レッドソックスは今季、長いシーズンを戦う野球の醍醐味を最も強く感じさせるチームとなっている。もっとも、ここ1週間は苦しい戦いが続いている。
夏が本格的に始まって数日後、レッドソックスは一躍その主役となった。フェンウェイ・パークでヤンキースとの4連戦を迎えた時点では借金14。地区最下位に沈み、2018年のワールドシリーズ制覇以降では4度目となる最下位でシーズンを終える可能性さえ感じさせる状況だった。
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6月25日(日本時間26日)のヤンキースとの4連戦初戦を迎えた時点でレッドソックスは2位ヤンキースに15.5ゲーム差をつけられていた。それが先週末には、敗戦数で一時ヤンキースに並ぶまで差を縮めた。球団記録となる15連勝を達成し、その間を含めて32勝5敗。7月は21勝4敗と球団史上最高の月間成績を残した。さらに、その後も9連勝。目まぐるしい快進撃だった。
しかし、その9連勝が止まると流れも一変した。アスレチックスとの本拠地シリーズで最後の2試合に敗れ、続く敵地ブルージェイズ戦でも最初の2試合を落とした。12日(同13日)の試合前時点で4連敗。ア・リーグ東地区最下位のブルージェイズも復調の兆しを示している。
長いシーズン。そしてレッドソックスにとっては長い1週間となった。今後の巻き返しを目指す中、新たに加わったアドリー・ラッチマン捕手(28)の存在も大きい。ラッチマンは10日間の負傷者リストから復帰し、11日(同12日)夜のトロントでレッドソックス移籍後初出場。1安打、2四球を記録し、右翼へ本塁打を思わせる大きなファウルも放った。
レッドソックスはこの試合も3―5で敗れた。6週間にわたる快進撃から一転し、ここ4日間は苦戦が続いている。短期間とはいえ、ヤンキースとの4連戦前に32勝46敗まで落ち込み、勝負どころで一本が出ず得点できなかった頃の姿に戻っている。
チャド・トレーシー監督代行(41)は、現在の苦境を乗り越える必要性を強調した。
「6週間ずっと勝負どころの一打が出続けるわけではない。うまくいかない時期もあるし、その時は粘り強く乗り越えるしかない。今がまさにそういう時期だ。これからも粘り強く戦っていく」
レッドソックスファンは6月下旬、ヤンキースとの4連戦をスイープした快進撃に驚かされた。その後も勢いは止まらなかった。今季はヤンキース、レイズ、ドジャース、ホワイトソックスとのシリーズでスイープを達成。4球団はいずれも対戦当時、地区首位だった。
レッドソックスがワイルドカード争いだけでなく、ヤンキースやレイズにも迫る中、筆者の知人であるレッドソックスファンから短いメッセージが届いた。
「夏が戻ってきた」
地元中継局NESNでレッドソックス戦の実況を担当するデーブ・オブライエン氏(63)も、快進撃を表現する言葉に困るほどだった。
「もう言葉が尽きそうだ」 (MLB.com)
レッドソックスの快進撃は、主力2人を欠いた戦力でも際立った。ギャレット・クローシェ投手(27)とロマン・アンソニー外野手(22)は長期離脱が続いている。クローシェは昨季、ア・リーグのサイ・ヤング賞投票でタリク・スクーバル投手(29)に次ぐ2位。今季は60日間の負傷者リストに入り、最後の登板からすでに4カ月が経過した。今季中に再登板できるか、復帰時期もまだ見通せない。
前年に新人ながら中心選手へ成長したアンソニーも、5月下旬から戦列を離れている。右手薬指の靱帯断裂と腱の部分断裂からリハビリを続け、球団はマイナーでの実戦復帰が近づいていると期待している。
幸運が続いた時期とは対照的に最近は不運も重なった。レッドソックスはナショナルズで23本塁打を記録していたカーティス・ミード内野手(25)をトレードで獲得したが、移籍初戦で死球を受けて左手首を骨折した。
今季のチームをけん引してきたウィルソン・コントレラス内野手(34)も、数週間前のドジャースタジアムでウィル・クライン投手(26)の速球をヘルメットに受けて以降、本来の状態を取り戻せていない。
長いシーズンを実感させるチームはレッドソックスだけではない。ドジャースは好調を維持し、さらにスクーバルを獲得した直後から7連敗。それでも、ようやく連敗を止めた。スクーバルを放出したタイガースも、ア・リーグ中地区首位を狙える位置まで浮上している。タイガースファンにも再び「夏が戻ってきた」と感じる時期が訪れるかもしれない。
レッドソックスは現在の足踏みを経ても、ア・リーグのワイルドカード2番手を維持している。6月下旬に一気に流れを変えたように、再び立て直せると信じている。
野球のシーズンは長い。巻き返す時間は、まだ十分に残されている。
