【ダイヤモンドバックス7-10ドジャース】アリゾナ州スコッツデール/ソルトリバーフィールド、2月25日(日本時間26日)
たかが、スプリングトレーニングの1試合目。しかし、こういった登板が佐々木朗希にとっては非常に重要な意味を持つ。
この日、佐々木は先発としての復帰登板を果たしたが、1回1/3を投げて3失点と不安定な内容だった。新たに取り組んでいるカットボールとシンカーも投げたが、特に序盤はフォーシームの制球に苦しんだ。
長期的に先発として成功するためには、球種を1つ、あるいは2つ増やすことが極めて重要だと見られている。一方で短期的には、今の持ち球、とりわけ速球の精度を高めることも同じくらい重要だ。
「まずはスプリットを軸に組み立てること。ストライクも取れるし、落差を小さくもできる。そこに制球された速球を織り交ぜる。そして話している3つ目の球種を磨いていくことだ」とデーブ・ロバーツ監督は語った。
佐々木のフォーシームとスプリットは破壊力抜群の組み合わせだが、信頼できる第3の球種がなく、昨年は配球が読まれる場面もあった。速球をゾーン内に決められないと打者はスプリットを見送り、逆にスプリットでストライクを取れないと速球を狙い打ちにされた。
この日の登板は、球種の幅が広がれば佐々木がより危険な存在になり得ることを示した一方で、本来の速球が機能することも不可欠であることを改めて浮き彫りにした。
初回、佐々木は最初の5人中4人に出塁を許し、3安打と1四球で3失点した。立ち上がりは自ら配球を組み立て、フォーシーム主体の投球となり、数球のカットボールを織り交ぜた程度だった。
その後は捕手ダルトン・ラッシングが配球を担当し、佐々木は代名詞であるスプリットやシンカーも交え始めた。そこから内容は安定し、初回の最後の2人と2回の先頭打者を三振に仕留めた。
ドジャースは2回まで投げさせる予定だったが、2つ目の四球を与えたところで降板。36球で4アウトを取り、ストライクは17球だった。
「正直、今日は初めてメカニクスが崩れていると感じた。力みすぎていたような気がする」とロバーツ監督は語った。
昨季は終盤にかけて調子を上げたものの、佐々木はあくまで、結果を示さなくてはいけない立場にいる。大きな期待を背負ったルーキーイヤーは、最初の8先発で防御率4.72と振るわず、その後右肩のインピンジメントで負傷者リスト入りした。
NPB時代の姿を取り戻すために、慣れない役割も担った。ポストシーズンで抑えを務め、フォームを改善し、シーズン序盤には見られなかった100マイル(約161キロ)超の球速を取り戻した。
この日は100マイル(約161キロ)には届かなかったが、最速98.6マイル(約158.7キロ)、平均96.9マイル(約156.0キロ)を計測。試合後には、球速を上げるためにメカニクスに取り組む必要性を語った。
ブルペンでの起用は当初から一時的なものだった。今季は先発を務める予定で、ローテーション入りは“ほぼ確実”と見られつつも、自ら勝ち取る必要がある。
「キャンプでの様子を見ると、良い点は多い。個人的にはローテーションに入ると期待している。ただ最終的には、しっかり投げ続けることが必要だ」とロバーツ監督は語っている。
育成と競争のバランスを取るのは容易ではない。勝ち負けがそこまで重要ではない試合であっても、佐々木のような選手は細部まで厳しく見られる。
「24歳でメジャーで投げながら成長していくというのは、そういうことだ。簡単ではない。でもメジャーに来た全員がそこから成長する。それを続けていけば、より良い選手になる」とラッシングは語った。
この時期、チームは試合結果以上のものを見てロースターを組み立てる。しかし、積み重ねた実績もまた無視できない。
