レンジャー・スアレス、今季4度目の無失点登板で5勝目

June 14th, 2025

フィリーズ8-0ブルージェイズ フィラデルフィア/シチズンズバンク・パーク

フィリーズ左腕のレンジャー・スアレスは、ブルージェイズ戦でも平常運転だった。

剛速球もなければ、打者をひざまずかせるような変化球もない。さらに華やかさもない。ただ淡々とマウンドへ向かい、相手打者を抑えて、何事もなかったかのようにベンチへ戻ってくる。

スアレスは13日(金)のブルージェイズとの第1戦で7イニングを4安打無失点、6三振、1四球で、94球中65球がストライクと抜群の制球力を発揮した。

「いつも通りのレンジャーだったね」と遊撃手のトレイ・ターナーは笑った。

いつも通りの『宝石のように輝く投球』だった。

今季、スアレスは6回以上を投げて無失点の試合がこれで4度目。これはフィリーズ投手陣で最多なだけでなく、メジャー全体でもこれを上回るのはタリク・スクーバル(6回)、山本由伸(5回)、ソニー・グレイ(5回)の3人のみだ。スクーバルとグレイは14試合先発しており、山本もきょう14度目の先発登板する。一方スアレスは、ここまでわずか8度の先発だ。

スアレスは背中の張りで開幕から5週間離脱し、5月4日のダイヤモンドバックス戦で3回2/3を投げて7失点と大炎上したが、その後の7先発では46回2/3で失点わずか7(自責点6)にとどめている。

「ケガのことは忘れて、今の自分に集中している」とスアレスはチームの通訳を通じて語った。

5月10日以降の防御率1.16は、パイレーツのエース、ポール・スキンズ(0.76)に次いでリーグ2位に入る。

「スアレスはマウンドを支配する投球を連発することがある。今夜はまさにそれで、速球のコントロールが完璧だった。ストライクも多く、すべての球種が良かった」とロブ・トムソン監督は語った。

前回登板は7回2失点だったが、味方打線の援護が1点に留まり、不運な敗戦を喫した。しかしきょうはカイル・シュワーバーの22号3ランなどで二回に4点、さらに六回にも追加点をもらい、スアレスは5勝目を挙げた。

この好調ぶりは、昨季のスタートを彷彿とさせる。昨年は開幕から15試合で10勝1敗、防御率1.75という驚異的な数字を残した。しかしその後、腰の故障で1カ月の離脱もあり、残りのシーズンでは2勝7敗、防御率6.17と失速している。

懸念はスアレスの直近の登板で球速がわずかに低下している点だ。5月には92マイル以上の速球を101球投げたが、6月はここまでわずか6球だが、「球速に頼るタイプではない。すべての球種でコマンドが優れている。健康面も全く問題ない」とトムソン監督は断言する。

実際、金曜夜の試合で92マイル超えの速球は最終イニングに集中していた。スアレス自身、「球数を抑えて八回に戻りたかった」と話すように、省エネ投球が球速に反映されたようだ。

それでもチームは登板数やイニング数を慎重に管理している。昨年なら続投させていた場面でも、今季は無理をさせない。「ちょっとした蓄積が大きな負担になる。われわれはもっと賢く管理しないとね」と監督。

スアレス自身もその方針を歓迎する。

「僕にとって一番大事なのは健康だ。健康なら自分がどんな投球ができるか分かっている。」

ファンにとっても球界にとっても、スアレスの完全復活は何よりの朗報だ。今年こそ、後半戦まで「いつものレンジャー」を見せ続けてくれるかもしれない。