すべての有望な若手選手は『Carrying tool(武器)』を持っている。
それはメジャーに上がるための最大の武器で、メジャーでもその選手を特徴づける能力だ。コンタクト能力が高い選手もいれば、選球眼や圧倒的なスピード、守備、強肩を誇る選手もいる。
ロニー・マウリシオはマイナー時代からボールを強打できる力が武器で、2年前にメジャーに昇格した時から、それを生かしながら戦ってきた。
二度の膝の手術を経ても、マウリシオの最大の武器は健在だった。
メッツのプロスペクトランキング9位のマウリシオは、7日(土)ロッキーズ戦で、その武器を改めて証明した。三回に456フィート(約139メートル)の特大弾を右中間の2階席に叩き込み、チームに先制点をもたらした。
この一発はメッツの今季最長弾で、メジャーでも14番目の飛距離。今季ここまでマウリシオより長い本塁打を放ったのは、マイク・トラウト、アーロン・ジャッジ、ロナルド・アクーニャJr.、カイル・シュワーバーら、球界を代表するスラッガーだけだ。
この夜のデンバーは気温が高く、打球はよく飛んだ。
メッツ打線はジャレッド・ヤングやジェフ・マクニールもアーチを描いたほか、足の指を骨折しているフランシスコ・リンドーアも3安打で、先発のクレイ・ホームズを強力に援護した。
しかし、この日の主役はやはりマウリシオの豪快な先制弾だった。
甘く入ったヘルマン・マルケスのナックルカーブを完璧に仕留めると、マウリシオはすぐに本塁打を確信。打球の行方をしっかり見届けると、バットを放り投げてゆっくりとダイヤモンドを一周した。
今季は開幕を負傷者リストで迎え、6月3日に復帰した際には感極まって涙を拭う姿もあったが、この日、背番号10番は涙はなかった。
