【ホワイトソックス6−5カージナルス】セントルイス/ブッシュスタジアム、9月12日(日本時間13日)
ランダル・グリチック(35)が九回2死2ストライクから放った決勝本塁打は、右翼手ビクター・スコット2世(25)のグラブを越えてスタンドへ飛び込み、勝利へ導いた。
試合後、ホワイトソックスを取材する記者たちの間では、グリチックにどんなニックネームを付けるかで盛り上がった。
「Grichey Mantle(グリッキー・マントル)」、「Ken Grichey Jr.(ケン・グリッキーJr.)」、さらには定番の言葉遊びを使った「The Grich Who Saved Christmas(クリスマスを救ったグリッチ)」まで飛び出した。
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ポストシーズン争いへの流れを再び引き寄せたかもしれない本人に、最後を締めてもらおう。こちらは冗談抜きだ。
「本当に必要な一発でした」とグリチックは振り返った。
短く、明快で、率直。記者顔負けのコメントだ。
実際、ホワイトソックス(76勝72敗)にとって、今のグリチックを欠く余裕はない。
「打撃で大きなインパクトを与えてくれています。それだけでなく、クラブハウスでもベテランリーダーの1人です。試合前から選手たちがチームの方針に集中できているか、雰囲気がいい状態に保たれているかを気にかけてくれています」とウィル・ベナブル監督(43)は評価した。
「彼は粘り強い。決して諦めません。チームでも年長の選手で、リーダーです。いつも役割を果たし、正しいプレーをします。球場にもいつも一番に来ます。驚きません」と捕手カイル・ティール(24)は評した。
グリチックの本塁打で4-5のビハインドを逆転した。八回裏、レオ・ベルナル(22)がグラント・テーラー(24)から本塁打を放ち、ホワイトソックスはリードを失っていた。ベルナルの一発まで、ヘイゲン・スミス(23)とテーラーは計3回を無失点、5三振1四球に抑えていた。
カージナルスのクローザー、ライリー・オブライエン(31)は九回に登板。ティールを0-2と追い込んだが、最終的に四球を与えた。ホワイトソックスはこの試合7四球を選び、さらに3死球を受けていた。
代走ブレントン・ドイル(28)は、ミゲル・バルガス(26)と村上宗隆(26)の三振の間にカージナルスの警戒をかいくぐって二盗に成功。2死二塁でグリチックに打席が回った。
オブライエンは最初の4球をスライダー2球、スイーパー2球で攻め、グリチックはゾーン外の球に2度手を出した。そして5球目にシンカーを投じた。
グリチック自身も、飛距離358フィート(約109メートル)の打球が今季13号になるとは思っていなかった。
「打った瞬間は本塁打だと思いませんでした。切れながらフェンスに当たってくれればと思っていました。ビクターは素晴らしい外野手なのでフェンス内に残れば捕られていたでしょう。あとは願うしかありませんでした。ここに来る前から、みんなに『投手有利の球場だから、無理に大きい打球を狙う必要はない』と伝えていました」とグリチックは振り返った。
グリチックの一発で、ホワイトソックスは今季ワーストタイの4連敗を止めた。直近12試合で9敗と苦しんでいたが、この勝利でア・リーグ中地区のガーディアンズ(75勝74敗)との差を1.5ゲームに広げた。
さらに、ア・リーグ第2シード争いでも前進した。第2シードを獲得すればワイルドカードシリーズが免除される。アストロズ(75勝74敗)もホワイトソックスを1.5ゲーム差で追っている。
もう一つの有力なワイルドカード候補、ブルージェイズ(74勝75敗)も12日(同13日)に勝利し、ホワイトソックスまで2.5ゲーム差だ。
「いい勝利でした。もちろん、とても興奮しました。結果にかかわらず、全体的によく戦えた試合だったと思います。守備では2つの失策がありましたが、投手陣の内容、打席での取り組みは素晴らしかったです。
打線ではバトンをつなぐ意識を持ち、粘り強く打席に立って次の打者へつなげました。そして九回には特別な一打も出ました」とベナブル監督は振り返った。
ホワイトソックスは二回、オープナーのショーン・ニューカム(33)と、後を受けて長いイニングを担ったルイス・カスティーヨ(33)が計3点を失い、0-3と先行された。ニューカムは4三振を奪い、カスティーヨは2回2/3で4安打3失点だった。
しかし四回、五回にはクーパー・ジャーピ(25)の制球難につけ込み、同点に追いついた。ジャーピは1回0/3で4四球、2死球を与えた。
その数イニング後には再び厳しい展開となり、ポストシーズン争いで痛い敗戦まであと1ストライクに迫られた。そこで、5月4日にFA契約で加入したグリチックが再び仕事を果たした。
「最近は走者を出せていますが、試合を決める一本がなかなか出ていませんでした。みんな、それを感じていたと思います。今夜は幸運にも自分が決めることができました」とグリチックは語った。
「明日もまだやるべきことがあります。それが一番大事です。毎日、反骨心を持って試合に臨んでいますし、一番を目指しています。勢いには大きな力があります。チームにとってもうれしいですし、彼の活躍も本当にうれしいです」と正捕手のティールは次戦へ気持ちを向けた。
