MLBナンバーワン有望株がデビュー

レッドソックス、ローマン・アンソニーを昇格

June 9th, 2025

強打を武器にMLBパイプライン全体1位有望株に選出されたローマン・アンソニーが、ついにメジャー昇格を果たした。

21歳のアンソニーは背番号48を着け、月曜日フェンウェイ・パークで開幕するレイズとの三連戦初戦で「5番・ライト」としてスタメン出場を果たした(日本時間8日午前8時10分開始)。

これに合わせて、ウィルヤー・アブレイユが左腹斜筋の張りで10日間の負傷者リスト入りし、ライアン・ノダがメジャー40人枠から外れる措置(DFA)を受けた。

「チームの勝利に貢献できるならどんな形でもいい。同じ競技だけど、これまでとは違う舞台。とにかく初めての経験を楽しみたい。自分の力を信じて、仲間たちと一緒にチームを勝たせたい」と本人は試合前にその期待を語った。

今季のレッドソックスは期待を下回る成績で、アンソニーの昇格を望む声は数週間前から高まっていた。土曜のマイナー戦では、推定約151メートルの満塁弾を放ち、その声はさらに勢いを増した。

レッドソックスはこれまでダスティン・ペドロイア、ラファエル・ディバース、ムーキー・ベッツ、マルセロ・マイヤーら多くの有望株を昇格させてきた。しかし、MLB全体の有望株ランキング1位選手はおらず、アンソニーにかかる期待は大きい。

「これまで(周囲の期待を)気にしすぎず、自分の技術を磨くことに集中していた。毎日少しでも成長できるように努力してきたし、それが今につながっている。これからはメジャーの先輩たちから学びながら、自分らしいプレーを続けてチームの勝利に貢献したい」

今季、アンソニーは3Aで外野の全ポジションを守ってきたが、MLBではレフトが最適と見られている。

レッドソックスはここまで、ジャレン・デュランをレフト、セダン・ラファエラをセンターで起用してきたが、前者は元々センターで昨季ゴールデングラブ賞の最終候補の一人。後者も内野をこなすことが可能なため、レフトのポジションを空けることができる。

アレックス・コーラ監督は「今日はアンソニーをライトで起用するのが一番良いと判断した。ジャレンはレフトで、セダンはセンターで素晴らしい守備を見せている。今後話し合っていくけれど、(アンソニーは)この試合はライトでプレーする」と説明した。

左打ちのアンソニーはパワーと打球速度の速さが特徴で、土曜の満塁弾は時速約186kmと会心の一撃を記録した。それに加え選球眼の良さも武器の一つ。

「ハイライトだけじゃなく、打席内容全体を見ていても本当に素晴らしい。ストライクゾーンの見極めが上手く、強い打球も打てる。このことを常に評価してきた」とコーラ監督も絶賛する。

今季3Aでは212打数で打率.288、出塁率.423、長打率.491、10本塁打、29打点。開幕ロースターには入らなかったが、春季キャンプではメジャーに帯同していたことも、球団の期待の大きさを物語っている。

「彼もマルセロ(・マイヤー)や(クリスチャン)キャンベル、セダン、アブレイユたちと同様、まだ完成形ではない。メジャー昇格は簡単ではないし、順応も難しい。しかしアンソニーは間違いなく優れた選手だ」

アンソニーは2022年のドラフトで全体79位で指名された。高校出身選手としては異例のスピードで昇格を重ね、2023年には早くも2Aまで到達し10試合をプレーした。

今、彼は最も注目される舞台の一つであるボストンでその力を証明するチャンスを得た。物怖じしない冷静な性格と自信に満ちた姿勢で、次なるステージへの準備は整っている。