数を誇り、3300回転(1分間あたりの回転数)をわずかに超える。スタットキャストが計測を開始してからの10年余り。あらゆるカーブで最も高い回転数を記録している。まさに、マクリーンほどの回転をかける投手は存在しない。
素晴らしいことだが、回転数は「ボールをどう動かすか」に活用できてこそ意味がある。さもなければ、単なる可能性であり、結果には結びつかない。過去に計測された誰とも異なる数値を叩き出しているマクリーンにとって、それは問題ではない。
次の数値を検討してほしい。マクリーンのスイーパーは、グラブ側(右打者に向かって左方向)に21.3インチ(約54.1センチ)変化する。これは、マクリーンの球速帯の投手で最大だ。シンカーは利き腕側に17.6インチ(約44.7センチ)変化し、これも極めて優秀な数値だ。1つの球種が一方向に約2フィート(約61センチ)変化し、別の球種がその正反対の方向へ1フィート半(約45センチ)変化している。
(誇張ではない。時計の文字盤で表すと、9時が真横の方向であるのに対し、スイーパーは8時30分、シンカーは2時30分の方向に回転しており、まさに正反対の回転軸だ)
それらを組み合わせると、次のようになる。
シーズンの平均値では、一方へ21.3インチ(約54.1センチ)、その正反対へ18インチ(約45.7センチ)近く変化しており、その差は38.9インチ(約98.8センチ)に達する。これは3フィート(約91.4センチ)を超えており、平均的なバットの長さである約34インチ(約86.4センチ)を上回る。マクリーンを打ち崩すのが極めて困難である理由を物語っている。マクリーンは他にもフォーシーム、カットボール、チェンジアップ、カーブとそれぞれに特徴のある4つの球種を持っており、打者の最大の武器であるバットの幅では、文字通りこの距離をカバーしきれない。実際、投球トラッキングが開始された2008年以降、1人の投手が投じる2つの球種の水平方向における逆方向への差としては史上最大だ(変化球を少なくとも40球、速球を80球以上投げた投手が対象)。
マクリーンが9日(日本時間10日)のダイヤモンドバックス戦で8三振を奪った後、メッツの実況を務めるスティーブ・ゲルブス氏(39)は「あのような動きをする球を投げる投手は、今まで見たことがない」と評したが、それは間違いではない。実際にそのような球を投げる者は、他に存在しない。
レッドソックスのグレッグ・ワイサート(31)のシンカーとスイーパーの水平方向の差はマクリーンに近いが、今回の最低投球数の基準を満たさなかった。また、マクリーンよりもサイドスローに近いワイサートは、回転で動きを作るというより、リリースポイントによってその動きを生み出している。
チームが注目し始めたのは2025年のことだった。マクリーンの球の動きが、スタットキャストのチャートを突き抜けそうになっていることに気づいたからだ。当時、変化量は「上位」に過ぎず、首位ではなかったため、将来の参考に留めていた。2026年になって何が変わったのか。それはスイーパーだ。2025年でも十分だったはずの曲がり幅が、さらに5インチ(約12.7センチ)増した。球速は1マイル(約1.6キロ)落ちたものの、回転数は200回転増加。さらに回転の効率も向上した(2025年の59%から、2026年は回転の68%が変化につながっている)。
また、少なくともシーズン序盤の時点では、スイーパーがより良い結果につながっている。オフの間、マクリーンはウェブメディア「ジ・アスレチック」に対し「スイーパーは私の代名詞だが、最も痛打を浴びる球種でもあり、ハイリスク・ハイリターンだ」と語っていた。2025年はその通り、被打率.361、被長打率.528を記録していた。しかし、今季はまだ44球しか投じていないものの、被打率.222、被長打率.222となっている。
皮肉なことに、ここでは極端な左右の差に注目しているため、シンカーとスイーパーの組み合わせに焦点を当てているが、実はこれでもマクリーンの球種で互いに最も離れて動く組み合わせですらない。
それは、速球のいずれかと、これまでで最高の回転数を誇るカーブの組み合わせだ。そのカーブの水平方向の変化はスイーパー(18.3インチ=約46.5センチ)よりわずかに小さいものの、さらに1フィート(約30.5センチ)の落差を伴う。上のチャートでわかるように、どちらの球種もMLB平均を示す網掛けの領域からはかけ離れている。それらの球種には、平均的な要素など何一つ存在しない。
しかし、特筆すべきは本塁へ向かう軌道だ。私たちは「トンネリング」についてよく語る。これは、2つの異なる球種を、打者が対応できなくなる最後の瞬間まで、できる限り同じ軌道を通す技術のことだ。
少なくともこれら2つの球種に関して、マクリーンが行っていることは、厳密にはそれとは異なる。代わりに、シンカーとスイーパーは似たようなリリースポイントから放たれ、本塁のわずか数フィート(約1メートル強)手前で軌道が交差する。
ジャイアンツのヘラル・エンカーナシオン(28)が、今月上旬にこのような姿をさらすことになった理由が、これで少し説明がつく。マクリーンの初球のスイーパーは、本塁に向かう途中で急激に左へと曲がり、エンカーナシオンから空振りを奪った。カウント0―1からのスイーパーが低めに外れた後、マクリーンはシンカーを投じた。その球は体に当たりそうなほど内角へ食い込んだが、ファウルとなって2ストライク目を数えた。
スタットキャストの計測が始まった過去10年で、投手の「回転数」は注目される指標となったが、前述の通り、それは成功を保証するものではなく、潜在的なエネルギーに過ぎない。回転数は素晴らしくても、それを効率的にボールの変化に結びつけられず、正しい方向へ動かせず、ストライクゾーンへ投げ込めない投手もいる。
これまで見た最高の回転数を誇るマクリーンは、そのすべてを体現している。2026年のメッツは比較的期待外れのスタートを切ったが、そのエースはいまだに新人王資格を残しており、2025年8月のデビュー以来、メジャーで6番目に良い防御率を記録している。マクリーンが実践していることの継続は極めて困難だが、なぜそれが好結果につながっているのかを理解するのは難しくない。複数の球種を、バットの幅以上も離れた位置へ変化させることができれば、打者はそれに対応する術を持っていないのかもしれない。
