例年であれば、8月3日(日本時間4日)のトレード期限まで残り2週間を切った段階でどの球団が売り手に回る予定であるか、より明確に把握できている。
もちろん、2026年は例年とは異なる。
信じられないことに、23日(同24日)を迎えた時点で24球団がポストシーズン進出圏内から6.5ゲーム差以内という十分に手の届く範囲につけている。今後の10日間の推移次第で、これらの球団の一部が確実に売り手に回る決断を下すものの、現時点でエンゼルス、アスレチックス、ジャイアンツ、メッツ、ロッキーズ、ロイヤルズの6球団のみが、ほぼ間違いなく売り手と見なされる状況にある。
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期限が近づくにつれて多くの大物スター選手がトレードの対象になる可能性がある一方で、4日(同5日)までにどの選手が新天地のユニホームを着ているか見極めるには時期尚早だ。
期限までに確実にトレードされると予測できる選手は誰だろうか。今後2週間で新天地へ移籍するはずである、これら6つの有力な売り手球団に所属する20人のリストを紹介する。タリック・スクーバル(29)、ジョー・ライアン(30)、CJ・エイブラムス(25)ほどのスター性はないかもしれないが、リストの各選手は今後2カ月間のプレーオフ進出争いにおいて、優勝候補球団の力になることができる。
(選手はアルファベット順。全ての成績や記録は22日=同23日の試合終了時点)
ルイス・アラエス内野手(29)、ジャイアンツ
昨季は自己ワーストの打率.292に終わったが、ジャイアンツでの1年目となる今季は96試合に出場して打率.320、OPS.805を記録し、全盛期の姿を取り戻している。二塁の守備でも大幅な改善をしており、OAA(平均的な野手と比べてどれだけ多くのアウトを奪ったかを示す守備指標)は「10」で、JJ・ウェザーホルト(23)に次ぐ同ポジション2位だ。アラエスはポジションを変更しないと明言しているが、二遊間の補強を求める球団は多く、FA(フリーエージェント)を間近に控えた同選手のトレードはほぼ確実とみられている。
ブレナン・バーナディーノ投手(34)、ロッキーズ
今季最初の14試合は防御率0.71と好スタートを切った。その後5週間は調子を落としたものの、直近19試合の登板では自責点0に抑えている。34歳という年齢もあり、ロッキーズの長期的な構想からは外れている。それでも年俸調停権をあと3年残しており、ブルペン強化を狙う優勝候補にとっては、年俸を低く抑えられる魅力的な救援左腕となる。
カルロス・コルテス外野手(29)、アスレチックス
球団が長期間保有できる外野手を放出するのは不自然に思えるかもしれない。だが、ロースターにはタイラー・ソダーストロム捕手(24)、ローレンス・バトラー外野手(26)、デンゼル・クラーク外野手(26)、ヘンリー・ボルテ外野手(22)、コルビー・トーマス外野手(25)がひしめいている。手薄な投手陣の層を厚くするため、29歳のコルテスらをトレードの駒にする可能性は十分にある。今季は78試合に出場して7本塁打、25打点、OPS.787を記録。三振の少なさはリーグ上位11パーセントに入る。
ジョナ・ハイム捕手(31)、アスレチックス
捕手を補強ポイントに挙げる優勝候補は多い。一方で、同じアスレチックスのシェイ・ランゲリアーズ捕手(28)を含め、大物捕手がトレード市場に出るかは不透明だ。そのため、ハイムが捕手不足の球団へ移籍する可能性はある。31歳のハイムは2023年にオールスター戦に選出されてゴールドグラブ賞も獲得し、レンジャーズのワールドシリーズ制覇に貢献した。だが、5月上旬にブレーブスから加入したアスレチックスでは控えに甘んじており、44試合で8本塁打、24打点、OPS.730にとどまっている。リーグ全体で捕手の需要が高い現状において、ポストシーズンの経験が豊富で契約満了が迫るハイムは、格好のトレード要員と言える。
クレイ・ホームズ投手(33)、メッツ
5月中旬に右腓骨を骨折したホームズは、23日(同24日)に初の実戦復帰登板を果たす予定で戦列復帰に近づいている。打球が直撃して離脱する前は、9試合に先発して防御率2.39と素晴らしいシーズンを送っていた。もし健康な状態をアピールできれば、引く手あまたとなるはずだ。今季終了後には、契約最終年となる来季の年俸1200万ドル(約18億6000万円)を破棄(オプトアウト)してFAになるとの見方が強い。
マーク・ライターJr.投手(35)、アスレチックス
今季の通算成績の数字だけでは、本当の活躍ぶりは見えてこない。股関節のインピンジメント(衝突症候群)で1カ月の間に2度目となる負傷者リスト入りを果たしたものの、5月中旬以降はリーグ屈指の救援投手として圧巻の投球を続けていた。5月12日(同13日)からの直近18試合の登板では、18回を投げて9安打5四球1失点、防御率0.50をマーク。打球の角度と速度の理想的な組み合わせを示すバレル率(上位4%)をはじめ、被ハードヒット率(打球初速95マイル=約153キロ以上を打たれない割合、上位11%)や空振り率(上位17%の少なさ)など主要な指標の多くでリーグ上位25%以内に入る好数字を叩き出している。今季終了後にFAとなるだけに健康を取り戻せば即戦力のレンタル補強として大きな魅力となる。
タイラー・マーリー投手(31)、ジャイアンツ
今季最初の11試合の先発で防御率6.04と苦しみ、左太もも裏の負傷で1カ月離脱した時点では、トレード市場での価値はゼロに等しいと思われていた。しかし戦列復帰後、今季終了後にFAとなるマーリーは5試合の先発で防御率3.76と復調。昨季もレンジャーズで16試合に先発して防御率2.18と好投した実績もあり、先発ローテーションの層を厚くしたい球団にとっては、掘り出し物の補強ターゲットになり得る。
ジェイク・マッカーシー外野手(28)、ロッキーズ
コロラドでブレークを果たした今夏、マッカーシーはトレード市場で注目の存在となっている。今季は89試合に出場して10本塁打、56打点、OPS.859を記録。球団の保有権があと2年残っていることに加え、自慢の俊足と平均以上の守備力も他球団の関心を引き寄せる要素となる。6月16日(同17日)以降の31試合では6本塁打、29打点、OPS.989と打ちまくっている。
AJ・ミンター投手(32)、メッツ
昨季4月に左広背筋を断裂して13カ月の長期離脱を強いられたが、5月26日(同27日)の復帰登板以降、圧巻の投球を続けている。近年と比べて球速は落ちているものの、21試合に登板して防御率1.71をマーク。21回を投げてわずか2四球と制球力も抜群だ。2年総額2200万ドル(約34億1000万円)の契約最終年を迎えており、今秋のFAまでに今季残っている年俸は400万ドル(約6億2000万円)弱となっている。
ミッキー・モニアック外野手(28)、ロッキーズ
2016年のドラフト全体1位指名選手。ロッキーズ加入後の2シーズンは打撃好調で、今季は67試合に出場して16本塁打、42打点、OPS.887を記録している。外野の全3ポジションをこなせる使い勝手の良さも魅力。来オフには最後の年俸調停資格を得る。
フレディ・ペラルタ投手(30)、メッツ
今季の大不振により、トレード市場での価値は暴落している。今季終了後にFAとなるものの、5月23日(同24日)以降の11先発で防御率6.67という惨状では、メッツが得られる見返りもたかが知れている。それでもこれまでの実績は確かなだけに、移籍による環境の変化が終盤戦の起爆剤になると踏んで、獲得に動く優勝候補が現れる余地は十分にある。
ブルックス・レイリー投手(38)、メッツ
今季終了後にFAとなるメッツのブルペン陣の1人。41試合に登板して防御率1.96と好投を続けている。直球の平均球速は90.1マイル(約145キロ)とメジャー下位4%にとどまり、力で押すタイプではない。だが、多彩な4球種を操って打者のタイミングを外し、打ち損じを誘う投球術は見事だ。バレル率(上位13%)や被ハードヒット率(上位10%)の低さが、その実力を物語っている。38歳左腕の今季残り年俸は約160万ドル(約2億4800万円)で、来季はFAとなる。
ロビー・レイ投手(34)、ジャイアンツ
新天地のサンフランシスコで今季も好投を続けている。サイ・ヤング賞に輝いた2021年の無双状態には及ばないものの、FAを控える34歳左腕は、先発陣の強化を狙う優勝候補にとって確実な戦力アップになる。6月5日(同6日)以降の直近8先発で防御率1.88と抜群の安定感を誇り、うち6試合を自責点1以下に抑えた。
ジョン・シュライバー投手(32)、ロイヤルズ
42試合の登板で防御率3.29を記録。6年連続となる防御率3点台以下へ向けて、着実にアウトを積み重ねている。32歳右腕の強みは、リーグ上位23%に入る47.4%のゴロ率。走者を背負ったピンチでも、併殺打などで難なく切り抜ける投球が光る。今季の残り年俸は約125万ドル(約1億9400万円)で、シーズン終了後にFA市場へ出る。
アントニオ・センザテラ投手(31)、ロッキーズ
度重なる負傷や不調を機に球団はセンザテラをリリーフへ配置転換した。これが功を奏し、試合終盤のさまざまな局面を任せられる万能な救援投手として見事な復活を遂げた。平均97マイル(約156キロ)の直球はメジャー上位13%に入る威力があり、44.5%のゴロ率もリーグ平均を上回る。31歳右腕の今季残り年俸は約400万ドル(約6億2000万円)。2027年は球団側が選択権を持つ1400万ドル(約21億7000万円)のオプション契約が残るため、今季限定のレンタル移籍となる可能性が高い。
ホルヘ・ソレアDH兼外野手(34)、エンゼルス
開幕から好調を維持し、最初の31試合は7本塁打、26打点、OPS.805と上々の滑り出しを見せた。しかし、5月4日(同5日)を境に一転して大不振に陥り、直近48試合は4本塁打、19打点、OPS.580と低迷。6月24日(同25日)を最後にアーチから遠ざかっている。それでも、2度のワールドシリーズ制覇や同MVP受賞など、大舞台での経験値は計り知れない。今季終了後のFAを見据え、優勝争いを繰り広げる球団への移籍が復活の起爆剤となる可能性はある。今季の残り年俸は400万ドル(約6億2000万円)強。見返りとして有望株を獲得するには、エンゼルス側が年俸の一部を負担する必要がありそうだ。
ブレント・スーター投手(36)、エンゼルス
一見すると、ブルペン補強を狙う球団が36歳のスーターに強い関心を抱くような成績には思えない。36試合に登板して防御率4.55にとどまり、直近8試合のうち7試合で自責点1以上。しかし、被ハードヒット率(打球初速95マイル=約153キロ以上を打たれない割合、上位4%)、平均打球速度(上位7%)、与四球率(上位20%)、ゴロ率(上位19%)、バレル率(上位24%)の主要指標は、いずれもリーグ上位25%以内に入る優秀な数字だ。さらに、FIP(守備から独立した防御率)は3.59、BABIP(インプレー打球の安打割合).323を記録しており、表面上の防御率以上に質の高い投球を続けていることが分かる。
レーン・トーマス外野手(30)、ロイヤルズ
2023年にナショナルズで28本塁打、86打点を挙げた大活躍には及ばないものの、30歳の外野手は調子を上げている。トレード期限を前に自身の価値を高め、ロイヤルズに貴重な交渉材料をもたらしている。6月4日(同5日)以降の40試合で7本塁打、22打点、OPS.814をマーク。最初の48試合でわずか2本塁打、OPS.657と低迷していたシーズンを見事に立て直した。今季終了後にFAとなるトーマスの今季残り年俸は、約175万ドル(約2億7100万円)となっている。
ルーク・ウィーバー投手(32)、メッツ
移籍の可能性があるメッツの救援投手3人の中で、ウィーバーは唯一2027年まで球団に保有権が残っている。32歳右腕の来季年俸は1250万ドル(約19億3700万円)だが、リーグ全体で救援投手の需要が常に高い現状を踏まえると、放出の決断に見合うだけの見返りをメッツが得られる可能性は十分にある。今季は39試合に登板して防御率1.98と好投し、41回を投げて43三振をマーク。スタットキャストのデータはさらに圧倒的で被ハードヒット率(上位13%)、空振り率(上位15%)、ボール球スイング率(上位18%)、三振率(上位19%)はいずれもリーグ上位20%以内に入っている。
カービー・イエーツ投手(39)、エンゼルス
直球の平均球速は90.8マイル(約146キロ)とリーグ下位5%にとどまり、決して力で押すタイプではない。それでも、39歳のベテラン右腕はボール球スイング率、空振り率、三振率においてメジャー屈指の数字を誇り、今季は22回2/3を投げて30三振を記録している。今季の防御率3.57は、昨季ドジャースで残した同5.23から大幅に良化している。先週の登板でセーブ機会を逃したものの、直近14試合の登板では防御率2.19と安定した投球を続けている。
