終盤に怒涛の追い上げも届かず、連敗で早くもがけっぷち

October 7th, 2025

フィリーズ3-4ドジャース】フィラデルフィア/シチズンバンクパーク、10月6日(日本時間7日)

フィリーズ関係者の頭の中には「なぜこうなったのか」「もしもあの時」という疑問ばかりが浮かんでいるだろう。

ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS=5回戦制)の第2戦でドジャースに痛恨の敗戦。早くも、がけっぷちに立たされている。

先発のヘスス・ルザルドは6回82球を投げ、3安打、5三振、1四球という素晴らしい投球をみせた。七回に2連打からピンチを招いて降板後、後続のカークリングが打たれて2失点がついたが、一回途中から六回までは17打者を連続で打ち取る好投。

一方で打線は、ドジャース先発のスネルに苦戦し、六回まで1安打に抑えられたが、スネル降板後にドジャースの弱点であるブルペンを崩した。

八回に代打ケプラーが三塁打で出塁すると、トレイ・ターナーがタイムリーを放ち1点を返した。さらに、九回にはドジャース3番手のトライネンから、ボーム、リアルミュート、カステヤノスの3連打で2点を奪い1点差に。そのまま無死二塁のチャンスを迎えたが、肝心の一打が生まれなかった。かつては圧倒的な雰囲気で相手を飲み込み、2022年には他球団のコーチから「地獄の4時間」と形容された本拠地での優位性も、今では色褪せている。

この2戦を経て、課題は明らかだ。2試合で計6得点。とりわけ主砲のカイル・シュワーバーブライス・ハーパーが、2人合わせて2試合で14打数1安打、1四球、8三振と沈黙している。

また、終盤の失点も勝敗を分けている原因の1つだ。2戦とも先発投手は素晴らしい投球を見せたが、リリーフ陣が踏ん張れていない。

ワールドシリーズ制覇のみを目標に今季を戦ってきたフィリーズ。第3戦は敵地での開催で、悲願成就に向けては、奇跡を願うしかない。現行の5試合3勝制、2戦→移動日→2戦→移動日→1戦形式の地区シリーズでは、敵地で最初の2試合に連勝した18チーム中16チームが勝ち上がっており(88.9%)、そのうち12度はスイープ(3連勝)だった。最後にこの状況から逆転で突破したのは、10年前、2015年のブルージェイズまで遡る。