前エンゼルス監督のワシントン、ジャイアンツの内野コーチ就任へ

December 4th, 2025

ジャイアンツが、レンジャーズとエンゼルスで監督を務めたロン・ワシントンを内野コーチとして招へいする契約を最終段階まで詰めている。ザック・ミナシアンGMが4日(日本時間5日)、ラジオ番組で語った。

ワシントンは現在73歳。1996〜2006年にアスレチックスで一塁コーチ、三塁コーチを務めた時期に「内野守備の名コーチ」として高い評価を確立した。2007〜14年にはレンジャーズの監督を務め、2010年と11年には2年連続でワールドシリーズ進出に導いた。ただし、いずれも頂点には届かず、2010年の敗退はジャイアンツを相手に喫している。

テキサスでの8年間の指揮を終えたワシントンはオークランドに戻り、2015〜16年にはアスレチックスの特別インストラクター兼三塁コーチを務めた。その後はブレーブスの三塁コーチとして7シーズン在籍し、2024年シーズン前にエンゼルスのペリー・ミナシアンGM(ジャイアンツのザック・ミナシアンGMの兄)から招かれてアナハイムの監督に就任した。

エンゼルスでフルシーズンを指揮したのは1年だけで、2年目の今季は6月20日に医療上の理由で離脱し、6月30日には心臓のバイパス手術(4本)を受けた。ワシントンは3年目もエンゼルスの監督を続けることを望んでいたが、球団は10月に2026年の契約延長権を行使しない決断を下した。

ジャイアンツに加わることで、ワシントンはベイエリアに戻り、ゴールドグラブ賞を5度受賞している三塁手マット・チャプマン、遊撃手ウィリー・アダメス、二塁手ケイシー・シュミット、一塁手ラファエル・デバースとブライス・エルドリッジら、才能ある内野陣を指導する。

ワシントンが長年培ってきたノウハウは、プロでのコーチ経験を持たないまま大学監督からMLBの指揮官に就任した初のケースとなるトニー・ビテロ新監督の大きな助けになるはずだ。実際、ザック・ミナシアンGMによれば、コーチ候補としてワシントンの名前を最初に挙げたのはビテロだったという。

「トニー(ビテロ監督)の評価は高い」とミナシアンGMはラジオ番組で語った。

「トニーは、チーム全体で取り組むことと、見えにくい弱点をできるだけ埋めていくことをいつも話題にしている。ワシントンを入れたらどうかという話題を最初に持ち出したのもトニーで、『あの経験を持つワシントンを招くのはどうだろう?』という聞き方だった。テキサス時代までさかのぼって、うちの兄弟や父もワシントンと一緒に仕事をしてきた。もちろんペリーはエンゼルスの監督として招いている。家族だけではなく、ワシントンと接した人は誰もが、本当に高く評価している」

「トニーと対話を重ねる中で、ワシントンのエネルギー、専門性、経験を考えれば、スタッフに加わってもらうのが明らかにベストだという結論になった」とミナシアンGMは続けた。

「まだ(契約に向けて)最終的な詰めの作業を進めている段階だが、コーチに入ってもらう方向に進んでいるのは確かだと思う。選手たちにとってだけでなく、ベイエリアとつながりのあるワシントンにとっても非常に良い組み合わせだと感じている。自分はスタッフの成長を重視しているし、ワシントンはコーチングスタッフ全体にとても大きな影響を与えてくれる存在になるはずだ」

ワシントンがジャイアンツと契約間近だと最初に報じたのは、USAトゥデー紙のボブ・ナイチンゲール記者だった。