元同僚が語るデポデスタ氏 ロッキーズを再建に導く経験は十分

November 8th, 2025

長年球界でフロントの要職を務めてきたJP・リッチアーディは、ポール・デポデスタが課題を克服し、ロッキーズを強豪に変えられると信じている。リッチアーディはロッキーズの編成トップに任命されたデポデスタ氏が2つの大きな再建に携わるのを目撃した。

1999年、リッチアーディは当時アスレチックスのゼネラルマネージャーだったビリー・ビーンを説得し、クリーブランドからデポデスタを招聘。統計分析における彼の強みを活かし、書籍と映画『マネーボール』で永遠に語り継がれる成功期を築き上げた。デポデスタがリッチアーディのいた再建中のメッツに加わったときは、統計分析、スカウティング、選手育成といった強みを活かし、2015年のワールドシリーズ進出に貢献した。

ロッキーズにも同じことが起こるだろうか?彼らは7シーズン連続で負け越しており、2025年の43勝119敗は、1962年のメッツ、2024年のホワイトソックスに次いで、近代野球で3番目に悪い成績となっている。

「オーナー陣が忍耐力を持っている限り、ポールにはチームをゼロから築き上げる力がある。ロッキーズには素晴らしいファンベースがある。彼らは本当に、本当にチームを応援してくれている。その忠誠心は報われてほしいと思う。しかし、すぐには実現しないだろう」と、現在NESNでレッドソックスと3Aウーチェスターの放送でコメンテーターを務めるリッチアーディは語る。

現在52歳のデポデスタは、クリーブランド(1996~98年)、アスレチックス(1999~2003年)、メッツ(2011~2015年)のフロントオフィスで勤務したほか、ドジャースのゼネラルマネージャー(2004~2005年)、パドレスのフロント(2006~2010年)も務めた。メッツ退団後はフットボールに転向し、クリーブランド・ブラウンズの最高戦略責任者を務めた。

デポデスタと仕事をした人々は、彼が多岐にわたる経験を積んでいると見ている。地区優勝を果たした5つのMLB球団に所属し、同時にチームが育成段階で苦戦する時期も経験している。また、最先端の思考と数字の活用で知られるリーダーでありながら、ハーバード大学時代にアメリカン・フットボールと野球をプレーしたように、フィールドで何が起きているかにも精通していると考えている。

元ロッキーズGMのダン・オダウド(2000年から2013年)は、デポデスタがインターンとしてクリーブランドに加わり、選手育成やスカウト業務に携わっていた当初から共に働いていた。デポデスタは長年にわたり、オダウドから受けた指導と友情に感謝している。オダウドは、友人であり相談相手であったこと以外、デポデスタのロッキーズへの採用過程には関与していないと述べている。

「デポデスタはおそらく、私がこれまでこのゲームで出会った中で一番賢い人物だろう。知的に、大抵の人とは違う、もちろん私とはレベルが違う。でも、彼は自分が部屋で一番賢い人間であるかのように振る舞うことは決してなかった。まるで経験豊富な50歳の老人のように、選手や状況について物事を洞察することができた。しかも、20代前半にしてそれを実践していた」と、オダウドはデポデスタについて語った。

苦しい時期を乗り越えながら、ロッキーズを2007年にワールドシリーズ、2009年にはポストシーズンに進出させたオダウドは、コロラドの深刻な標高問題(本拠地クアーズフィールドは標高が高く、極端に打者有利)への自身のアプローチが結果的に逆効果だったかもしれないと考えている。しかし、デポデスタの能力があれば同じ過ちを繰り返さずに済むと見ている。

「例えるなら、象の後ろ足をつかんで地面に押し倒そうとするようなものだった。そんな戦いに勝てるはずがない。象は決して疲れないのだから。部屋にいる象(=課題、Elephant in the room という慣用句から来ている)を受け止める必要がある。ポールであろうと、誰がチームを率いようと、現実を受け入れ、課題を回避するのではなく、それと向き合うロースターを構築するべきだ」

ドジャースのGMを短期間務めたばかりのデポデスタが、サンディ・アルダーソン、リッチアーディらと共に働き始めた時のメッツは、1990年代後半のアスレチックスや現在のロッキーズと同様、決して好調ではなかった。

そんな中で、メッツの選手育成・アマチュアスカウト担当副社長として、デポデスタ氏は2011年のMLBドラフトを指揮した。ドラフトは、ワイオミング州出身の高校出身で、あまり知られていない外野手ブランドン・ニモを全体13位で指名することから始まった。この年、メッツがドラフトした選手のうち、なんと15名がMLBに昇格した。

ニモが主力選手となっただけでなく、ドラフト34巡目指名だったセス・ルーゴも後にオールスターに選出された。デポデスタの選手評価手法は、ドジャースが常に資金面で優位に立つ地区で戦うロッキーズにとって重要となるだろう。

「ブランドンに必ずしもそういう統計があったわけではない。ワイオミングの高校ではそういう統計は出ない。試合数が足りないからね。しかし、私たちが直接、そしてビデオで彼を見て行ったこと、そしてあらゆる心理テストや視力検査のおかげで、ポールが彼の特徴を見抜いていた。そしてそれはドラフト中ずっと続いていた」と、元メッツのフロントオフィスメンバーで、現在はNBAミルウォーキー・バックスのバスケットボール研究・イノベーション担当副社長を務めるTJ・バーラは語る。

デポデスタは、記録だけにとどまらない様々な問題を抱えるチームに加わる。ロッキーズは、メジャーリーグ、マイナーリーグ、そしてスカウティングにおいて、野球界全体で一般的に行われている情報収集と活用における革新的な取り組みの導入が遅れている。デポデスタは、ゼネラルマネージャーを含む複数の人材を採用することになるだろうが、ロッキーズ特有の高地での要求を熟知したスタッフ陣の意見に耳を傾けながら、指導していくことも期待されている。

リッチアーディはデポデスタがこれまでにも骨の折れる仕事を成功させてきたと語った。

「何を急がせて、馬鹿げたことをしようとしているんだ?ポールは、ゼロから築き上げていこうとするという意味で、適任だ」