上位打線が大谷&救援陣を打ち崩せず、初戦黒星

逆転弾を浴びたストラームは「ショック」

October 5th, 2025

フィリーズ3-5ドジャース】フィラデルフィア/シチズンズバンクパーク、10月4日(日本時間5日)

マット・ストラームは信じられない思いだった。1点リードの七回のピンチで登板し、大谷とベッツを打ち取って2死。しかし、続くテオスカーに逆転3ランを浴びると、首を横に振った。数分後にマウンドを降りる際、グラブに頭を突っ込んで叫んだ。

「2球ミスしたことがショックだった」

初球、ストラームはカッターを外してボール。2球目は内角への直球を要求されたが、外角へ甘く入った球をテオスカーは逃さず、右中間へ逆転の3ランに。その本塁打が勝負を分け、フィリーズは地区シリーズ(NLDS=5回戦制)の第1戦を落とした。

一、二塁のピンチでストラームに引き継いだ2番手のロバートソンも「ストラームをひどい状況に追い込んでしまった。僕のピッチングが悪かっただけだ。ストラームは信じられないような投球で(大谷とベッツを連続凡退)、抜け出しかけたのに」と肩を落とした。

試合後、二塁走者だったパヘスがサインを盗み、テオスカーに球種を伝えていたのではないかという噂も流れたが、これをストラームは否定。ストラームは「指を揃えてボールを握り、唯一変わるのは、縫い目に沿ってボールを握る位置だ。二塁走者からでもそれを確認することはできない」と説明した。

パヘスはリアルミュートの構えを合図していた可能性もある。

しかし、勝負はついた。フィリーズはリードを守ることができなかった。フィリーズはあすの休養日を挟んで、あさって6日(日本時間7日)に控える第2戦に向け、切り替えなければならない。

捕手のリアルミュートもそれを承知している。

「最大5戦のシリーズだ。良いプレーをする機会はまだたくさんある。あすは集中力を切らさず、ビデオを見て、何を違った形でできたのかを考えて、月曜日にはもっと良いプレーをしないといけない」

かつて対戦相手のコーチが「地獄の4時間」とまで評した、フィリーズのホームフィールドアドバンテージは最近では影を潜めている。熱狂的な雰囲気に包まれる本拠地シチズンズバンクパークでは、2023年のナ・リーグ優勝決定シリーズの第6戦以降、なんと5戦4敗。力を発揮できていない。

「勝利に近づくために、自分たちがやるべきことをすべてやっていると胸を張って言えるかどうかがカギだ」とシュワーバーは覚悟を口にした。

第1戦で痛かったのは、自慢の上位打線の停滞だ。下位打線がつながってドジャース先発の大谷から3点を奪ったが、ターナー、シュワーバー、ハーパーの1〜3番トリオが11打数1安打、6三振と不発。

「ボール球を追いかけ、ストライクゾーンの球にも空振りしてしまった。もっと相手にダメージを与えられた」とハーパーは悔やむ。しかし、スター軍団のフィリーズはどの選手も経験豊富だ。無安打3三振に終わったシュワーバーは既に気持ちを切り替えている。

「大丈夫だよ。これはたった1試合。ポストシーズンなんだ。個人的な問題じゃない。チーム全体の問題だ。そして今は第2戦に集中している。また練習に戻り、チームのために勝負強い打撃をするという気持ちで臨むよ」