フィリーズ、選手・球団が一つになりALSを支援

June 10th, 2025

球場でのパフォーマンスからダグアウトでの即興ダンスまで、フィリーズの公式マスコット、フィリー・ファナティックはこれまで数々の見事な踊りを披露してきた。

そんな彼の月曜日のダンスは、今までで最も特別なものの一つだった。

この日、シチズンズ・バンク・パークでは「ALS啓発ナイト」が開催された。ファナティックはいつも五回に行っているダンスの場所を変更。ALS(筋萎縮性側索硬化症、別名ルー・ゲーリッグ病)と闘う患者やその家族がいる球場内のスイートルームに現れ、彼らとともに踊って球場に温かな空気を届けた。

なお、MLBは毎年6月2日を「ルー・ゲーリッグ・デー」と定めているが、フィリーズはこの日(6月9日)がそれ以来の最初のホーム戦だったことで、1週間遅れの開催となった。試合前には、ALSと闘う人々やその関係者たちが選手、コーチと並んで国歌斉唱を行う「ALS勇気のラインアップ」が実施された。

2021年に6年の闘病の末にALSで叔父を亡くした、フィリーズの右腕アーロン・ノラはこの活動を応援する一人だ。「ここ数年続けてきているが、本当に素晴らしいこと。ALSという病気の存在はだいぶ広く知られるようになっているけど、より多くの人に知ってもらうために、こうした取り組みは続けていくべきだと思う」

三回終了後には、かつてフィリーズのインターンとして働き、その後16年間連邦捜査官を務めたマイケル・ブラウン氏への特別な表彰も行われた。今年の初めにALSと診断され、現在は妻と3人の子どもたちと一緒に地元で生活している。

「ALSとの闘いを支援するため、フィリーズは長年にわたって素晴らしい活動を続けている。こうして球場に来て試合を観てもらうことで、ほんの30分でも何かを忘れられる時間になってくれればと思う」とロブ・トムソン監督も語った。

ALSナイトは啓発にとどまらず、ALS研究のための重要な資金調達イベントとしても知られている。

始まりは、アスプランド家が、元CEOで現在ALSと闘っているスコット・アスプランド氏を称え約5700万円の寄付を行ったことから。そこから様々な形で寄付が行われるようになっている。

今年の主な募金活動:

  • 一塁側プラザでのサイン入りグッズ福袋販売
  • 試合中のチャリティ抽選会の収益
  • ALS啓発チケット購入ごとに一部金額を寄付
  • 選手の着用ユニフォームや体験イベントを含む2週間のオンラインオークション

昨年のALSナイトでは75万ドル(約1億1700万円)を調達したが、今年はそれを上回る80万ドル(約1億2,500万円)が集まった。過去40年間、フィリーズの「Strike Out ALS」ミッションにより、患者支援・研究・啓発のために累計2,400万ドル(約37億円)以上が寄付されている。

ノラも取り組みに深く関わっており、過去2シーズンにわたり「Big League Impact」キャンペーンを通じて三振1つごとに寄付を行っているほか、ALS支援イベントも複数開催してきた。先月にはその功績が認められ、MLB選手会から「最も価値ある慈善家」として表彰され、今後の活動のための1万ドルの助成金を獲得した。

こうした活動は、ALS患者に限らず、スポーツを通じた支援の重要性とそのインパクトを示している。選手やコーチ陣の前でALS患者が自身の闘病体験を語る機会も設けられており、彼らが人々から学び、つながる貴重な場となっている。

「彼らの話を聞くと、本当に心を打たれるんだ。どの人もすごく前向きで明るくて、自分の中の価値観が大きく変わる瞬間でもあるよ」とノラは語った。