当たり前だが、野球を予測することは難しい。各チームがどのような成績を残すか正確に知ることができるのは、シーズンが終わった時のみだ。それでも、開幕前に膨大なデータと解析システムにより、予測をすることはできる。
その中の一つで、選手のパフォーマンスを予測するシステムPECOTAが、2026年シーズンの予想順位およびプレーオフ進出確率を発表した。これは今月初めに公開されたファングラフス(FanGraphs)の予測に続くものである。
両者は多くのチームに関しておおむね一致しているが、すべての見解が同じというわけではない。PECOTAの予測を確認し、ファングラフスと比較した上で、来季に向けて浮かび上がる5つの重要な問いを挙げていく。
1. ドジャースは「非常に優れたチーム」なのか、それとも「歴史的」なのか
2年連続でタイトルを獲得したにもかかわらず、ドジャースの野心は衰えていない。オフシーズンでも積極的に動き、FA市場で最高の野手と目されていたカイル・タッカーと、最高のクローザーと目されていたエドウィン・ディアスを獲得した。これだけの戦力をそろえれば、PECOTAとファングラフスが共に球界最高のチームと予測するのも不思議ではない。問題は、それがどれほど圧倒的かという点だ。
ファングラフスは約99勝と予測しており、これは十分に優秀な数字ではあるが、歴史的というほどではない。一方でPECOTAは105勝を予測しており、このチームが歴史的結果を残す可能性を示唆している。両リーグが162試合制を採用した1962年以降、105勝以上を挙げたチームはわずか15球団に過ぎない。また、優勝した翌年に105勝を上回ったのは、2021年のドジャース(106勝)のみである。
数千回のシミュレーションにおける中央値が105勝であり、なおかつ2番手のチームより12勝も上回るという結果は、PECOTAがドジャースをどれほど圧倒的なチームと見なしているかを物語っている。3連覇は十分に現実的な目標だ。
2. ア・リーグ中地区で優位に立つのはどこか
ファングラフスとPECOTAのどちらも、昨季歴史的逆転で地区優勝を果たしたガーディアンズが順位を落とすと予測している。ただし、代わって首位に立つチームに関しては予測が異なる。
PECOTAは2025年を82勝80敗で終えプレーオフを逃したロイヤルズにわずかながら優位を与えている。ロイヤルズはオフに補強を行ったが、最大の伸びしろはチーム内部にある。コール・レイガンズ、セス・ルーゴ、クリス・ブービッチが合計59先発にとどまったローテーションの状態が回復するかどうかは、シーズンの成否に大きく関わるだろう。また、若手野手ジャック・カグリオーンとカーター・ジェンセンの成長も重要だ。
一方でファングラフスは、昨季87勝を挙げたチームにフランバー・バルデスを加えたタイガースを、ア・リーグ中地区の明確な本命と位置づけている。
3. レッドソックスはア・リーグ東地区で出遅れているのか
昨季89勝を挙げたレッドソックスは、オフシーズンにウィルソン・コントレラス、レンジャー・スアレス、ソニー・グレイといった補強を行った。さらに、台頭著しいロマン・アンソニーがフルシーズン出場することで、三塁手アレックス・ブレグマンの退団による影響をある程度は和らげることができると期待されている。
しかし、レッドソックスが東地区で真の優勝争いを演じられるチームかどうかについては見解が分かれている。
PECOTAはヤンキースとブルージェイズを一段上に位置づけ、その後にオリオールズを続けている。レッドソックスは4位予測な上に、3位のオリオールズよりも、5位予測のレイズに近い評価となっている。
一方、ファングラフスはヤンキース、ブルージェイズ、レッドソックス、オリオールズを同質のグループと見ている。4球団のプレーオフ進出確率は53.6%から68.5%の範囲に収まり、レッドソックスは58.5%で3番手評価となっている。
4. ナ・リーグ中地区でカブスの優位はどれほど大きいのか
近年のナ・リーグ中地区はブルワーズが支配してきた。過去4年で3度の地区優勝を果たし、毎年のように予想を上回る成績を残している。エースのフレディ・ペラルタを放出したとはいえ、2025年にメジャー最高勝率を記録したチームは、新シーズンも力を発揮するだろう。
それでも、今季はカブスが有力候補だ。昨季は92勝を挙げ、カイル・タッカーが退団したものの、ブレグマンとエドワード・カブレラを加え、地区で最もバランスの取れたチームを構築したように見える。
実際、PECOTAとファングラフスはいずれもカブスの地区優勝を予測している。しかし、評価の差は大きい。PECOTAはブルワーズより10勝上回ると予測し、より強気だ。一方、ファングラフスはより接戦と見ており、最大の対抗馬をブルワーズではなくパイレーツと見なしている。ナ・リーグのサイ・ヤング賞連覇中のポール・スキーンズを軸とする若いローテーションに、ベテラン打者を加えたオフの補強を高く評価している。
5. アストロズはア・リーグで本当に脅威となるのか
アストロズは昨季、2016年以来初めてポストシーズンを逃し、岐路に立たされている。2017年から8年連続でプレーオフに進出し、2度の世界一を達成したチームの基盤が徐々に揺らいでいる。再建力には定評があるが、油断はできない。
一方で、単なる一時的な不振に過ぎなかったと捉えることもできる。ヨーダン・アルバレス、ジェレミー・ペーニャ、アイザック・パレデスが長期離脱したことを考えれば、87勝はむしろ上々の成績かもしれない。打線が健康を取り戻し、今井達也、マイク・バローズ、ライアン・ワイスといった新戦力がフランバー・バルデスの穴を補えれば、再びポストシーズン争いに加わる可能性がある。
PECOTAは後者のシナリオを十分にあり得ると見ており、アストロズをヤンキース、ブルージェイズ、マリナーズに次ぐ、ア・リーグ全体4位の勝率(.528)で予測している。一方、ファングラフスはより慎重で、ア・リーグ7番手、勝率.500のチームと見なしている。
