ロイヤルズ、ブルワーズとトレードでコリンズ&ミアーズを獲得

December 14th, 2025

ウィンターミーティング後も積極補強を続けるロイヤルズは、ブルワーズから外野手アイザック・コリンズと救援右腕ニック・ミアーズを獲得し、代わりに救援左腕のアンヘル・セルパを放出したと、MLB.comが情報筋の話として伝えている。

トレード詳細

  • ロイヤルズ獲得:外野手アイザック・コリンズ、右腕ニック・ミアーズ
  • ブルワーズ獲得:左腕アンヘル・セルパ

コリンズはユーティリティ選手としても活躍できる。今季は主に左翼を守ったが、三塁や二塁でも出場しており、その守備の多才さが魅力だ。しかし、現状のロースターでは2026年は左翼での起用が見込まれている。守備指標も堅実で、今季は左翼でリーグトップの「平均以上アウト数6」を記録。足もまずまずのスピードを持っている。

しかし、ロイヤルズがコリンズを獲得した最大の理由は打撃だ。2026年のラインナップ強化を狙い、コンタクト能力と出塁力を重視した。28歳のコリンズは今季、ナ・リーグ新人王投票で4位に入り、打率.263、出塁率.368、長打率.411、OPS+118、9本塁打、54打点を記録した。空振りが少なく、粘り強い打席で投手にプレッシャーをかけるタイプだ。Statcastによると、コリンズのチェイス率は18.4%でMLB全体の上位2%にランクイン。空振り率は22.5%。四球率は12.9%で、打席数400以上の選手の中では19位タイに相当する。2年目のフルシーズンで多少の成績変動はあるかもしれないが、出塁能力や打席での選球眼は大きく落ちることはないとみられている。

今回のトレード成立には、ミアーズの獲得も大きな意味を持った。2023年のロッキーズ時代から注目されてきた右腕で、29歳。平均以上の速球を武器に、2025年は56回2/3を投げて防御率3.49、13四球、46三振を記録。Statcastによるチェイス率は33.5%でMLB全体の上位7%に位置する。速球とスライダーを軸に、時折カーブも織り交ぜる投球スタイルだ。

ブルワーズ時代には中盤〜終盤のイニングを任されており、ロイヤルズでもルーカス・アーセグの前、クローザーのカルロス・エステベスにつなぐ役割が期待される。ブルペンの層が厚くなることは間違いない。

コリンズは2028年まで年俸調停の対象外で、クラブコントロール下は2031年まで続く。一方、ミアーズは今季から調停対象となり、2027年終了後にはFAになる見込みだ。

セルパの放出は簡単な決断ではなかった。セルパは2016年にベネズエラからロイヤルズ入り。マイナー時代は先発として育成され、2021年末にメジャーデビューを果たした。2024年にリリーフへ転向し、過去2シーズンはブルペンの安定した戦力として活躍。昨季はキャリア最多となる64回2/3を投げ、防御率4.18を記録。最速96.6マイルのシンカーで打ち取る場面もあれば、変化球で制球力を乱すこともあった。

ロイヤルズは今回のトレードで打撃力を補強。コリンズのコンタクト力と出塁能力でオフェンスの底上げを狙う。すでにFA外野手レーン・トーマスと1年契約(フィジカルチェック待ち)で合意し、ラインナップが厚くなり、主力野手のサポートも強化された。ただし、情報筋によれば、今オフの打者補強が終了したわけではないという。