大型新人ケイシーが初HRでブルワーズに勝利

ダブルヘッダーの初戦に勝利

August 19th, 2025

カブス6-4ブルワーズ】シカゴ/リグレーフィールド、8月19日(日本時間20日)

地区首位ブルワーズとの直接対決の初戦に敗れた中で迎えた、ダブルヘッダーの1試合目。流れを変えたかったカブスに、大型新人オーウェン・ケイシーが、力強くフレッシュな風を吹かせた。

「6番・ライト」で出場したルーキーは、初回2死満塁のチャンスで、メジャー初打点となる2点タイムリーヒット。先制点をもたらすと、5-4と1点差に追い上げられた六回にリードを広げるソロを放ち、試合はこのまま6-4で終了。新星の大活躍でカブスがカードを1勝1敗に戻した。

「チームが必要としていたインパクトをもたらしてくれた」とカブス先発のマシュー・ボイドはその活躍を称えた。

ケイシーはこの試合で、メジャー初打点、マルチ安打、本塁打をまとめて記録。六回の本塁打後には、スタンドから大歓声を浴びた。

「自分の名前をコールしてくれたのは最高だったね」と語った。

試合は三回に、鈴木誠也の四球、ピート・クロウ=アームストロングのツーベースでチャンスを広げると、ウィリー・カストロが11号3ランを放ち、5-0にリードを広げた。

先発のボイドは三回まで無失点投球を続けるも、四回にイエリッチにソロを浴びると、続く五回にも失点し5-2に。六回は、先頭のボーンに二塁打を打たれると、続くコリンズを三振に切るもチュラングにタイムリーを浴び、降板した。継投したブラッド・ケラーがタイムリーを許し、ボイドは5回1/3、4失点で12勝目を挙げた。

底力を見せたブルワーズを突き放す貴重な一打を放ったケイシー。クレイグ・カウンセル監督も、この新人のポテンシャルに大きな期待を寄せる。

「オーウェンは本物の打者だ。強烈な打球を放ち、あらゆる方向に本塁打が打てる。経験を積めばさらに良くなるだろう」

ケイシーは外野でも広い守備範囲を披露。強風に加えて、ファウルゾーンが狭いリグレーフィールドのライトでも、積極的にボールを追う姿勢は投手を勇気づける。

「リグレーでライトを守るのは初めてだっただろうけど、最高の守備を見せてくれた」とボイドは言う。

試合後のインタビューでケイシーは「勝利に貢献できてうれしい」と冷静にコメントしたが、試合中はやはり興奮と緊張が入り混じっていたようだ。

「特に本塁打の時は、本当に頭が真っ白になった感じだった。とにかく『打ったら走れ』って思っていて、風もあったから、越えるなんて思ってもいなかった。ただもう無我夢中だった」と笑顔で語った。

23歳のルーキーは、MLB公式サイトの有望株ランキングでカブス1位、全体45位に位置しており、18日のブルワーズとのカード初戦でメジャー初安打を放ったばかりだった。13日に3Aアイオワから招集され、トロントでのブルージェイズ戦でメジャーデビューを果たした。

「これからが本当に楽しみな選手だ。もうチームの一員で、勝利のために役割を果たしている。それが本当に素晴らしい。自分のためだけじゃなく、チームのために戦えるのは最高に楽しいんだ」とボイドは言う。

身長は6フィート12(約213センチ)の大型新人は3Aアイオワで93試合に出場し、22本塁打、OPS.955の成績を残して昇格を勝ち取った。外野にはハップ、クロウ=アームストロング、鈴木、タッカーらがそろっており、なかなか出場機会を得られなかったものの、不振気味のタッカーが休養でスタメンを外れたことで、チャンスがめぐった。

ケイシーがスタメンに定着する日は必ず来る。この日はあくまで “代役”としての出場だったが、その資格があることをこれ以上ない成績で示してみせた。

「自分にこう言い聞かせたんだ。『お前はこのために生まれてきた』ってね」とケイシーは力強く語った。