ドン・マティングリーは2026年シーズンのフィリーズのベンチコーチに就任することになりそうだ。
フィリーズとマティングリーはまだ契約を結んでいない。しかし、フィリーズのデーブ・ドンブロウスキー編成本部長は8日(日本時間9日)、フロリダ州オーランドで行われているウィンターミーティングにおいて、マティングリーとの交渉が進んでいることを明らかにした。
「まだ最終の詳細を詰めている段階なので、正式に発表することはできない。でも、ドンとの話し合いを進める中で、交渉成立に向けて尽力しており、無事に契約を結べることを願っている」とドンブロウスキー編成本部長は語った。
64歳のマティングリーは、無事に就任が決まれば、メジャーリーグ・フィールドコーディネーターへの配置転換が決まっているマイク・カリトリの後任となる。ヤンキースの選手として殿堂入りクラスのキャリアを過ごしたマティングリーは、監督やコーチとしても豊富な実績を持っている。2011~15年にドジャース、2016~22年にはマーリンズで監督を務めた。直近3シーズンはブルージェイズでベンチコーチ、2004~10年には名将ジョー・トーレの下でヤンキースとドジャースのコーチを務めていた。
マティングリーとフィリーズのロブ・トムソン監督はヤンキースの球団組織にいたときからの知り合いである。
「(マティングリーがベンチコーチに就任してくれるなら)素晴らしいことだ。球団にとって完璧にフィットすると思う。彼の知性、存在感、そして経験値は大きな武器になる。本当にいい補強になるよ」とトムソン監督はマティングリーの加入を歓迎する。
トムソン監督は来季が契約最終年となる。しかし、ドンブロウスキー編成本部長はスプリングトレーニングが始まる前に、指揮官との契約を延長する方針であることを明かしている。
また、ドンブロウスキー編成本部長は、マティングリーがベンチコーチに就任することについて、トムソン監督やマティングリー本人だけでなく、ゼネラルマネージャー(GM)のプレストン・マティングリー(=ドン・マティングリーの息子)とも話し合いを行ったようだ。
誰も今回の方向性について、否定的な姿勢を見せなかったという。
ドンブロウスキー編成本部長は、父がコーチ、息子がGMとなった場合の懸念材料として、クラブハウスとフロントオフィスが直接的な連絡を取っていると選手が感じることがクラブハウス内の潜在的な問題になる可能性を指摘するが、心配はしていないようだ。
「クラブハウスからフロントオフィスに届くべきではない情報があるのかないのか、それが何なのか、ということについては心配していない。懸念するようなことではないと思う。話している相手がどれほど信用できる人物であるかということを認識するのは大切だ。ドンとプレストンは2人とも絶大な信頼を置ける人物であり、漏れてはいけない情報が漏れることはないだろう。機密情報は機密情報として保たれるはずだ」とマティングリー親子への信頼を口にした。
マティングリーGMは「球団組織内の全員が同じ目標を共有している。ワールドシリーズに勝ちたいということだ。父は我々のロースターやスタッフに本当にフィットすると思う。とても楽しみだ」と父との共闘について言及した。
