新人トールがイマキュレートイニング!笑顔と好投で勝利導く

September 14th, 2026

ロイヤルズ1-4レッドソックス】ボストン/フェンウェイパーク、9月13日(日本時間9月14日)

朝、ペイトン・トールはフェンウェイパークに姿を見せると、いつものように監督に挨拶し、登板への準備を始めた。雨雲が広がり試合の開始時刻が不明な中でも、左腕は普段どおりだった。

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「今朝やって来て、いつも通り敬礼をしてくれた」とチャド・トレーシー暫定監督は話した。

「彼が『3時5分?』と聞くので、『そのつもりで準備して』と答えた。すると『でも変更に対応できるようにしておく?』と言うから、『変更に備えておいて』と伝えた。それが彼を見た最後だった。だから、準備はできているだろう」

この日のトールは単に準備ができていただけではなかった。

初球を投じてからわずか3分後、トールは拳を突き上げながらマウンドを降りた。球団史上わずか8度目となるイマキュレートイニング(3者連続3球三振)を達成。この完璧な一回が流れをつくり、レッドソックスはカード勝ち越しを決めた。

「今まで生で見たことはなかった。ついに見ることができたよ」とトレーシー監督は語った。

82勝68敗となったレッドソックスは、ア・リーグのワイルドカード2番手につけている。3番手とは6ゲーム差とリードを広げており、首位ヤンキースとは4.5ゲーム差となっている。

当初は米東部時間午後1時5分開始の予定だったが、雨予報を受けて前日時点で午後3時5分へ変更された。最終的にはさらに開始時刻は遅くなり、トールが初球を投じたのは午後4時55分。しかし、開始時刻が何度変わろうと、トールは落ち着きを失わなかった。

左腕はロイヤルズの先頭打者ニック・ロフティンを見逃し三振、ボビー・ウィットJr.を空振り三振に仕留めると、ジャック・カグリオーンをこの回最速となる97.9マイル(約157.6キロ)の速球で空振り三振に切って取り、記録を達成した。

「ストライクが3つ続いた後、ふと頭をよぎったんだ。かなり早い段階で意識してしまって、そういうことを考えるのは良くないのかもしれない。もっと意識をコントロールする必要があるけれど、頭から離れなかったのは確かだね」とトールは正直に振り返った。

レッドソックスの選手によるイマキュレートイニングは、クリス・セールが2021年8月26日のツインズ戦で記録して以来。初回に記録されたのは球団史上2度目だった。奇しくも、初回での球団初のイマキュレートイニングも雨天中断後に生まれており、2002年5月18日のマリナーズ戦で、ペドロ・マルティネスが達成した。

興奮に呑み込まれることなく、トールはその勢いをそのまま保持して好投を継続。ロイヤルズ打線を6回無失点、4安打、7奪三振、1四球に封じ込め、2試合連続となるクオリティースタートを達成した。

「素晴らしい内容だった」とトレーシー監督は絶賛する。「本当に見事だったよ。五回と六回に少しランナーを背負ったけれど、どちらのピンチもしっかり切り抜けて無失点で投げ切ってくれた。本当に見事な頑張りを見せてくれた」

打線も終盤に粘り強さを発揮し、好投に応えた。七回にロマン・アンソニーが勝ち越しとなるタイムリーを放つと、八回にはウィルソン・コントレラスの安打をきっかけにチャンスが拡大。トレバー・ストーリーの適時打でコントレラスとアドリー・ラッチマンが生還し、リードを広げた。

アンソニーとコントレラスの両選手は、トールが果敢にストライクゾーンを攻めた姿勢だけでなく、チーム全体を活気づけるエネルギーを生み出したことを称えた。感情を前面に出すプレーぶりと野球への強い愛着は、若き左腕を象徴する姿だが、この日のマウンドではそれが一際輝いていた。自身初のイマキュレートイニングを完成させると、感情豊かなトールはバッテリーを組んだラッチマンと肩を組み、笑顔を見せながらベンチへと戻っていった。

「とにかくその瞬間を楽しんでいたんだ。素晴らしい瞬間だからこそ、噛み締めようと思った。アドリーが今日も見事なリードをしてくれたから楽しく投げられたよ。チーム一丸となって掴み取った大きな勝利だし、互いに支え合えたのが本当に良かった。カード勝ち越しを決められたので、このまま勢いを維持していきたい」とトールは笑顔で語った。