カブスとクロウ=アームストロングが6年1億1500万ドル(約181億7000万円)で契約延長合意(情報筋)

March 24th, 2026

ピート・クロウ=アームストロング(23、PCA)は、アリゾナのキャンプにあるカブスの打撃練習場からクラブハウスへ向かう途中、6人の子供たちに囲まれた。キッズファンは駆け寄って列を作った。スター中堅手は足を止め、一人ひとりにサインを書いた。

クロウ=アームストロングは、エネルギッシュなプレーや話題を呼ぶ発言、チームを再びワールドシリーズ制覇へ導こうとする意欲により、老若男女のファンから人気を集め、瞬く間に「球団の顔」となった。球団が長期にわたって確保しておきたい選手であり、カブスはこの若きスターに対し、まさにそれを実現しようと動いている。

24日(日本時間25日)カブスはセンターのクロウ=アームストロングと6年総額1億1500万ドル(約181億7000万円)の契約延長で合意したと、MLB.comのマーク・ファインサンドが情報筋として伝えた。これにより、クロウ=アームストロングは2032年までチームの核として残ることになる。クラブは契約を正式には確認しておらず、身体検査の完了待ちとなっている。

この契約にはオプション条項はなく、最初の2年間のFA権を買い取る形になっている。残り5年のコントロール権を持つ選手としては、オプションなしでの契約として史上最大の規模となる。情報筋によれば、2031〜32年分の昇給条項を含めると、契約総額は最大で1億3300万ドル(約210億1,400万円)に達する可能性がある。

クレイグ・カウンセル監督(55)は24日(同25日)、具体的な交渉には触れず、「若くて才能のある選手には、長く球団にいてほしいものだ。それがすべての球団の目標だと思う」と述べた。

歴史的な成績を残した昨季、クロウ=アームストロングは守備の要、打線の起爆剤として活躍した。シーズンの多くでMVP級のプレーを続け、チームは92勝を挙げてプレーオフに進出し、地区シリーズ進出まであと1勝に迫った。

2026年、PCAとチームへの期待はさらに高まっている。

カブスのベテラン外野手、イアン・ハップ(31)は「彼はエキサイティングな選手だ。ファンが喜ぶようなエネルギーを持ってプレーしている。MLBは『ファンは何を求めているのか? もっと盗塁を、もっと三塁打を、好プレーを見たい』と考えているが、PCAはファンが求め、見ていて楽しい要素をすべて兼ね備えている」と語った。

「グラウンド上でのエネルギッシュなプレーが、さらにそれを後押ししている。トッププロスペクトとして昇格し、ファンがすぐに魅了されたのも納得だ。本人もシカゴを愛し、その環境を心から楽しんでいる」

クロウ=アームストロングは昨季、31本塁打、37二塁打、4三塁打、95打点、35盗塁、91得点を記録した。1シーズンでの「30本塁打、30盗塁」到達は球団史上最速。さらに30二塁打以上も記録したのはカブスの歴史で唯一の選手となった。

打撃面では、クロウ=アームストロングにとって前半戦と後半戦で対照的な内容となった。前半戦で25本塁打、25盗塁を記録したメジャー史上3人のうちの1人となり、1987年のエリック・デービス、1973年のボビー・ボンズに肩を並べた。この3人の中でさらに70打点以上もマークしたのはクロウ=アームストロングのみだった。

前半戦はOPS.846を記録。ナ・リーグのオールスター戦に先発出場し、シーズン中盤にはMVP候補として名前が挙がった。しかし、後半戦は守備で貢献を続けたものの、打撃はOPS.634と低迷した。

スタットキャストの計測開始以来、昨季記録した19個の「最高難易度(捕球確率0〜25%)」の捕球は、シーズン最多記録を更新した。これまでは2016年のビリー・ハミルトン外野手(35)が記録した12個が最多だった。OAA(平均的な野手よりどれだけ多くアウトを奪ったかを示す指標)の「24」は、2017年にツインズのバイロン・バクストン外野手(32)が記録した「27」に次ぐ歴代2位だった。

今春のキャンプでは、打撃の安定感を高めることを目標に掲げた。新加入のスター三塁手、アレックス・ブレグマン(31)の助言を受けながら成長できることに喜びを口にした。

ブレグマンは「まだ能力の片鱗を見せ始めたばかりだ。守備、走塁、打撃のあらゆる面で勝利に貢献し、試合の流れを変えられる。1人でチームを背負って立つことができる特別な存在でエネルギッシュなプレーはチーム全体に好影響を与えている」と語った。

カブスは2021年のトレード期限に2016年のワールドシリーズ制覇を支えた主力メンバーを放出した。その際、メッツからハビアー・バエズ内野手(33、現タイガース)とのトレードで当時プロスペクトだったクロウ=アームストロングを獲得した。バエズはPCAが子供の頃に憧れた選手の1人だった。

シカゴのファンは、その卓越した守備とダイナミックな打撃から「エル・マーゴ(魔術師)」と呼ばれたバエズを愛した。現在は、同様に観客を熱狂させるクロウ=アームストロングが、本拠地リグレーフィールドなどで「P-C-A!」の大合唱で迎えられている。

クロウ=アームストロングはシカゴやファンへの愛を繰り返しコメントしている。今回の契約延長は双方にとって当然の選択といえる。パドレスに勝利し、ナ・リーグの地区シリーズ進出を決めた試合で最後のアウトを奪ったクロウ=アームストロングが外野席のファンと喜びを分かち合った場面は、その絆を象徴していた。

PCAはその日の夜、「ホームでの81試合、毎日振り返ればファンの表情が見え、何を感じ、何を言っているのかが伝わってくる。ファンの一人ひとりと絆があると感じているし、あの瞬間を共有するのは当然のことだった」と振り返っている。