有望株ウィマーが脳手術「僕なら乗り越えられる」

November 22nd, 2025

ブレイレン・ウィマー(24)は脳外科手術の最中、意識があった。言語病理士が彼に職業に関する質問、つまりは野球の質問をしながら、左耳の後ろにできた腫瘍を外科医が取り除いていた。

わずか3週間前までは、すべてが普通だった。ロッキーズ傘下で急成長を見せている有望株ウィマーは、1Aスポケーンと2Aハートフォードでの印象的なプロ3年目を終え、アリゾナ秋季リーグでプレーしていた。

身長6フィート3インチ(約191センチ)、体重200ポンド(約91キロ)のウィマーは、2025年シーズンを打率.296、出塁率.366、長打率.466、17本塁打、37盗塁、131試合出場という成績で終えた。守備面でも多才さを示し、プロになってから投手、捕手、一塁手以外の全てのポジションで出場している。

しかし11月1日、スコッツデールの球場へ向かう車中で、すべてが一変した。

ウィマーは発作を起こし、救急搬送され、ほどなく脳腫瘍(しゅよう)と診断され、18日後には覚醒下開頭手術を受けた。患者が意識を保ったまま、脳内で処置が行われるという、現実離れしたような手術である。

医療費支援のためのGoFundMeのページを立ち上げた恋人ペイトン・グレイは、彼に質問をした

「どうしてあなたなの?」「どうして健康な24歳のあなたがこんな目に遭わなきゃいけないの?」

ウィマーの返答は、彼女に勇気を与えた。

「僕なら乗り越えられるからだ。そして、もしかしたらそれが僕の使命で、いつか同じ状況にある人を助けることができるのかもしれない」とウィマーは言った。

ウィマーは冷静さを保っているが、生死に関わる状況に置かれれば、誰だって不安になる。ロッキーズの選手育成部長クリス・フォーブスは、その気持ちが痛いほど分かるという。ウィマーが生まれる約1年前、フォーブスは医師から「手術不能の脳腫瘍が2つある」と診断された。53歳のフォーブスは、死と隣り合わせの人生を歩んできた。ウィマーの状況を知ると、彼はすぐさまオクラホマへ向かい会いに行った。

「当時の彼は少し不安が強かった。だが幸運だったのは、執刀医が『同じ手術を経験した人物に会うべきだ』と提案してくれたことだ」とフォーブスは語る。

その人物とはライアン・シャープで、彼も発作をきっかけに左脳に腫瘍が見つかった経験を持つ。ウィマーにまず「“Google先生”は恐ろしいぞ」と伝え、自身の経験をもとに、ウィマーがこれから向き合う現実に、準備するためのアドバイスをした。

「ブレイレンと彼女はその男性に会い、それが結果的に本当に良い出来事になった。『これが起こる、これも覚悟しておけ。ただここは大丈夫だ』と説明してくれて、二人の不安を大きく和らげた」とフォーブスは語る。

野球は、ウィマーがこの過酷な闘いから、回復した後の未来に意識を向ける支えとなっている。

現在のマイナーでの成功にたどり着くまでの道のりは決して平坦ではなかった。高校時代は大きな注目を浴びず、サウスカロライナ大学で活躍した後も、2023年ドラフトではなかなか名前は呼ばれず、231番目でようやくロッキーズから名前を呼ばれた。

「彼はとてつもない能力を持っていた。身長6フィート3、60ヤード走は6.4秒台。複数ポジションを守れる。非常に多くの才能を持っている」と、ウィマーの指名を進言したロッキーズのスカウト、ジョーダン・ザーネッキは語る。

「3年目の成績は、本人の望むレベルには届かなかったと思う。フィリーズが18巡目で指名したが、契約しなかった。彼は大学に戻り、われわれはシニア(4年目)で獲得できた。今の成長を続ければ、メジャーに到達する軌道に乗っている」

実際、1Aから2Aに昇格した時点でのウィマーの活躍ぶりは際立っていた。

「もちろん彼は2Aでシーズンを終えたが、スポケーンでは素晴らしいシーズンを送っていた。あのままいけばリーグMVPの可能性もあったが、その途中で彼を昇格させた」とフォーブスは語った。

今、ウィマーの将来には大きな壁が立ちはだかっている。しかしロッキーズが見つけた新たな一面は、この新たな闘いこそが彼の集中力と決意をさらに強めるということだ。実際フォーブスは、ウィマーが掲げた目標は野心的だが、同時に、十分現実的だと言う。

「手術前日の夜でさえ、彼は『取り残されたくない』と話して、すでにスプリングトレーニングのことを考えていた。スプリングトレーニングへの想いは、彼にとって計り知れないモチベーションになるだろう」とフォーブスは語った。

ウィマーの前には多くの不確定要素がある。しかし彼は、大きな壁に立ち向かいながら、メジャーデビューという夢を目指している。簡単な道ではなく、保証もない。何より、野球以上に大きなものが懸かっている。しかし野球はウィマーを突き動かす原動力であり、今や想像もしなかった形で彼を支えている。

「ずっと見ているから分かるが、彼はメジャーに到達することに驚くほど集中している。その想いが、この困難を乗り越え、フィールドに戻る力になる」とザーネッキは語る。

「今は、これまで以上の力が必要になる」