プレラーGM、パドレスの先発投手補強が最大の課題

November 12th, 2025

パドレスはこのオフ最初の課題をクリアした。新監督としてクレイグ・スタメンを招聘した。次のステップは、スタメンがボールを託せる先発投手を見つけることだ。

「どの球団も、毎年この時期には先発投手の話をしている」とパドレスのA.J.プレラーGMは語った。

「だが、(マイケル)キングと(ディラン)シースがFAで(ダルビッシュ)有が負傷中という状況では、このオフ最大の補強ポイントになる」

ラスベガスで開催されているGM会議はオフシーズンの“非公式な幕開け”となる。確かにどの球団にも先発投手は必要だ。しかし、パドレスほどその必要性が切実なチームは多くない。このオフ、ローテーションに少なくとも2枠の空席を抱え、さらにマイナーの先発投手層も薄くなっている。

では、プレラーGMはどのようにして先発投手不足に対処するのか。
11日に行われたメディア対応では、その話題が中心だった。

伝統的な手段、トレードとFA補強

キングやシースがクオリファイング・オファーを受け入れた場合は大きな驚きとなるだろう。ダルビッシュ有が右肘の手術により2026年シーズンを全休する見込みでパドレスの先発補強は最優先課題だ。もっとも、ジョー・マスグローブがトミー・ジョン手術から復帰予定であり、欠員の一部は埋まる見通しだ。

加えてこれまでの4投手の名を見れば分かるとおり、いずれもプレラーGMがオフに巧みに動いて獲得してきた選手たちだ。確かに現在のパドレスは以前のような層の厚いマイナー選手を抱えていない。だが、プレラーGMは投手人材の発掘において卓越した嗅覚を見せてきた。

そして、パドレスはその才能を育てる術にも長けている。

「われわれが外部から獲得してきた多くの投手は、加入後、多くの場合、さらに成長している」とプレラーGMは語った。

「それはルーベン・ニーブラと彼が主導している投手育成プログラムの力を物語っていると思う」

ニーブラ投手コーチ効果

スタメン新監督で特筆すべき点の一つは、監督就任を逃した後もルーベン・ニーブラが投手コーチとして続投する見込みであることだ。ニーブラは投手コーチとして4シーズンで優れた実績を残してきた。ニーブラ投手コーチの存在に加え、いくつかの要素が重なり、サンディエゴは投手にとって最も魅力的な移籍先の一つになっている。

「今オフもその強みを生かす。売り込みではない。ここ数年に起きた事実を示すだけだ」とプレラーGMが語った。

誰を獲得しても、ニーブラが率いる投手部門が最大限の力を引き出してくれるという手応えがある。

メイソン・ミラーの起用法

トレード期限当日にメイソン・ミラーを大型トレードで獲得して以降、パドレスは剛腕を先発で使うのかリリーフで使うのか、という問いを、基本的には棚上げにしてきた。だが、これ以上先延ばしにはできない。

ミラーは球界屈指の救援兵器と言っていい。一方で、先発に回したほうが上限値が高いのか。そうだとすれば、先発転向のリスクを負う価値があるのか。今後数週間でついに本格的な協議が行われる見通しだ。

「重要なのは、近くミラー本人と向き合って考えを聞き、情報をそろえたうえで判断することだ」とプレラーは語った。

パドレスの強みの一つはブルペンだ。しかし、ミラーを動かすことが救援陣に与える影響について、少なくともプレラーGMは警戒しているようだった。

「今季の大きな強みだった。先発イニングを増やす必要性とのバランスを常に取らなければならない。気づいたら先発も救援も中途半端、という事態だけは避けたい」

他の内部選択肢

現状確認として、パドレスは先発ローテーションの先頭にニック・ピベッタが戻り、健康なジョー・マスグローブが加わる見込みだ。ランディ・バスケスはローテ4、5番手の一角に入るはずだ。この3人以外に、実績十分と言える選択肢は多くないが、候補はいる。

JP・シアーズとマット・ウォルドロンは昨季苦しんだ。どちらか一方でも立て直せれば、先発層の不安は大きく和らぐ。プレラーは、昨年急速にシステムを駆け上がったプロスペクトで球団内5位のミゲル・メンデスも注目株として挙げた。

とはいえ、先発の補強が不要になるわけではない。現有戦力での「最優先課題」だとプレラーGMは強調している。先発をどう整えるかが、このオフ全体の方向性を大きく左右する。